均質化の為にプレイングマネージャーが後輩のアウトプットをチェックすることの難しさ
私の所属している会社には法務専任の部門は無く、私は、法務以外の管理業務も職務分掌とする部署にて、主に法務担当として仕事をしています。
上記部署のトップは、これまでのキャリア上、特に契約法務には深く携わっていない非法務畑の方である中(まだトップ在任して1年未満)、私は、役職上は管理職であり、また、法務担当としては一番古株(10年目)ということで、中間管理職的な立場として、入社1年未満の後輩法務担当2名(両名とも在席1年未満で、法的知見はあるものの、入社するまで法務経験はほぼ無し)を指導する立場にあります。
上記状況の中、現在の課題としては、契約審査業務の質をどのように均質化させるのか、というところにあります。
1.チェックマニュアルの作成
全社配信用の営業担当向けマニュアル(契約知識の基礎:簡易版)だけでなく、部内限定の法務担当向け契約審査マニュアル(詳細版)は既に作成していて、後輩に配布しております。ただ、全てをマニュアルに書き出すことには限界がありますね。
部内における自分の相対的な優位性を残す為に、あえて全てをマニュアルに落とさないようにしている、なんてつまらないことは当然のことながら考えていません。ただ、「この修正内容であれば多分、社内承認が得られそう」と言った感覚的なところを全て書面化するのは難しく、どうしても暗黙知が残ってしまいます。この辺はOJTで学んで貰うしかありません。
2.部下・後輩の成果物を管理職がチェック
たしか、雑誌「ビジネス法務」2017年10月号の「法務部の生産性向上」の特集だったかと思いますが(もし、違う出版者の法務系雑誌だったとしたらすみません orz)、契約審査業務の質を均質化する為の方法の一つとして、法務部門の管理職が部下・後輩のアウトプットをチェックする、という方法が取り上げられていたかと思われます。(方法論と言うほど大げさなことでもなかったかもしれませんが。)
ただ、上記方法は、管理職が後輩指導に専念出来る程、余裕がある会社は十分可能かもしれませんが、(私のような)自分の仕事もたくさん抱えているプレイングマネージャーとしては、後輩の法務担当のアウトプットを丁寧に全てチェックしていくのは、なかなか厳しいものがあります。
個人的には、本当は、後輩に一人で任せても大丈夫と言える様になるまでは、じっくりとアウトプットのチェックをした上で(当然、マイクロ・マネジメントにはならない程度を想定)、さらに、私が担当している案件の契約に関する成果物を、勉強のために供覧して貰うことで、自分の案件以外にも触れる機会を提供し、私の背中を見て学んで欲しいなんてことを考えていますが、ギリギリの人員で回している状況下では桃源郷のような話ですね。そもそも、私のやり方が正しいのか、背中を見せられるほど、綺麗な背中なのか、背中にイボは無いのか、という根本的な問題がありますが、ここでは触れません・・。
法務部門に対する契約審査依頼に関する需要と供給が合っていない、需要過多の状況下において(要は仕事がちゃんと回っていない中)、個々の仕事を捌くだけを考えれば、本当はマネージャーである自分がやったほうが早いものの、自分だけではそもそもマンパワー的に対応し切れず、また、後輩の教育的効果を考えて、色々と後輩に契約案件を振るものの、当該案件について後輩が作成した成果物が、ダブルチェックの為に自分の手元に再びブーメランのように戻ってきて、ダブルチェックすべき書類が机に積まれていき、自分が担当している契約案件について営業部門から催促を受けるだけでなく、後輩からもチェック状況について催促を受けるという、なかなか厳しい状況に陥っております・・。多重債務者の気持ちが分かる気がしてきました。
とはいえ、当社としては、管理部門は筋肉質の少数精鋭部隊になるべしと目標を掲げている中(今はただ「少数」なだけなような気が・・)、これ以上、人を容易には簡単には増やせないので、後輩が一人前になるまでの間は、ドラゴンクエストの「作戦」コマンドでいえば、「とにかく頑張る」みたいな状況になっています。(注)
ということで、ダラダラ書いてしまいましたが、100%の均質化を目指そうと完ぺき主義にならず、全てのチェックは無理でも、最低限のポイントだけもチェックすれば良いのでは、ということで、ちょうど良いお湯加減を目指すしかありませんね。
また、これまでの対応方法をより効率化して、無駄を削ぎ落とし、均質化の為に時間を割ける余裕を作るべく、これを機に、仕事の進め方を再検討していきたいと思います。これまで少数法務でやってきたので、もしかしたら、意味の無いマイルールのような業務がたくさんあるかもしれませんので・・。
<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
仕事の問題地図 「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方
(沢渡 あまね氏著作)
[本書で参考となった事項]
外注化は、効率化、品質向上の他にも、属人化の排除、自己満足の排除にも役に立つ場合がある。
前例踏襲、謎のこだわりは捨てて、こだわる場所を再検討する。
<個人的なメモ>
今の自分の仕事で、コアな部分はどこで、外注化した方が一石二鳥な業務が無いかどうか、無駄な工数を割いている余計な業務が無いかを再検討したいと思います。
人がいない、人がいないと不満をいうよりも、人がいなくても何とか回る仕組みを作るにはどうすれば良いかを考えるべきですね。
「不平不満を言うよりも、進んで明かりをつけましょう」ということですね。違うかな・・。

上記部署のトップは、これまでのキャリア上、特に契約法務には深く携わっていない非法務畑の方である中(まだトップ在任して1年未満)、私は、役職上は管理職であり、また、法務担当としては一番古株(10年目)ということで、中間管理職的な立場として、入社1年未満の後輩法務担当2名(両名とも在席1年未満で、法的知見はあるものの、入社するまで法務経験はほぼ無し)を指導する立場にあります。
上記状況の中、現在の課題としては、契約審査業務の質をどのように均質化させるのか、というところにあります。
1.チェックマニュアルの作成
全社配信用の営業担当向けマニュアル(契約知識の基礎:簡易版)だけでなく、部内限定の法務担当向け契約審査マニュアル(詳細版)は既に作成していて、後輩に配布しております。ただ、全てをマニュアルに書き出すことには限界がありますね。
部内における自分の相対的な優位性を残す為に、あえて全てをマニュアルに落とさないようにしている、なんてつまらないことは当然のことながら考えていません。ただ、「この修正内容であれば多分、社内承認が得られそう」と言った感覚的なところを全て書面化するのは難しく、どうしても暗黙知が残ってしまいます。この辺はOJTで学んで貰うしかありません。
2.部下・後輩の成果物を管理職がチェック
たしか、雑誌「ビジネス法務」2017年10月号の「法務部の生産性向上」の特集だったかと思いますが(もし、違う出版者の法務系雑誌だったとしたらすみません orz)、契約審査業務の質を均質化する為の方法の一つとして、法務部門の管理職が部下・後輩のアウトプットをチェックする、という方法が取り上げられていたかと思われます。(方法論と言うほど大げさなことでもなかったかもしれませんが。)
ただ、上記方法は、管理職が後輩指導に専念出来る程、余裕がある会社は十分可能かもしれませんが、(私のような)自分の仕事もたくさん抱えているプレイングマネージャーとしては、後輩の法務担当のアウトプットを丁寧に全てチェックしていくのは、なかなか厳しいものがあります。
個人的には、本当は、後輩に一人で任せても大丈夫と言える様になるまでは、じっくりとアウトプットのチェックをした上で(当然、マイクロ・マネジメントにはならない程度を想定)、さらに、私が担当している案件の契約に関する成果物を、勉強のために供覧して貰うことで、自分の案件以外にも触れる機会を提供し、私の背中を見て学んで欲しいなんてことを考えていますが、ギリギリの人員で回している状況下では桃源郷のような話ですね。そもそも、私のやり方が正しいのか、背中を見せられるほど、綺麗な背中なのか、背中にイボは無いのか、という根本的な問題がありますが、ここでは触れません・・。
法務部門に対する契約審査依頼に関する需要と供給が合っていない、需要過多の状況下において(要は仕事がちゃんと回っていない中)、個々の仕事を捌くだけを考えれば、本当はマネージャーである自分がやったほうが早いものの、自分だけではそもそもマンパワー的に対応し切れず、また、後輩の教育的効果を考えて、色々と後輩に契約案件を振るものの、当該案件について後輩が作成した成果物が、ダブルチェックの為に自分の手元に再びブーメランのように戻ってきて、ダブルチェックすべき書類が机に積まれていき、自分が担当している契約案件について営業部門から催促を受けるだけでなく、後輩からもチェック状況について催促を受けるという、なかなか厳しい状況に陥っております・・。多重債務者の気持ちが分かる気がしてきました。
とはいえ、当社としては、管理部門は筋肉質の少数精鋭部隊になるべしと目標を掲げている中(今はただ「少数」なだけなような気が・・)、これ以上、人を容易には簡単には増やせないので、後輩が一人前になるまでの間は、ドラゴンクエストの「作戦」コマンドでいえば、「とにかく頑張る」みたいな状況になっています。(注)
(注)
例えば、数年の短期限定ということで、法務担当を派遣社員として増やすにしても、上司の指導・教育が必要なレベルの法務経験の無い・浅い方(学費を稼ぎたい司法試験勉強中のロースクール生のように、法的な知見は高いものの、実務経験が無い方)を増やしても、キャパシティがオーバーしている私がダブルチェックをすべき案件が増えるだけで、法務部門全体としてアウトプット出来る量は増えず、即効性はありません。
そこで、少しの間、当社のやり方を教えれば、後は勝手に自己完結してくれるレベルの契約法務のベテランを増やす必要がありますが、コストの関係上、難しく、そもそも、そんな方が派遣市場に転がっていると思えません。
ということで、ダラダラ書いてしまいましたが、100%の均質化を目指そうと完ぺき主義にならず、全てのチェックは無理でも、最低限のポイントだけもチェックすれば良いのでは、ということで、ちょうど良いお湯加減を目指すしかありませんね。
また、これまでの対応方法をより効率化して、無駄を削ぎ落とし、均質化の為に時間を割ける余裕を作るべく、これを機に、仕事の進め方を再検討していきたいと思います。これまで少数法務でやってきたので、もしかしたら、意味の無いマイルールのような業務がたくさんあるかもしれませんので・・。
<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
仕事の問題地図 「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方
(沢渡 あまね氏著作)
[本書で参考となった事項]
外注化は、効率化、品質向上の他にも、属人化の排除、自己満足の排除にも役に立つ場合がある。
前例踏襲、謎のこだわりは捨てて、こだわる場所を再検討する。
<個人的なメモ>
今の自分の仕事で、コアな部分はどこで、外注化した方が一石二鳥な業務が無いかどうか、無駄な工数を割いている余計な業務が無いかを再検討したいと思います。
人がいない、人がいないと不満をいうよりも、人がいなくても何とか回る仕組みを作るにはどうすれば良いかを考えるべきですね。
「不平不満を言うよりも、進んで明かりをつけましょう」ということですね。違うかな・・。

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