書籍:超実践 債権回収保全・回収バイブル
11月28日(金)は、レクシスネクシス社が主催の「応用編 現場実践型 債権回収のススメ」という題目のセミナーに参加してきました。
講師は、ユニリーバ 代表取締役 ジェネラルカウンセル 北島氏と、TMI総合法律事務所 淵邊弁護士です。
このセミナーは、複数のケースを題材にして、両氏がディスカッション、解説していくというスタイルで、長年の経験に裏打ちされた興味深いお話が聞けて参考になりました。
また、セミナーの参加者には、以前からずっと読みたいと思っていたけど、アマゾンのマーケットプライスにはなかなか安値で売りに出されず、また、近場の図書館で貸し出し可能とならずに手が出せなかった、両氏が編著した「超実践 債権回収保全・回収バイブル 基本のマインドと緊急時のマインド」が無料で貰えて良かったです。
ちなみに、本書を貰うことがこのセミナーの一番の参加目的でした・・。本書の定価が3,500円のところ、セミナーの参加費が5,400円とかなりお得でした。
さて、上記書籍を早速全て読んでみましたが、本書で参考になったのは、主に、
1.日本法上、知的財産権(特許等)を担保物とした担保設定が可能であること。
※本書に担保設定方法等の詳細について解説あり。類書には無い特徴ですね。
2.中国には、日本の内容証明郵便に相当する制度が無い中、どうしても
書面通知した内容を証明する必要がある場合は、中国の公証人を、
通知の封緘と発送に立ち合わせて、公証人が確認した内容通りの通知が、
特定の日時と場所において封緘と発送されたことを公証して貰うことで
代替可能であること。
という点です。
また、今回のセミナーのテーマとは若干異なりますが、ライセンス契約におけるランニング・ロイヤリティの金額は、ライセンシーから報告を受ける取引金額等の数字がベースとなっていることが一般的ですが、ライセンサーが外部の専門家に委託して、ロイヤルティ金額が適正かどうかを確認する、ロイヤルティ監査について本書で解説されておりました。その箇所の一部を抜粋させて頂きます。
<以下、本書抜粋>
2 ロイヤルティ監査の実態
デロイト トウシュ トーマツ・グループによると、監査案件のうち70~90%の案件においてロイヤルティ計算ミスが発見されており、過少申告の額は平均して25~30%であるとのことです。計算ミスのほとんどは、契約条項が曖昧なことに起因します(対象製品、価格、控除対象費目、子会社・系列会社との取引の取り扱い等)。中には、意図的に過少申告しているケースもあります。
<抜粋終了>
結構計算ミスがあるんですね。
私の所属会社では、ライセンス契約を締結することは稀ですが(IT系ソフトウェアの購入等を除きます)、コミッションの授受に関する契約書や、販売権の付与に関する契約書を締結するケースは多々あり、上記契約はライセンス契約とはもちろん契約の性質は異なりますが、上記抜粋箇所内の「子会社・系列会社との取引の取り扱い」は十分気をつけたいと常々考えています。
当社は商社なのですが、当社の営業活動の結果、顧客と仕入先を結びつけて取引を開始出来たものの、しばらく経って、仕入先が当社を中抜きして、当社が開拓した顧客と直接取引を開始しようと動くことがあります。日本企業よりは外国資本の仕入先に良くある話です。
たいがいが、(当社と信頼関係のある)当社の顧客が拒否して、仕入先の上記画策は失敗するものの、上記動きを予め封じる為、当社と仕入先との間で、当社が開拓した顧客向けに仕入先が製品を供給する場合には、必ず当社を介して取引する旨を定めた覚書を締結するケースがたまにあります。もちろん、下請法や独占禁止法に抵触しないよう気をつけて上記制限を定めます。
この場合、「当社が開拓した顧客」というような曖昧な表現ですと、例えば、当該顧客の都合により、当該顧客の製造拠点(別法人)や、当該顧客のOEM先(別法人)に対して製品を供給することになった場合、当社は販売権を得ることが出来るのか不明瞭となります。
上記に限らず、お金の発生する事項を定めた条文周りでは、想像力を膨らませて、言葉の定義には十分気をつけたいものですね。
やや本書の内容から話がそれてしまいましたが、せっかくここまで書いたので、UPしたいと思います。。
講師は、ユニリーバ 代表取締役 ジェネラルカウンセル 北島氏と、TMI総合法律事務所 淵邊弁護士です。
このセミナーは、複数のケースを題材にして、両氏がディスカッション、解説していくというスタイルで、長年の経験に裏打ちされた興味深いお話が聞けて参考になりました。
また、セミナーの参加者には、以前からずっと読みたいと思っていたけど、アマゾンのマーケットプライスにはなかなか安値で売りに出されず、また、近場の図書館で貸し出し可能とならずに手が出せなかった、両氏が編著した「超実践 債権回収保全・回収バイブル 基本のマインドと緊急時のマインド」が無料で貰えて良かったです。
ちなみに、本書を貰うことがこのセミナーの一番の参加目的でした・・。本書の定価が3,500円のところ、セミナーの参加費が5,400円とかなりお得でした。
さて、上記書籍を早速全て読んでみましたが、本書で参考になったのは、主に、
1.日本法上、知的財産権(特許等)を担保物とした担保設定が可能であること。
※本書に担保設定方法等の詳細について解説あり。類書には無い特徴ですね。
2.中国には、日本の内容証明郵便に相当する制度が無い中、どうしても
書面通知した内容を証明する必要がある場合は、中国の公証人を、
通知の封緘と発送に立ち合わせて、公証人が確認した内容通りの通知が、
特定の日時と場所において封緘と発送されたことを公証して貰うことで
代替可能であること。
という点です。
また、今回のセミナーのテーマとは若干異なりますが、ライセンス契約におけるランニング・ロイヤリティの金額は、ライセンシーから報告を受ける取引金額等の数字がベースとなっていることが一般的ですが、ライセンサーが外部の専門家に委託して、ロイヤルティ金額が適正かどうかを確認する、ロイヤルティ監査について本書で解説されておりました。その箇所の一部を抜粋させて頂きます。
<以下、本書抜粋>
2 ロイヤルティ監査の実態
デロイト トウシュ トーマツ・グループによると、監査案件のうち70~90%の案件においてロイヤルティ計算ミスが発見されており、過少申告の額は平均して25~30%であるとのことです。計算ミスのほとんどは、契約条項が曖昧なことに起因します(対象製品、価格、控除対象費目、子会社・系列会社との取引の取り扱い等)。中には、意図的に過少申告しているケースもあります。
<抜粋終了>
結構計算ミスがあるんですね。
私の所属会社では、ライセンス契約を締結することは稀ですが(IT系ソフトウェアの購入等を除きます)、コミッションの授受に関する契約書や、販売権の付与に関する契約書を締結するケースは多々あり、上記契約はライセンス契約とはもちろん契約の性質は異なりますが、上記抜粋箇所内の「子会社・系列会社との取引の取り扱い」は十分気をつけたいと常々考えています。
当社は商社なのですが、当社の営業活動の結果、顧客と仕入先を結びつけて取引を開始出来たものの、しばらく経って、仕入先が当社を中抜きして、当社が開拓した顧客と直接取引を開始しようと動くことがあります。日本企業よりは外国資本の仕入先に良くある話です。
たいがいが、(当社と信頼関係のある)当社の顧客が拒否して、仕入先の上記画策は失敗するものの、上記動きを予め封じる為、当社と仕入先との間で、当社が開拓した顧客向けに仕入先が製品を供給する場合には、必ず当社を介して取引する旨を定めた覚書を締結するケースがたまにあります。もちろん、下請法や独占禁止法に抵触しないよう気をつけて上記制限を定めます。
この場合、「当社が開拓した顧客」というような曖昧な表現ですと、例えば、当該顧客の都合により、当該顧客の製造拠点(別法人)や、当該顧客のOEM先(別法人)に対して製品を供給することになった場合、当社は販売権を得ることが出来るのか不明瞭となります。
上記に限らず、お金の発生する事項を定めた条文周りでは、想像力を膨らませて、言葉の定義には十分気をつけたいものですね。
やや本書の内容から話がそれてしまいましたが、せっかくここまで書いたので、UPしたいと思います。。
![]() | 超実践 債権保全・回収バイブル―基本のマインドと緊急時のアクション Debt Collection Bible, Mindset and Emergency Actions (2014/03/26) 北島 敬之、淵邊 善彦 他 商品詳細を見る |
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