(書籍)中国における保税委託加工貿易に関する優遇制度 保税手冊の利用法及び保税貨物の管理上の課題と対応策(Kindle版)(張 安徳氏 著作)を読んで
最近、仕事で中国保税取引に関与する機会があり、今さらながら基本的な理解を深めようと、Kindle unlimitedにて無料で読める「中国における保税委託加工貿易に関する優遇制度 保税手冊の利用法及び保税貨物の管理上の課題と対応策(Kindle版)(張 安徳氏 著作)という電子本を読んでみました。

本書で参考になったのは、これまで個人的にはなんとなくの言葉の定義しか理解していなかった「加工手冊」による管理方法です。
中国の保税取引について解説した本はあまり出ていない中、本書は2016年出版と少し古い本ではありますが、上記保税取引について概要を説明してくれる希少価値の高い本なので、上記テーマについて興味・関心がある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。
さて、本書で参考になった箇所を個人的な備忘の為に、以下にまとめて書き留めておきたいと思います。
[参考となった内容]
・加工手冊による輸入品の管理手順
①委託加工契約(輸出契約)に基づいて該当する輸入する物品を記載して税関に登録
②製品を輸出する都度、輸出された数量を税関で消し込んでいく
③輸出 が完了した時、消し込んでいき、全ての消込が終了すると手冊は完了する。
・加工品の製造において仕損が想定される場合は、予め税関に認められた仕損率に
基づいて加工品の製造費に必要な部材・原材料の輸入数量を決める。
手冊通りに残りが生じた場合、輸出していない部分には納税義務が発生する。
・保税手冊により輸入された部品・原材料は税関の管理下に置かれる為、
手冊には正しい保税輸入品・保税輸出品の数量・品目を記載して、消込していく必要がある。
手冊通りに輸出加工取引が進まない場合、税関のデータベース上でエラーが出て
調査対象となる場合があり、上記違反が見つかった場合は、保税ビジネスが出来なくなるなどの
デメリットが発生する場合がある。
・保税品を手冊に基づいて消込処理をすることなく想定外の顧客に転売したり、
当初の用途以外に使用したりすると、手冊との不一致が生じることになるので、
後で税関に怒られることになる。
[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
商人道 (ビッグコミックス) (細野 不二彦氏 著作)※1巻~3巻(全3巻)



[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
中国ビジネス投資Q&A(2022年改訂)(水野真澄氏 著作)

[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
中国のもっとヤバい正体 中国のヤバい正体(孫向文氏 著作)
[本書で心に留まった内容]
不正が蔓延すると真面目にやっている会社も不正をしないと倒産しかねないことになり、
不正がさらに蔓延するという負のループ・間違った競争社会となる。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだ資料]
広東省における加工貿易マニュアル(2019 年 8 月、JETRO)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/kanan/pdf/201908-others.pdf

本書で参考になったのは、これまで個人的にはなんとなくの言葉の定義しか理解していなかった「加工手冊」による管理方法です。
中国の保税取引について解説した本はあまり出ていない中、本書は2016年出版と少し古い本ではありますが、上記保税取引について概要を説明してくれる希少価値の高い本なので、上記テーマについて興味・関心がある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。
[蛇足]
2010年前に書かれた保税取引の解説本をアマゾンで何冊か見つけましたが、中国の法令・ルールの改正スピードが速い中、さすがに10年も経過していると内容が古くなっているので、間違った知識を頭に入れることになりそうで、手に出せないですね。
保税取引について詳しい方であれば、あえて以前のルールを読んで、今のルールが出来た経過等に思いをはせて、理解を深めるという読み方はあるでしょう。しかし、(私のような)基礎知識も無い方が、First Taketとして、古い税務・会計に関するルールが書かれた本を読み始める弊害は大きいので、止めておきましょう。
中国は人件費が高騰してきていて、チャイナリスクもあるので、中国で加工ビジネスをすることは今後のトレンドではない為、中国の加工ビジネスに関する書籍が新たに出版されることは無いでしょうが、個人的には、以前出版された改訂版の出版を望んています。
さて、本書で参考になった箇所を個人的な備忘の為に、以下にまとめて書き留めておきたいと思います。
[参考となった内容]
・加工手冊による輸入品の管理手順
①委託加工契約(輸出契約)に基づいて該当する輸入する物品を記載して税関に登録
②製品を輸出する都度、輸出された数量を税関で消し込んでいく
③輸出 が完了した時、消し込んでいき、全ての消込が終了すると手冊は完了する。
・加工品の製造において仕損が想定される場合は、予め税関に認められた仕損率に
基づいて加工品の製造費に必要な部材・原材料の輸入数量を決める。
手冊通りに残りが生じた場合、輸出していない部分には納税義務が発生する。
・保税手冊により輸入された部品・原材料は税関の管理下に置かれる為、
手冊には正しい保税輸入品・保税輸出品の数量・品目を記載して、消込していく必要がある。
手冊通りに輸出加工取引が進まない場合、税関のデータベース上でエラーが出て
調査対象となる場合があり、上記違反が見つかった場合は、保税ビジネスが出来なくなるなどの
デメリットが発生する場合がある。
・保税品を手冊に基づいて消込処理をすることなく想定外の顧客に転売したり、
当初の用途以外に使用したりすると、手冊との不一致が生じることになるので、
後で税関に怒られることになる。
[hitorihoumuメモ]
上記の通り、保税品は税関により厳格に管理されています。その為、保税部材を使って抜き取り加工した端材については、「廃棄物」ではありますが、あくまで保税物の為、当該端材を処分するにも、保留されていた税金を納税して税関の許可を受けた受けで処理する必要となります。
上記管理がずさんな工場の場合、「保税」と「非保税」の端材を区分して管理しておらず、両者を一緒くたして同じように買取業者等に引き渡して売却処分していたりすると、「手冊」で届け出た内容と相違が生じて問題となる場合がありますので、注意するようにしましょう。
また、「端材」といえば、全般的な管理がずさんな工場の場合、「手冊」の管理とは別の問題として、工場の社員が端材を会社の了解を得ずに買取業者に売却して、売却代金を自分の懐に入れる不正ケースがあるようです。
端材と言っても在庫と同じであり、価値のあるものですので、しっかり管理をしていかないといけませんね。
[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
商人道 (ビッグコミックス) (細野 不二彦氏 著作)※1巻~3巻(全3巻)



[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
中国ビジネス投資Q&A(2022年改訂)(水野真澄氏 著作)

[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
中国のもっとヤバい正体 中国のヤバい正体(孫向文氏 著作)
[本書で心に留まった内容]
不正が蔓延すると真面目にやっている会社も不正をしないと倒産しかねないことになり、
不正がさらに蔓延するという負のループ・間違った競争社会となる。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだ資料]
広東省における加工貿易マニュアル(2019 年 8 月、JETRO)
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/kanan/pdf/201908-others.pdf
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