書籍:「会社謄本 分析事始」を読みました。
ビジネスロー・ジャーナル「2017年3月号」の「辛口法律書レビュー」にて「企業法務パーソンが私費であっても買うべき本」の一位に紹介されていた、中村勝彦氏著作の「会社謄本 分析事始」を読んでみました。
本書は、大きく分けて「分析編」と「推測編」の2部構成となっておりました。
1.本書概要
従来、会社謄本は、現在事項全部証明書から、現時点の資本金や役員構成を知るための資料と認識しておりましたが、「分析編」のように、閉鎖謄本に記載の変更登記にまで遡って調査することで、会社の素性が分かる場合がある、と言う考え方は斬新でした。
また、「分析編」の手法は、変更登記があまりない会社には使えないテクニックではありますが、「推測編」では、会社謄本と政府統計資料等を組み合わせて「数字を造り」、経営実態を暴くテクニックが紹介されていました。
例えば、取引先候補となる会社に対してヒアリングする際に、「どうですか?」、「どれくらいですか?」といった漠然・曖昧とした質問を投げかけるよりも、会社謄本と政府統計資料等を組み合わせて無理矢理でも数字を作って、相手の会社を推測し、その数字をベースにして質問して、質問を提示した時の相手のリアクションはどうか、腹に落ちる回答があるかを確認することで、会社の実態をより探ることが出来る、ということで、「推測編」では主に「数字を作る」テクニックが紹介されていました。
2.現物出資に注意
本書によると、500万円以下の金銭以外の財産の現物出資については、出資金の変更登記にあたり、財産の価格に関する税理士・公認会計士等の専門家の証明書は不要のようです。
また、会社謄本には「資本金の額」が記載されているだけで、「出資した財産の種類」は登記されていないので、資本金の変更登記があった場合、現物出資による増資の可能性も考えるべきとのことでした。
取引先の会社HPの「沿革」を見ていますと、たまに、複数回にわたり中途半端な金額の増資をしている会社に遭遇しますが、特に、500万円以下の資本金変更登記が頻繁に実施されている場合には、見かけを良くする為に、実際の会社規模を反映していない過大な資本金の金額になっているかもしれませんので、注意したいと思います。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・最強の法律学習ノート術(木山 泰嗣氏著作)
[本書を読んで参考となった内容の概要]
法律の勉強をしていて、その場では解決出来ない疑問を生じた場合、
疑問は疑問として記録に残しておきべき。
法律の科目や範囲はリンクしているので、いつか、疑問が解消する場合がある。

・法務担当者のための民事訴訟対応マニュアル〔第2版〕(田路至弘氏)
[本書を読んで参考となった内容の概要と個人的メモ]
(1)民事保全の場合の担保方法の例外
民事保全の場合に担保として提供するのは、
現金が一般的かと思いますが、本書によると、
民事保全の担保方法として、裁判所の許可を得たうえで、
一定の金融機関等との間で支払保証方法
(通常、ボンドと呼ばれる)をする方法でも代用可能なようです。
担保と違って、勝訴しても返ってこない、金融機関等に支払う
保証委託料がいくらなのか気になるところですが、
今度、保全申請をする際には上記方法を選択肢に入れたいと思います。
(2)訴訟上の和解のデメリットの一つ
「税務署、法務局、労働基準署等、裁判所以外の公的機関の見解が、
和解によって確認された権利関係を認めるとは限らず、また、
和解によって当事者が前提としていた結果となるとも限らないことには
注意する必要がある。」
特に痛み分けとなるような和解をする場合は、負担する損失が
損金算入可能なのか、後々、税務調査で否認される可能性は無いのかについては、
十分注意したいと思います。

・ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則
(ローレンス・サスキンド氏、ローレンス・E.サスカインド氏著作)

・経理のプロが現場で教える楽勝!会計入門-山本ラーメン店の開業ストーリーで学ぶ会社の数字-
(伊藤洋氏著作)

本書は、大きく分けて「分析編」と「推測編」の2部構成となっておりました。
1.本書概要
従来、会社謄本は、現在事項全部証明書から、現時点の資本金や役員構成を知るための資料と認識しておりましたが、「分析編」のように、閉鎖謄本に記載の変更登記にまで遡って調査することで、会社の素性が分かる場合がある、と言う考え方は斬新でした。
また、「分析編」の手法は、変更登記があまりない会社には使えないテクニックではありますが、「推測編」では、会社謄本と政府統計資料等を組み合わせて「数字を造り」、経営実態を暴くテクニックが紹介されていました。
例えば、取引先候補となる会社に対してヒアリングする際に、「どうですか?」、「どれくらいですか?」といった漠然・曖昧とした質問を投げかけるよりも、会社謄本と政府統計資料等を組み合わせて無理矢理でも数字を作って、相手の会社を推測し、その数字をベースにして質問して、質問を提示した時の相手のリアクションはどうか、腹に落ちる回答があるかを確認することで、会社の実態をより探ることが出来る、ということで、「推測編」では主に「数字を作る」テクニックが紹介されていました。
2.現物出資に注意
本書によると、500万円以下の金銭以外の財産の現物出資については、出資金の変更登記にあたり、財産の価格に関する税理士・公認会計士等の専門家の証明書は不要のようです。
また、会社謄本には「資本金の額」が記載されているだけで、「出資した財産の種類」は登記されていないので、資本金の変更登記があった場合、現物出資による増資の可能性も考えるべきとのことでした。
取引先の会社HPの「沿革」を見ていますと、たまに、複数回にわたり中途半端な金額の増資をしている会社に遭遇しますが、特に、500万円以下の資本金変更登記が頻繁に実施されている場合には、見かけを良くする為に、実際の会社規模を反映していない過大な資本金の金額になっているかもしれませんので、注意したいと思います。

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
・最強の法律学習ノート術(木山 泰嗣氏著作)
[本書を読んで参考となった内容の概要]
法律の勉強をしていて、その場では解決出来ない疑問を生じた場合、
疑問は疑問として記録に残しておきべき。
法律の科目や範囲はリンクしているので、いつか、疑問が解消する場合がある。

・法務担当者のための民事訴訟対応マニュアル〔第2版〕(田路至弘氏)
[本書を読んで参考となった内容の概要と個人的メモ]
(1)民事保全の場合の担保方法の例外
民事保全の場合に担保として提供するのは、
現金が一般的かと思いますが、本書によると、
民事保全の担保方法として、裁判所の許可を得たうえで、
一定の金融機関等との間で支払保証方法
(通常、ボンドと呼ばれる)をする方法でも代用可能なようです。
担保と違って、勝訴しても返ってこない、金融機関等に支払う
保証委託料がいくらなのか気になるところですが、
今度、保全申請をする際には上記方法を選択肢に入れたいと思います。
(2)訴訟上の和解のデメリットの一つ
「税務署、法務局、労働基準署等、裁判所以外の公的機関の見解が、
和解によって確認された権利関係を認めるとは限らず、また、
和解によって当事者が前提としていた結果となるとも限らないことには
注意する必要がある。」
特に痛み分けとなるような和解をする場合は、負担する損失が
損金算入可能なのか、後々、税務調査で否認される可能性は無いのかについては、
十分注意したいと思います。

・ハーバード×MIT流 世界最強の交渉術---信頼関係を壊さずに最大の成果を得る6原則
(ローレンス・サスキンド氏、ローレンス・E.サスカインド氏著作)

・経理のプロが現場で教える楽勝!会計入門-山本ラーメン店の開業ストーリーで学ぶ会社の数字-
(伊藤洋氏著作)

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