商社の存在意義(書籍:ひとり総合商社が行く!―レアメタル争奪戦の裏側)
今般は、西野 元樹氏著作の「ひとり総合商社が行く!―レアメタル争奪戦の裏側」を読んでみました。西野 元樹氏は、レアメタル専門商社に勤務しており、本書では、昨今のレアメタル業界の話や、この業界で奮闘する著者の経験談が記載されています。
早速ですが、本書で心に留まった個所を、少し長いですが以下に抜粋させて頂きたいと思います。
<以下、抜粋>
我々としては本当の敵は競合他社ではなく、中国、ロシアのサプライヤー自身であると考える。いかに良好な関係を築こうとも突然彼らが日本には売らないといえば、もうお仕舞である。需要家に対しては我々の機能をアピールし評価をいただいたうえで、いかに海外のサプライヤーを繋ぎ止めていくかが我々の課題である。
私自身が最も力を入れているのは、サプライヤーに媚びて売ってもらうのではなく、我々が彼らに必要なものを供給するなどし、我々が彼らのサプライヤーになることで関係強化を図ったり、あるいは彼らが売れずに困っている商品があればそちらの販売のお手伝いをするなど、我々とサプライヤーの間で双方にギブ&テイクの関係を構築することである。そのため、必要とあれば設備の供給を行うし、鉱山が副業で始めた木材事業の製品輸入などもおこなう。当然、本業ではない取引のため苦労の方が多いが、それなくしてレアメタルの安定供給がないとあれば、やるしかないのである。
<抜粋終了>
専門商社に勤務している私としても、上記抜粋箇所には身につまされるものがありますね。
私の所属会社の業界は、著者の業界とは異なりますが、当社の営業担当者は、顧客とサプライヤーの間に入る者として、いかに存在感・必要性を継続してアピールするか、ということに意を注がなければなりません。
必死の思いでサプライヤーと顧客を繋げる営業活動を行い、いざ継続取引が開始となったにも関わらず、しばらくすると、当社が中抜きされて、サプライヤーと顧客が直接、取引することになったなんてことは良く聞く話です。
特に、海外ローカルサプライヤーは、間に商社を入れることを嫌がる傾向が強く、当社の顧客に直接アプローチしてきて、露骨に中抜きを仕掛けてくる会社もあります。
中抜きを仕掛けてくるサプライヤーもしくは顧客の言い分としては、「商社がサプライヤーと顧客の間を繋げてくれた営業努力は評価するものの、その後、その商社をずっと商流に入れ続けなければならないことには納得出来ない」、「仲介手数料として、ある程度の期間は商社が商流に介在して利益を得ることは良いとしても、ずっと商流に入り続けるのは虫が良すぎる」という考え方なのでしょう。
当社としては、せっかくの営業努力が無駄にならないよう、顧客もしくはサプライヤーとの間で、「当社の営業活動によって、サプライヤーと顧客が新規に取引を開始することになった場合には、必ず、当社を介して取引しなければならない。」というような覚書を取り交わして、中抜きされないように契約で縛る、という対応をする場合もあります。
しかし、商流に、商社である当社を継続的に入れるメリットがあるのであれば、別に契約書で縛らなくても、当社が中抜きされることは無いわけです。
そこで、当社の営業担当には、新規サプライヤーもしくは新規顧客を開拓する営業活動も頑張って欲しいですが、その後の量産取引時におけるサービスも充実したものとなるよう、営業活動して頂きたいですね。
しかし、「言うは易く行うは難し」であり、管理部門の私としては、上記のような偉そうな正論を営業担当に面と向かって言うことは出来ないですが・・。
早速ですが、本書で心に留まった個所を、少し長いですが以下に抜粋させて頂きたいと思います。
<以下、抜粋>
我々としては本当の敵は競合他社ではなく、中国、ロシアのサプライヤー自身であると考える。いかに良好な関係を築こうとも突然彼らが日本には売らないといえば、もうお仕舞である。需要家に対しては我々の機能をアピールし評価をいただいたうえで、いかに海外のサプライヤーを繋ぎ止めていくかが我々の課題である。
私自身が最も力を入れているのは、サプライヤーに媚びて売ってもらうのではなく、我々が彼らに必要なものを供給するなどし、我々が彼らのサプライヤーになることで関係強化を図ったり、あるいは彼らが売れずに困っている商品があればそちらの販売のお手伝いをするなど、我々とサプライヤーの間で双方にギブ&テイクの関係を構築することである。そのため、必要とあれば設備の供給を行うし、鉱山が副業で始めた木材事業の製品輸入などもおこなう。当然、本業ではない取引のため苦労の方が多いが、それなくしてレアメタルの安定供給がないとあれば、やるしかないのである。
<抜粋終了>
専門商社に勤務している私としても、上記抜粋箇所には身につまされるものがありますね。
私の所属会社の業界は、著者の業界とは異なりますが、当社の営業担当者は、顧客とサプライヤーの間に入る者として、いかに存在感・必要性を継続してアピールするか、ということに意を注がなければなりません。
必死の思いでサプライヤーと顧客を繋げる営業活動を行い、いざ継続取引が開始となったにも関わらず、しばらくすると、当社が中抜きされて、サプライヤーと顧客が直接、取引することになったなんてことは良く聞く話です。
特に、海外ローカルサプライヤーは、間に商社を入れることを嫌がる傾向が強く、当社の顧客に直接アプローチしてきて、露骨に中抜きを仕掛けてくる会社もあります。
中抜きを仕掛けてくるサプライヤーもしくは顧客の言い分としては、「商社がサプライヤーと顧客の間を繋げてくれた営業努力は評価するものの、その後、その商社をずっと商流に入れ続けなければならないことには納得出来ない」、「仲介手数料として、ある程度の期間は商社が商流に介在して利益を得ることは良いとしても、ずっと商流に入り続けるのは虫が良すぎる」という考え方なのでしょう。
当社としては、せっかくの営業努力が無駄にならないよう、顧客もしくはサプライヤーとの間で、「当社の営業活動によって、サプライヤーと顧客が新規に取引を開始することになった場合には、必ず、当社を介して取引しなければならない。」というような覚書を取り交わして、中抜きされないように契約で縛る、という対応をする場合もあります。
しかし、商流に、商社である当社を継続的に入れるメリットがあるのであれば、別に契約書で縛らなくても、当社が中抜きされることは無いわけです。
そこで、当社の営業担当には、新規サプライヤーもしくは新規顧客を開拓する営業活動も頑張って欲しいですが、その後の量産取引時におけるサービスも充実したものとなるよう、営業活動して頂きたいですね。
しかし、「言うは易く行うは難し」であり、管理部門の私としては、上記のような偉そうな正論を営業担当に面と向かって言うことは出来ないですが・・。
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