輸入申告時の加算申告モレに注意(以外に広い加算対象項目) 他
1.輸入取引時の申告間違いに注意(申告納税制度)
輸入者は、貨物を輸入する際、自己申告で関税等の納付税額を算出して輸入申告をしますが、後日、税関による事後調査で適正な申告がされていないと認定された場合、過少申告加算税、無申告加算税が課されることになり、さらに悪質と判断された場合は重加算税等も課される場合があります。
その為、輸入取引を行う会社は、申告ミスが起らないよう社内教育・啓蒙活動を行い、また、ミスが起こらない業務フローを設け、万一、ミスが発生したとしても直ぐに発覚・是正しやすい制度・システムを構築する必要があります。
なお、JETROのHPにある「貿易・投資相談Q&A」のコーナーの「税関の事後調査とはどのような制度ですか?」では、良くある申告間違いのケースとして下記内容が例示されていました。
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011023.html
2.良くありがちな申告間違い(加算モレ)
輸入申告時の課税標準には、輸入貨物の価格だけでなく、上記価格には含まれていない、輸入者が別途支払った下記の費用項目を加算して輸入申告する必要があります。
以外に広範囲の項目について輸入価格に含めて輸入申告することが分ります。
なお、私の所属業界で良くありがちなのが、輸入者が輸出者(メーカー)に支払った金型製造費用、開発費用の加算モレです。
海外での生産に使用する金型の製造費用、開発費用を輸入者が輸出者に支払うタイミングと、上記金型等を用いて製造された量産品の輸入のタイミングが相違するので、ついつい加算モレが発生しやすくなります。
また、輸入者が輸出者(海外メーカー)に無償支給した部材の正味価格(VALUE)を加工品に上乗せすることが漏れるケースもよくありがちなケースですので、注意したいものですね。
3.良くありがちな申告間違い(低価インボイスによる輸入申告)
脱税する意図を持って意図的に低価インボイスを作成して輸入申告してしまうことは論外ですが、例えば、
となっている取引で、C社(メーカー)からA社にモノが直送される際、B社が発行したインボイスに差し替えて輸入申告する必要があるところ、C社(メーカー)が発行したインボイス(B社のマージン等が上乗せされていない価格が記載)で輸入してしまった結果、低価インボイスによる輸入申告をしてしまうケースもよく有りがちなミスですね。
なお、顧客に自社の販売マージンをオープンにしている取引において、C社(メーカー)からX社(顧客)にモノが直送され、当該輸入申告時に加算モレ、低価インボイスの使用による申告ミスがあることが事後調査で発覚し、自社が輸入申告したわけではないので、自社で修正申告出来ず、顧客を巻き込んで修正申告対応せざるを得ないというトリプルコンボミスも、レアケースとはいえ、あり得えるケースと言えます。
いずれにしても、繰り返しになりますが、上記事態が発生しないよう、社内教育・啓蒙活動の徹底、ミスが起こらない業務フロー、万一、ミスが発生したとしても直ぐに発覚・是正しやすいシステム構築を進めたいものですね。
P.S.
ちなみに、本記事の内容は一般論であり、当社内で上記違反ケースが散見される、といういうことではありませんので(^^:)
<BLJ 2018年11月号で参考になった記事>
中国における債権回収 第一回 契約交渉段階
(野村高志弁護士、志賀正帥弁護士)
※前回の記事で、BLJ 2018年11月号で参考になった上記記事について記載しましたが、
書き忘れたことがありますので、今回、記載します。
上記記事に
との解説がされていました。
なお、私の少ない経験から言えば、上記のように、抵当権の実行について、担保設定者(債務者)から同意を得られるケースは少なく、以前、書いた下記記事のように、時間稼ぎの為に担保設定者(債務者)が債権金額について異議を申し立てきて、結局、裁判で債権金額を確定させないと抵当権を実行して目的を達成出来無い(回収出来無い)という事態となるケースの方が大半かと思われます。
「中国で抵当権を行使するには、その前に、原則、訴訟で勝訴判決を得る必要がある。」
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-549.html
ということで、「(私的実行につき合意している)抵当権については」という前提に立てば上記記述は正しいかと思いますが、一般的にいえば、中国での抵当権の実行は難しいケースが多いと言えると思いますが、いかがでしょうか・・。
<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
よくわかる国際取引の経理実務(齋藤忠志氏著作)

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本
(上野泰也氏著作)
[本書で参考になった内容等]
米ドル暴落説が経済本で取り上げられていることがあるが、マネーが米ドルから逃げ出そうにも、他に代替先となるマネーの逃げ場所が無いので、上記事態が発生することは想定されない。

輸入者は、貨物を輸入する際、自己申告で関税等の納付税額を算出して輸入申告をしますが、後日、税関による事後調査で適正な申告がされていないと認定された場合、過少申告加算税、無申告加算税が課されることになり、さらに悪質と判断された場合は重加算税等も課される場合があります。
その為、輸入取引を行う会社は、申告ミスが起らないよう社内教育・啓蒙活動を行い、また、ミスが起こらない業務フローを設け、万一、ミスが発生したとしても直ぐに発覚・是正しやすい制度・システムを構築する必要があります。
なお、JETROのHPにある「貿易・投資相談Q&A」のコーナーの「税関の事後調査とはどのような制度ですか?」では、良くある申告間違いのケースとして下記内容が例示されていました。
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011023.html
(1)インボイスに記載された決済金額以外の貨物代金の申告漏れ
(2)豚肉に係る高価申告(実際の輸入価格よりも高い価格で輸入申告し、
差額関税を免れようとした)
(3)海外生産のために輸入者が輸出者に無償提供した材料費用などの申告漏れ等
(4)処分または使用につき制限がある貨物に係る課税価格の申告誤り
(5)低価インボイスによる輸入申告
2.良くありがちな申告間違い(加算モレ)
輸入申告時の課税標準には、輸入貨物の価格だけでなく、上記価格には含まれていない、輸入者が別途支払った下記の費用項目を加算して輸入申告する必要があります。
以外に広範囲の項目について輸入価格に含めて輸入申告することが分ります。
以下、よくわかる国際取引の経理実務(齋藤忠志氏著作) ※一部抜粋
[要加算項目]
(1)輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料、その他運送に関連する費用
(2)輸入貨物にかかる輸入取引に関して、買い手により負担される手数料または費用の内、次に掲げるもの
①仲介料、その他の手数料(買付手数料を除く)
②輸入貨物の容器(輸入貨物の通常の容器と同一の種類および価格を有するものに限る)の費用
③輸入貨物の包装に要する費用
(3)輸入貨物の生産および輸入取引に関連して、買い手より無償でまたは値引きして直接または
間接に提供された物品または役務のうち、次に掲げるものに要する費用
①輸入貨物に組み込まれている材料、部分品またはこれらに類するもの
②輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型またはこれらに類するもの
③輸入貨物の生産の過程で消費された物品
④技術、設計、その他輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの
(4)輸入貨物にかかる特許権、意匠権、商標権、その他これらに類するもの
(輸入貨物を日本において複製する権利を除く)で、政令で定めるものの使用にともなう対価で、
輸入貨物の輸入取引の条件として、買手により直接または間接に売手に帰属するものとされているもの
なお、私の所属業界で良くありがちなのが、輸入者が輸出者(メーカー)に支払った金型製造費用、開発費用の加算モレです。
海外での生産に使用する金型の製造費用、開発費用を輸入者が輸出者に支払うタイミングと、上記金型等を用いて製造された量産品の輸入のタイミングが相違するので、ついつい加算モレが発生しやすくなります。
また、輸入者が輸出者(海外メーカー)に無償支給した部材の正味価格(VALUE)を加工品に上乗せすることが漏れるケースもよくありがちなケースですので、注意したいものですね。
3.良くありがちな申告間違い(低価インボイスによる輸入申告)
脱税する意図を持って意図的に低価インボイスを作成して輸入申告してしまうことは論外ですが、例えば、
(商流(注文書の流れ))
X社(顧客)→ A社(輸入者:自社)→ B社(輸出者)→ C社(メーカー)
となっている取引で、C社(メーカー)からA社にモノが直送される際、B社が発行したインボイスに差し替えて輸入申告する必要があるところ、C社(メーカー)が発行したインボイス(B社のマージン等が上乗せされていない価格が記載)で輸入してしまった結果、低価インボイスによる輸入申告をしてしまうケースもよく有りがちなミスですね。
なお、顧客に自社の販売マージンをオープンにしている取引において、C社(メーカー)からX社(顧客)にモノが直送され、当該輸入申告時に加算モレ、低価インボイスの使用による申告ミスがあることが事後調査で発覚し、自社が輸入申告したわけではないので、自社で修正申告出来ず、顧客を巻き込んで修正申告対応せざるを得ないというトリプルコンボミスも、レアケースとはいえ、あり得えるケースと言えます。
いずれにしても、繰り返しになりますが、上記事態が発生しないよう、社内教育・啓蒙活動の徹底、ミスが起こらない業務フロー、万一、ミスが発生したとしても直ぐに発覚・是正しやすいシステム構築を進めたいものですね。
P.S.
ちなみに、本記事の内容は一般論であり、当社内で上記違反ケースが散見される、といういうことではありませんので(^^:)
<BLJ 2018年11月号で参考になった記事>
中国における債権回収 第一回 契約交渉段階
(野村高志弁護士、志賀正帥弁護士)
※前回の記事で、BLJ 2018年11月号で参考になった上記記事について記載しましたが、
書き忘れたことがありますので、今回、記載します。
上記記事に
質権および(私的実行につき合意している)抵当権については、人民法院の手続を介することなく、私的に競売または売却を行うことができる点で我が国とは異なる為、担保権の実行は比較的簡便といえる。
との解説がされていました。
なお、私の少ない経験から言えば、上記のように、抵当権の実行について、担保設定者(債務者)から同意を得られるケースは少なく、以前、書いた下記記事のように、時間稼ぎの為に担保設定者(債務者)が債権金額について異議を申し立てきて、結局、裁判で債権金額を確定させないと抵当権を実行して目的を達成出来無い(回収出来無い)という事態となるケースの方が大半かと思われます。
「中国で抵当権を行使するには、その前に、原則、訴訟で勝訴判決を得る必要がある。」
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-549.html
ということで、「(私的実行につき合意している)抵当権については」という前提に立てば上記記述は正しいかと思いますが、一般的にいえば、中国での抵当権の実行は難しいケースが多いと言えると思いますが、いかがでしょうか・・。
<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
よくわかる国際取引の経理実務(齋藤忠志氏著作)

<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
No.1エコノミストが書いた世界一わかりやすい為替の本
(上野泰也氏著作)
[本書で参考になった内容等]
米ドル暴落説が経済本で取り上げられていることがあるが、マネーが米ドルから逃げ出そうにも、他に代替先となるマネーの逃げ場所が無いので、上記事態が発生することは想定されない。

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