(1)下請法のトンネル会社規制、(2)下請法の域外適用の有無について
早速ですが、先日、社内で私が下請法に関する質問を受け、その回答をする際に調べた内容を、個人的な備忘と誰かの参考の為に、以下の通りまとめておきたいと思います。
<質問>
A社(日本法人)が、A社の海外子会社であるB社に製品の製造を委託し、B社が、日本法人のC社に対して当該製造を再委託する場合、下請法は適用されるのか。
なお、A社の資本金:「10億円」、B社の資本金:「1億円」、C社の資本金:「1億円」と仮定する。
<回答>
「A社とC社間」、「B社とC社間」共に下請法が適用される可能性あり。
<詳細>
上記ケースについて、公正取引委員会が設置している、下請法に関する相談窓口に電話で聞いてみた際の概要は以下の通りです。
(1)下請法では、「外国法人には適用されない」とはどこにも定めていない。
その為、親事業者もしくは下請事業者の立場の者が外国法人であっても、
下請法が適用されないとは限らない。
但し、下請法が域外適用された結果、海外法人である親事業者に
「勧告」された事例はこれまでない。
また、親会社に対する「指導結果」については公表されないので、
域外適用された結果、海外法人である親事業者に「指導」された事例が
あるかどうかは把握していない。
(2)「トンネル会社の規制」により下請法が適用された場合、上記のケースでいえば、
親事業者とみなされるのは、「日本法人のA社」ではなく「海外法人のB社」である。
但し、「海外法人のB社」に対して下請法が域外適用されるのかどうかは
不明であり、現在、議論のあるところである。
(3)「トンネル会社の規制」については、親事業者の「脱法行為の意図」は考慮されず、
あくまで、以下の「トンネル会社の規制」(下記は、下請法に関するバイブル的な存在である
「下請法講習テキスト」に記載の該当箇所の抜粋)の要件に合致した場合、
「トンネル会社の規制」が適用される。

<コメント>
個人的には、「トンネル会社の規制」の存在については何となく把握しておりましたが、上記ケースの場合、親事業者とみなされるのはA社ではなく、B社だったんですね。。
また、下請法違反は「形式犯」と言われる通り、やはり、親事業者と下請事業者間の合意に至るまでの経緯や事情は一切考慮せずに、「トンネル会社の規制」の適用の有無が判断されようです。いちいち、親事業者の言い分を聞いていたらキリがないですからね。親事業者と下請事業者間で合意があったと主張したところで、下請事業者が、親事業者の報復を恐れてイヤイヤ合意したのかもしれませんし。
ちなみに、上記ケースのように、日本法人であるA社が、日本法人のC社に対して直接、製造委託するのではなく、B社を介して委託するケースなんてそもそもあるのか、という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
ただ、ビジネスがグローバル化した現在において、伝票(PO)とモノ(製品)の流れが一致しないケースも多々ある中、(これ以上具体的なことは書きませんが)、上記のようなケースは頻繁にあるとは言えないものの、十分ありえるケースかと思います。
なお、「トンネル会社の規制」上、上記のケースでは親事業者とみなされるのはB社ですが、下記要件を満たす場合には、A社も親事業者と見なされる可能性がありますのでご注意下さい。
(下記は 「下請法講習テキスト」に該当箇所の抜粋)

<備考>
上記内容に関連する記事として、2010年5月26日に「商社を介した取引で発生する下請法上の問題点」という記事を本ブログに掲載しておりますので、興味のある方はご覧下さい。
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-103.html
<質問>
A社(日本法人)が、A社の海外子会社であるB社に製品の製造を委託し、B社が、日本法人のC社に対して当該製造を再委託する場合、下請法は適用されるのか。
なお、A社の資本金:「10億円」、B社の資本金:「1億円」、C社の資本金:「1億円」と仮定する。
<回答>
「A社とC社間」、「B社とC社間」共に下請法が適用される可能性あり。
<詳細>
上記ケースについて、公正取引委員会が設置している、下請法に関する相談窓口に電話で聞いてみた際の概要は以下の通りです。
(1)下請法では、「外国法人には適用されない」とはどこにも定めていない。
その為、親事業者もしくは下請事業者の立場の者が外国法人であっても、
下請法が適用されないとは限らない。
但し、下請法が域外適用された結果、海外法人である親事業者に
「勧告」された事例はこれまでない。
また、親会社に対する「指導結果」については公表されないので、
域外適用された結果、海外法人である親事業者に「指導」された事例が
あるかどうかは把握していない。
(2)「トンネル会社の規制」により下請法が適用された場合、上記のケースでいえば、
親事業者とみなされるのは、「日本法人のA社」ではなく「海外法人のB社」である。
但し、「海外法人のB社」に対して下請法が域外適用されるのかどうかは
不明であり、現在、議論のあるところである。
(3)「トンネル会社の規制」については、親事業者の「脱法行為の意図」は考慮されず、
あくまで、以下の「トンネル会社の規制」(下記は、下請法に関するバイブル的な存在である
「下請法講習テキスト」に記載の該当箇所の抜粋)の要件に合致した場合、
「トンネル会社の規制」が適用される。

<コメント>
個人的には、「トンネル会社の規制」の存在については何となく把握しておりましたが、上記ケースの場合、親事業者とみなされるのはA社ではなく、B社だったんですね。。
また、下請法違反は「形式犯」と言われる通り、やはり、親事業者と下請事業者間の合意に至るまでの経緯や事情は一切考慮せずに、「トンネル会社の規制」の適用の有無が判断されようです。いちいち、親事業者の言い分を聞いていたらキリがないですからね。親事業者と下請事業者間で合意があったと主張したところで、下請事業者が、親事業者の報復を恐れてイヤイヤ合意したのかもしれませんし。
ちなみに、上記ケースのように、日本法人であるA社が、日本法人のC社に対して直接、製造委託するのではなく、B社を介して委託するケースなんてそもそもあるのか、という疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
ただ、ビジネスがグローバル化した現在において、伝票(PO)とモノ(製品)の流れが一致しないケースも多々ある中、(これ以上具体的なことは書きませんが)、上記のようなケースは頻繁にあるとは言えないものの、十分ありえるケースかと思います。
なお、「トンネル会社の規制」上、上記のケースでは親事業者とみなされるのはB社ですが、下記要件を満たす場合には、A社も親事業者と見なされる可能性がありますのでご注意下さい。
(下記は 「下請法講習テキスト」に該当箇所の抜粋)

<備考>
上記内容に関連する記事として、2010年5月26日に「商社を介した取引で発生する下請法上の問題点」という記事を本ブログに掲載しておりますので、興味のある方はご覧下さい。
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-103.html
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