契約実務に関する自社の子会社に対するサポートのあり方について

先週末、今週末とブログの更新をサボってしまいました。最近、奥さんがヤフオク(出品する方)にはまっていて、PCを独占しているので、記事を書く時間が無いのです。と言い訳を言ってみました・・。

さて、早速ですが、子会社を有する会社に所属の法務の皆様、子会社の契約審査はどのような状況でしょうか。

私が所属している会社には、海外現法が2桁程ありますが、海外現法から契約書のチェック依頼があれば対応するものの、「海外現法は日本の本社にチェック依頼をするように」という明確なルールは無く、非常に受け身な対応となっています。とはいえ、仮に、上記のようなルールを設けた場合、現在の一人法務状態では対応仕切れないですが・・。

また、私が所属している会社(親会社:単体)では、サプライヤーとの間で基本契約書を締結することを義務付けているものの、海外現法については、「基本契約書を締結した方が望ましい」程度のアバウトな状態で、締結を義務付けていません。

今後の私のテーマとしては、基本契約書の審査業務においてハブ法務となるべく、まずは、自社の海外現地法人の契約実務状況を把握する為のアンケート調査とヒアリングを実施していきたいと思います。

また、親会社と子会社の契約書審査方針にズレがあるのも問題ですので、現在、私が所属している会社(親会社:単体)にて「自社:売主」「自社:買主」の両方の審査方針を作成し、それを海外現法仕様にカスタマイズして、各現地法人に展開していきたいと思います。

なお、当社の現地法人には、法務専任担当はおらず、契約審査は弁護士事務所に委託しているところや、現地の責任者が自身で審査・判断しているところ等、色々あるので、審査方針の展開時には、効果的に展開出来るよう、各現地法人の状況に配慮していきたいと思います。

以上、決意表明をしておきました。

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携帯電話の電波はペースメーカーには影響ない。

「誠 business media」の記事を介して知りましたが、産経新聞によりますと、少なくとも最近の携帯電話から発せられる電波は、心臓のペースメーカーにはほとんど影響が無いことを総務省が公表したみたいですね。

<以下、抜粋>
鉄道会社が電源オフを呼びかける根拠となっているのが、携帯電話からペースメーカーを22センチ以上離すことを推奨した総務省の「距離指針」だ。学界や関係省庁などで構成する協議会が9年に示した指針を元に、17年に策定された。

しかし昨年7月、電波の出力が強く、ペースメーカーの誤作動を招く恐れがあった「第2世代」(2G)と呼ばれる携帯電話のサービスが終了。ペースメーカーも改良され、現在は電波の影響を受けにくくなっている。

実際、総務省が現在の第3世代(3G)携帯電話を使ってペースメーカーへの影響を調査した結果、携帯電話から3センチ以上離れれば、ペースメーカーに影響はないことが判明。総務省は今年1月、距離指針を22センチから15センチに緩和した。
<抜粋終了>

これで、優先席付近では携帯電話の電源を切りましょう、という車内アナウンスが無くなる日も近いかもしれないですね。なお、法務・総務とは全く関係ありませんが、上記の点に関連して前から思っていたことを書いてみたいと思います。

電車の車内では良く、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください。それ以外の場所では、マナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください。」と、優先席付近以外の場所では、電源を切りはしないまでも、通話を控えるよう、車内アナウンスが流れることがあります。

これは、電波の問題というよりは、通話による会話が他の人に迷惑だからかと思いますが、ではなぜ、「車内での私語はお控え下さい。」という車内アナウンスにしないのでしょうか。

とりあえず、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください。それ以外の場所では、マナーモードに設定の上、通話はご遠慮ください。」とアナウンスしておけば、クレームも出ないだろう、という鉄道会社の思惑からでしょうか。もしくは、「私語」という表現だと、どこまでが私語なのかの解釈が曖昧となり、余計なクレームが発生増えるから、とりあえず、無難な形でアナウンスしとけということでしょうか。

たまに、電車内にて、携帯電話で通話している人に、「電車の中で携帯を使うんじゃねえ。うるさいんだよ。」と怒鳴っている人がいますが、その人の怒鳴り声の方がうるさかったりしますし、女子高生やオバサン、オジサン達の車内での大きな声での会話の方が迷惑だったりします。

車内を静かに快適にしようという目的でアナウンスをするのであれば、「車内での私語はお控え下さい。」とアナウンスして欲しいものですし、そもそも、個人的には、アナウンス自体がうるさいので、特に道徳的な社内アナウンスをしない旨、鉄道会社の統一ルールを作って貰いたいものです。

「契約期間の延長に関する覚書」に関する一考察

確か、最近の日経新聞にも出ていましたが、知的財産管理技能検定について、2014年3月実施の検定試験より、従来の1級(特許専門業務)、1級(コンテンツ専門業務) に加えて、新たに1級(ブランド専門業務)の試験が実施されるみたいですね。

私は上記検定の2級を持っているのですが、「特許専門業務」や「コンテンツ専門業務」は現在の私の実務にはさほど、関係が無いので、1級の取得は目指していませんでしたが、「ブランド専門業務」は私の実務にそこそこ関係があるので、(その内、)目指してみたいと思います。念の為、決意表明をしておきました。

なお、今般はブログに書けるネタが特に無いので、普段の契約審査で感じていることを以下の通りメモしておきます。誰かの参考になれば幸いです。

取引先から、既に締結済の契約書(NDA等)の期間を延長したいとの要望を受け、期間延長の覚書の締結を受けることは良くありますが、たまに、以下のような内容の覚書を提示してくる取引先がいます。


^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

    覚書

A社及びB社(=私の所属会社)は、AB間にて2012年10月1日付で
締結した秘密保持契約書について、以下の通り覚書を締結する。

第1条 本契約第○条(有効期間)を以下の通り変更する。

 [変更前]
 本契約第○条(有効期間)
 本契約の有効期間は、2012年10月1日から2013年9月30日までとする。

 [変更後]
 本契約第○条(有効期間)
 本契約の有効期間は、2013年10月1日から2014年9月30日までとする。

・・(以下、省略)

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


上記覚書をそのまま締結した場合、「2012年10月1日から2013年9月30日」までの間は契約関係が無かったことになってしまいますので、正しくは、

[変更後]
本契約の有効期間は、2012年10月1日から2014年9月30日までとする。

と記載するか、

本契約の有効期間を、本契約の満了日から1年間延長する。

という内容にしないといけないと思うのですが、大手企業であっても、上記のような覚書を提示してくるケースがあり、困惑してしまいます・・。

もしかしたら、私の考えすぎで、上記カッコ内のような期間延長の覚書を締結しても、特に問題ないのかもしれませんが、個人的には腹に落ちないので、今後とも、上記のような覚書の提示を受けた場合は、修正依頼をし続けていきたいと思います。

通常兵器キャッチオール規制の趣旨とはいかに。

先日(9/30)、「安全保障輸出管理実務能力認定試験 (STC Associate)」という試験を受験しましたが、公表された解答で答え合わせをしたところ、25問中24問正解で合格していました。
これで何の気兼ねも無く、試験に関係の無い読書が出来るのが嬉しいですね。

なお、試験勉強をしていて考えさせられた点がありますので、以下に書き留めておきたと思います。

まずは、上記試験を運営しているCISTECのHPに掲載されている、2012年2月27日に実施された第21回「STC Associate」の問題24を以下に抜粋します。

<以下、抜粋>
問題24
東京にある製鉄メーカーAは、インドネシアにある重工メーカーBから、リスト規制に該当しない鉄の鋼材10トンの注文を受けた。用途を確認したところ、戦車の部品製造に使用するとファックスで連絡を受けた。この場合、製鉄メーカーAは、通常兵器キャッチオール規制の用途要件に該当するので、輸出許可申請が必要である。
<抜粋終了>

いかがでしょうか。答えが分かりましたでしょうか。
輸出管理に関する基本知識をお持ちの方は分かるかと思いますが、上記HPに記載されている解答・解説部分を以下に抜粋したいと思います。

<以下、抜粋>
正解は、×。

インドネシアは、輸出令別表第3の2の地域ではないので、通常兵器キャッチオール規制については、経済産業大臣から許可の申請をすべき旨の通知を受けたときのみ輸出許可申請が必要である。輸出令第4条第1項第三号及び第四号参照。
<抜粋終了>

ということです。

なお、「通常兵器キャッチオール規制」の許可申請が必要な場合は以下の2ケースです。

1.国連武器禁輸国向け輸出の場合

(a)輸出令別表第1の16の項(1)(2)に該当する貨物・技術を輸出する場合で、かつ
(b)用途要件(通常兵器の製造等の用途要件) or インフォーム要件(経済産業大臣
   からの通知)のいずれかがあった場合

2.国連武器禁輸国以外で、輸出令別表第3(ホワイト国)でない国向け輸出の場合
(a)輸出令別表第1の16の項(1)に該当する貨物・技術を輸出する場合で、かつ
(b)インフォーム要件(経済産業大臣からの通知)があった場合

上記問題は上記2ケースのいずれにも該当しないことから、輸出許可なく輸出することが出来ることになります。

しかし、上記要件であれば、

東京にある製鉄メーカーAは、国連武器禁輸国以外で、輸出令別表第3(ホワイト国)でない国であるインドネシアにあるカルト宗教法人Bから、リスト規制に該当しない鉄の鋼材10トンの注文を受けた。用途を確認したところ、将来の宗教戦争に備えて戦車を製造して保有する為、戦車の部品製造に使用するとファックスで連絡を受けた。この場合、製鉄メーカーAは、通常兵器キャッチオール規制の用途要件に該当しないので、輸出許可申請は不要

となります。

しかし、輸出管理上、これで良いのでしょうか。
上記のようなケースについては、「共同正犯」や「犯罪幇助」にて罰則を設けているから、これ以上規制は必要無いということでしょうか。

CISTECの公式テキストによりますと、「通常兵器キャッチオール規制には、大量破壊兵器キャッチオール規制と異なり、『需要者要件』はありません。これは、通常兵器の開発等を行っている企業等は、どこの国にも、自衛権があることから、多数存在するためです。」と記載されています。しかし、この理由だけでは、上記のように、国の自衛権とは関係無い人や法人に、武器の製造に使用されることが分かっている部材を輸出するのがOKとする理由にはなりません。

ちなみに、日本の輸出管理制度は、大きく「国際条約」、「国際輸出管理レジーム」、「武器輸出三原則等」からなっているようですが、

<武器輸出三原則等>
1. 武器輸出三原則(1967.4.21)
 武器輸出三原則とは、次の三つの場合には武器輸出を認めないという政策をいう。
(1)共産圏諸国向けの場合
(2)国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合
(3)国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合

 ※佐藤総理(当時)が衆院決算委(1967.4.21)における答弁で表明

2.武器輸出に関する政府統一見解(1976.2.27)
「武器」の輸出については、平和国家としての我が国の立場から、それによって国際紛争等を助長することを回避するため、政府としては、従来から慎重に対処しており、今後とも、次の方針により処理するものとし、その輸出を促進することはしない。
(1)三原則対象地域については「武器」の輸出を認めない。
(2)三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び
外国貿易管理法の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする。
(3)武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱うものとする。

 ※三木総理(当時)が衆院予算委(1976.2.27)における答弁において
 「武器輸出に関する政府統一見解」として表明

と定められており、さらに、外為法第1条では、

外為法 第1条(目的)
この法律は、外国為替、外国貿易その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展並びに我が国又は国際社会の平和及び安全の維持を期し、もつて国際収支の均衡及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

と、法は「必要最大限の管理」ではなく「必要最小限の管理」を求めていることから、最低限、危ない人達に武器が渡らないような制度にしているということで、納得するしかないですね。

なお、「STC Associate」の試験を受験した同僚の中には、「一般常識と少しの勉強で合格するさ」と考えている人が多くいて、この人たちは、輸出許可の有無を問う質問が出たら、許可が必要と回答しておけば大丈夫だろうと考えて、上記のような問題で間違えるケースが多いかと思います。

今度、「STC Associate」を受験される人は、「キャッチオール規制」という言葉のイメージに惑わされることなく、しっかり適用要件を覚えるようにしましょう。

P.S.
私の所属している会社の輸出管理部門の実務トップの人(最高責任者では無い)が、以前、「STC Associate」の上位資格である「STC Expert」の試験を受験したものの、不合格になって以来、受験していないとの話を聞きましたので、密かに私が「STC Expert」を受験してみようかと思います。

しかし、輸出管理部門の実務トップの人が持っていない「STC Expert」を密かに取得してほくそ笑む、というネガティブな目的の為に、オーバースペックな試験への受験勉強に対するモチベーションが続くのか不明なので、どうしようかこれから考えようかと思います・・。

以上、駄文でした。

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41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

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