書籍:架空取引(講談社文庫)(高任 和夫氏著作)
1.久々に小説を読んでみました。
今般は、「架空取引(講談社文庫)(高任 和夫氏著作)」を読んでみました。本社の著者は、以前、本ブログでも取り上げさせて頂いた書籍「商社審査部25時―知られざる戦士たち」と同一の著者です。
私は普段、仕事に直接役に立つ実務書ばかりを読んでいますが、ふと、アマゾンで本書を見つけてポチり、通勤時間で読み始めてみたところ、会社の最寄り駅に着くのが惜しいくらい、本書を夢中で読みふけってしまいました。知的好奇心を満たす読書も楽しいものですが、たまには、純粋に楽しむ為の読書もいいもんですね。
ただ、小説を読むとしたらやはり経済小説となりますが・・(^^;)
なお、本書は、銀行系リース会社に勤める審査部長を主人公とした物語ですが、上記勤務先は、リース会社の一般的なビジネスモデルである「ファイナンス・リース」、「オペレーティング・リース」に加えて、商社のように、売り・買いに介在する仲介取引も実施しており、本書は、当該仲介取引に関する架空取引をテーマとしたフィクション物語です。私が所属している会社も商社ビジネスをしていることもあり、リアリティを持って読み進められました。
2.架空取引に介在しない為に
仲介取引に関する架空取引が発生する要因の一つに、製品が仕入先から顧客に直送されて、間に入る仲介者は伝票(ペーパー)だけで売り買いすることにあります。
仲介者は、当然、顧客から、仕入先の発行する納品書に受領印を受領する等してから、売上計上、仕入計上をするものの、モノが実際に流れているのかどうか、なかなか確認しようが無いので、本書のように、仕入先と得意先に共謀された場合、全てのエビデンスは揃ってしたとしても、実際は取引が架空だったなんてこともありえます。
なお、架空取引では、モノの物流すらない場合もありますが、モノが実際に流れているように見せかける為、モノの物流が伴う場合もあるようですが、実は、同じ製品がグルグルと取引の当事者間で回っているだけ、という場合もあります。グルグル回ってもいいように、経年劣化がし難く、製品を特定し難い鋼材等が、架空取引にしようされやすいみたいですね。
とはいえ、架空取引リスクを防ぐ為に、直送取引は全て禁止して、在庫販売しかしない、というようでは、余計な保管料・物流費が掛かって、商社としては商売になりません。
その為、(商社業界では当たり前のことですが、)仲介取引をする場合には、以下のような点に注意して、架空取引に巻き込まれない・介在しないように取引しております。
リスクを100%ゼロには出来ませんが、積極的に自ら循環取引に介在することは論外ですが、架空取引に介在して騙されないように、気をつけたいものですね。
[商社としての主な注意点]
・当社が取引に介在する理由が明確か確認する。
・自社の役割が金融機能しかない取引は原則しない。
※上記取引を全て禁止出来無いところが、専門商社にとって難しいところですが・・。
・仕入先の納品書、販売先の受領書等だけでなく、物流業者の運送記録等も確認して、
物流のエビデンスも入手する。
・仕入先と販売先との関係性、会社の実在性・内容を確認する。
・仕入先、販売先には定期的に訪問する。
・自社以外に商社・代理店が商流に介在する場合、その介在理由が明確か確認する。
etc.

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
愛着障害 子ども時代を引きずる人々(光文社新書)岡田 尊司氏著作

今般は、「架空取引(講談社文庫)(高任 和夫氏著作)」を読んでみました。本社の著者は、以前、本ブログでも取り上げさせて頂いた書籍「商社審査部25時―知られざる戦士たち」と同一の著者です。
私は普段、仕事に直接役に立つ実務書ばかりを読んでいますが、ふと、アマゾンで本書を見つけてポチり、通勤時間で読み始めてみたところ、会社の最寄り駅に着くのが惜しいくらい、本書を夢中で読みふけってしまいました。知的好奇心を満たす読書も楽しいものですが、たまには、純粋に楽しむ為の読書もいいもんですね。
ただ、小説を読むとしたらやはり経済小説となりますが・・(^^;)
なお、本書は、銀行系リース会社に勤める審査部長を主人公とした物語ですが、上記勤務先は、リース会社の一般的なビジネスモデルである「ファイナンス・リース」、「オペレーティング・リース」に加えて、商社のように、売り・買いに介在する仲介取引も実施しており、本書は、当該仲介取引に関する架空取引をテーマとしたフィクション物語です。私が所属している会社も商社ビジネスをしていることもあり、リアリティを持って読み進められました。
2.架空取引に介在しない為に
仲介取引に関する架空取引が発生する要因の一つに、製品が仕入先から顧客に直送されて、間に入る仲介者は伝票(ペーパー)だけで売り買いすることにあります。
仲介者は、当然、顧客から、仕入先の発行する納品書に受領印を受領する等してから、売上計上、仕入計上をするものの、モノが実際に流れているのかどうか、なかなか確認しようが無いので、本書のように、仕入先と得意先に共謀された場合、全てのエビデンスは揃ってしたとしても、実際は取引が架空だったなんてこともありえます。
なお、架空取引では、モノの物流すらない場合もありますが、モノが実際に流れているように見せかける為、モノの物流が伴う場合もあるようですが、実は、同じ製品がグルグルと取引の当事者間で回っているだけ、という場合もあります。グルグル回ってもいいように、経年劣化がし難く、製品を特定し難い鋼材等が、架空取引にしようされやすいみたいですね。
とはいえ、架空取引リスクを防ぐ為に、直送取引は全て禁止して、在庫販売しかしない、というようでは、余計な保管料・物流費が掛かって、商社としては商売になりません。
その為、(商社業界では当たり前のことですが、)仲介取引をする場合には、以下のような点に注意して、架空取引に巻き込まれない・介在しないように取引しております。
リスクを100%ゼロには出来ませんが、積極的に自ら循環取引に介在することは論外ですが、架空取引に介在して騙されないように、気をつけたいものですね。
[商社としての主な注意点]
・当社が取引に介在する理由が明確か確認する。
・自社の役割が金融機能しかない取引は原則しない。
※上記取引を全て禁止出来無いところが、専門商社にとって難しいところですが・・。
・仕入先の納品書、販売先の受領書等だけでなく、物流業者の運送記録等も確認して、
物流のエビデンスも入手する。
・仕入先と販売先との関係性、会社の実在性・内容を確認する。
・仕入先、販売先には定期的に訪問する。
・自社以外に商社・代理店が商流に介在する場合、その介在理由が明確か確認する。
etc.

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
愛着障害 子ども時代を引きずる人々(光文社新書)岡田 尊司氏著作

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