書籍:LAW(ロウ)より証拠

今般は、証拠調査士である平塚 俊樹氏著作の「LAW(ロウ)より証拠」という本を読んでみました。

本書の概要はアマゾンの「商品紹介」に譲るとして(要約するのが面倒くさいわけではありません・・)、本書で個人的に心に留まった箇所を以下に書き留めておきたいと思います。


「どちらが本当の悪なのか。法的に有効な証拠を積み重ねる中で、真実を理解してもらう。そして、警察が独自で調査をしなくても逮捕可能な状態まで準備を整えないと、動いてもらえない。それも当たり前の話である。

これがもしもストーカー事件を装った恐喝事件だとわかったとしても、殺人事件やもっと大きな事件を警察署はいっぱい抱えている。それらの犯罪捜査の手を一回止めてあなたに手を貸してもらうには、警察の手間を減らす必要がある。

本当に、それが事件だとしても、凶悪な事件よりもあなたの事件を『自分が困っているから先に助けて欲しい』なんてワガママなことを言う人間を助けている余裕などは警察にはないのだ。」

「テレビでは、弁護士が法律的に戦う部分しか出てきません。しかし、実際には法的に戦うという段階よりも前に、まずは法的に有効な証拠を集める作業に膨大な労力と時間がかかるのです。

(中略)

多くの日本人は、弁護士がこの証拠集めに関しても専門家であると勘違いしているのです。」


前半部分は若干、言い過ぎのような気がしますが、明確な証拠が無いと、警察等の行政機関は積極的に動いてくれず、また、弁護士も正義心による慈善事業でやっているのではないので、明確な証拠が無くて裁判で勝てそうもない事件は、門前払いされる場合もあるので、法律論も大事だけど、証拠集めも非常に大事だよ、という、本書で一貫した著者の主張はその通りかと思います。

ただ、法律を全く知らない一般市民は、自分の主張を通す為にはどのような証拠が必要となるのか、という法律上の要件は知りませんので、自分でネットにて調べた程度の中途半端な知識だけで証拠集めを進めることは避け、まずは専門家に相談したいところですね。せっかく苦労して証拠を集めても、いざ裁判等で使えないものであれば意味がないので。

本書では、下記目次に記載されている複数のケースについて、著者が対応した体験談が記載されており、読み物として面白いので、興味のある方は手にとってみてはいかがでしょうか。

<目次>
第1章 弱者を踏みにじる悪徳弁護士を斬る!
 ─交通事故の被害者が訴えられる?
第2章 お年寄りの財産を狙う「悪いやつら」
 ─老いた親の口座から一〇〇〇万円が消えていた!
第3章 お騒音トラブル
 ─早朝六時半からピアノを弾く子供
第4章 「彼氏」に金をだまし取られたOL
 ─借金返済に必要だと言われ……
第5章 買い物トラブル
 ─「当店は絶対に不良品は扱いません」という店で
第6章 カード詐欺
 ─六〇〇万円の買い物で一六〇〇万円引き落とされた!
第7章 借金にまつわるこわい話
 ─見に覚えのない六〇〇万円の借金
第8章 ストーカー
 ─裏社会の人間とつながった女の陰湿で恐ろしいストーキング
第9章 セクシュアルハラスメント
 ─セクハラ現場の音を録れ!
第10章 離婚にまつわるこわい話
 ─黒幕は宗教団体
第11章 いじめ
 ─実は弁護士が一番困る案件
 ─いきなり「出て行け」と言われて

LAW(ロウ)より証拠LAW(ロウ)より証拠
(2008/07/10)
平塚 俊樹

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空売り=悪なのか

最近、話題になりましたが、三菱自動車が、リコールへの対応に消極的であったとして、国土交通省からお叱りを受けて、昨日、同社の東京本社等に立ち入り検査が入ったみたいですね。一度懲りても、隠蔽体質の社風というのはなかなか変わらないものなんですねー。

ということで、私は、上記の記事が日経新聞に掲載された直後の株式市場で、(株価に織り込み済である心配をしながらも)同社の株式を空売りし、翌日に反対売買をして、家族へのクリスマスプレゼントの原資を調達しました。

というような話を、株式投資をしている上司や同僚と話をしたところ、「空売りをするような奴を俺は信用出来ない!」「俺のように、会社を応援する為に株式を購入したらどうだ!」「お前はハイエナのような奴だな!」というご指摘を頂戴しました。

まぁ、半分冗談で言われているのですが、「空売り」はそんなに悪いことなのでしょうか。ワイドショーやドラマで「空売り=悪」という固定観念を刷り込まれすぎではないでしょうか。

株式を「購入」する人もいずれ「売却」するわけで、「購入」が先か「売却」が先か、という違いしかないと思います。もちろん、相場操縦的な「空売り」は「悪」と言えるかと思いますが。

信用口座の開設の手間は掛かりますが、「空売り」が出来た方が株式投資の選択肢が増えますので、購入一辺倒の方は、食わず嫌いは止めて、一度、少額からトライしてみてはいかがでしょうか。

※株式投資は自己責任でお願いします。

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不利な条項を単純に削除すれば良いというものでもない

先日、当社が某取引先(A社)に契約書を提示したところ、当該契約書中の「相殺条項」を削除して欲しいとの要望を受けました。当該要望の意図は、当社とA社間の取引代金について相殺処理はしたくないとのことでした。

先方は、相殺について定められた民法第505条の存在を知らなかったのでしょうか。
もしくは、民法第505条の存在は知っているものの、第505条第2項に、「前項の規定は、当事者が反対の意志を表示した場合には、適用しない。」と定められていることが、「一方の当事者が相殺の意思表示をしても、相手方がその場でイヤだと言えば、相殺出来ない」という意味であると勘違いしているのでしょうか。
当社には知るよしもありませんが。


 民法第505条(相殺の要件等)
 1.二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が
  弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を
  免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
 2.前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。
  ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない


当社としては、いざという時の為の相殺権を密かに保持しておきたいので、民法第505条の存在についてはあえて言及せず、単純に、相殺条項の削除に応じました。

上記の教訓としては、相手から提示された契約書に、受け入れられない条項があった場合、単純に当該条項を削除して満足していると、実は法令にも同様の定めがあり、目的が達成出来ない場合がある、ということです。特に、自分が詳しくない外国法が準拠法の場合は上記のリスクが高まるかと思います。

その為、上記のケースで言えば、「相殺条項は削除してくれ」と要望するのではなく、「『相手方の承諾が無い限り相殺出来ない』という内容に変更してくれ」と要望するべきだったのでしょう。

A社を反面教師にして契約審査をしたい思います。

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契約書のPDFは提示出来るけどワードファイルは無理

先日、某取引先(A社:買主)から当社(売主)宛に、某契約書の締結依頼があり、PDFファイルで契約書の提示を受けました。

当社は、A社から提示された契約書をベースにして、対当社サプライヤー向け契約書を作成・締結しようと思い、PDFファイルではなく、ワードファイルを頂きたい旨、A社に依頼しました。しかし、「情報管理の観点」からワードファイルは送付出来ないとの回答がありました。ただ、A社から提示された某契約書をベースに、対サプライヤー向け契約書を作成するのはイイよとのことでした。

しかたなく、PDFファイルをプリントアウトし、私が記載内容をワードファイルにベタ打ちし、適宜、加筆・修正して対サプライヤー向け契約書を作成しましたが、非常に手間と時間が掛かりました。

なお、先方から提示されたPDFファイルは、スキャナーでPDF化したものなので、PDFファイルをワードファイルに変換するソフトウェアは対応不可でした。そもそもそんなソフトウェアは持っていませんが。

ちなみに、A社に限らず、上記のような冷たい回答を提示してくるケースは結構あります。

しかし、未だに「情報管理の観点からワードファイルは送付出来ない」という理屈が分からないのですが、A社の対応は妥当なのでしょうか。ご意見等ありましたら、ワードファイルにご記載の上、ご提示ください・・。

<備考>
今考えますと、上記のような手間と時間を掛けずとも、対サプライヤー向け契約書に、「サプライヤーは、当社とA社が締結した○○契約書に定める、当社のA社に対する義務と同等の義務を当社に対して負担する。」と記載し、別紙として○○契約書を添付して締結するという方法もありましたね・・。

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書籍:留学で人生を棒に振る日本人―“英語コンプレックス”が生み出す悲劇

今般は、栄 陽子氏著作の「留学で人生を棒に振る日本人―“英語コンプレックス”が生み出す悲劇」という本を読んでみました。

著者は本書にて、留学をすれば英語がペラペラになる、英語さえ出来れば就職・転職に有利になるというマスコミや留学エージェントの甘い言葉に踊らされて、多くの費用と時間を投じて留学をした・させた結果、当初に期待した成果を得ることが出来ない人が多い、と指摘します。

著者は「留学カウンセラー」を自称しているくらいですので、「留学は全てダメ」と主張しているわけではなく、留学にあまり夢を見過ぎるな、インターネットでほとんどのことは自分で調べることが出来る現在において、留学する自分や留学させる自分の子供の大事な将来を留学エージェントに丸投げするな、留学では「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」ことが大事、と主張します。私は留学未経験者ですが、上記はその通りですね。

自分で留学の必要性を感じて留学する人であれば、目的意識がはっきりしているので実りの多い留学になるかと思いますが、自分の英語コンプレックスにより、子供の意思に関わらず子供をむりやり留学させたり、(留学とは異なりますが)インターナショナルスクールに放り込んだりすると、多くの費用と時間をドブに捨てるだけでなく、その後の人生にむしろマイナスに働きそうですね。

現在、私は自分が留学することは考えてはいませんが、自分の子供が、日本語能力がある程度完成される高校卒業あたりに、どうしても留学したいと希望した場合には、留学させてもいいなと考えています。その際には、本人が留学で何を達成したいのか、留学先でその目的を達成出来るのかを十分に確認・調査してから、留学させてあげたいと思います。

ちなみに、私は留学経験はありませんが、2008年のゴールデンウィークに、英語の勉強の為と、以前から興味のあった牧場での生活を体験しようと、カナダの田舎町に1週間ほどファームステイをしたことがあります。

当時、ファームステイに行くと上司や同僚に話したところ、「お前、もしかして病んでるのか?」とか「女性から動物に守備範囲を広げたのか」と言い出す輩もいましたが、結果的には、その後の英語の勉強に対するモチベーションを上げることが出来て良かったですね。

ただ、ファームステイはあくまで旅行・リフレッシュが目的であり、本当に英語の学習をしたい、という方にはお勧めしません。

私が滞在したホストファミリーは広大な農場を経営していて、クリスマスツリーになる「もみの木」を育てたり、酪農したり、広大な畑でカボチャを作ったりしており、私は、ラマや牛、色々な動物にエサをあげたり、耕耘機で畑を耕したり、けっこう大きいパワーショベルの運転方法を教えて貰って、「日本で運転免許を持っているから大丈夫だよ。じゃあ、後は頼むは。」と言われて、一人、裏山にある畑へ続く新しい道を開拓させてくれたりと、なかなか貴重な体験が出来て楽しい思い出が出来ました。

ただ、基本的には農作業の時間が多いので、英語を使う機会は、食事や移動中に世間話をする時、作業の指示を受ける時位で、プログラムにもよるかと思いますが、英語のレッスンの時間はもちろん無く、滞在中に生の英語に触れているトータル時間は少なかったですね。私の場合は、たまたま滞在期間中に開催された教会のチャリティーパーティーにホストファミリーと参加して、ローカルの人達と会話をするという貴重な時間はありましたが。

そういえば、ファームステイ最終日の夜に、薄暗いリビングの暖炉の前で、ホストファザーと交わした会話は今でも鮮明に覚えています。

(私):今後、英語を話す機会は徐々に増えてくると思うんですけど、流暢に話せないので不安ですね。
(ホ):なあ、○○(←私)よ。みんなはお前の流暢な英語を聞きたいわけではなく、お前が何を話すのかを聞きたいんだよ。だから、流暢に話せないからと言って萎縮するのではなく、相手の目をしっかり見て、たどたどしくても自分の考えを話せばいいんだよ。そうすれば相手に伝わるさ。

現時点でも上記の教え通りには出来ていませんが、あの時の話を忘れずに、英語の学習に頑張りたいと思います。

最後に、上記のファームステイは、某留学エージェントを介して航空券の手配やホストファミリーの手配をしましたが、今思えば、安くないエージェント代を支払わずとも、航空券は自分で手配出来ますし、ホストファミリーには自分でコンタクトすれば予約出来ますので、ファームステイ位であれば、エージェントは使わなくても良かったですね。

ご参考までに、私のホームステイ先のHPを以下に記載しておきます。

Aldor Acres(←ファームステイ先)
http://www.aldoracres.com/index.htm

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41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

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