昨日、株主総会が無事、終わりました。今年はリハーサルの方が緊張感がありましたね・・

昨日、当社の株主総会が終了しました。

正確な人数は企業秘密ですが、コロナの影響もあり、来場された株主は10名を切る状況で、特に株主からの質問事項もなく、史上最短で株主総会が閉会しました。

私は議長席の後ろに座って、事前に用意した想定問答、各種データを基に回答者の回答を支援する役割でしたが、総会当日は出席者がゼロか少ないことを想定していたので、今年は、通しで行う前日のリハーサル時における、証券代行の担当者、株主総会指導の先生による模擬質問対応の方が緊張感がありましたね。

なお、今年はコロナというもあり、いつも配布しているお土産を止めたのですが、コロナの中、出歩きたくないという株主の意識以上に、お土産自粛の方が出席率が少なかった大きな要因かと思われます。

当社には著名な経営者がいるわけでもなく、特にこれといったトピックがあるわけでもなく(アクティビストに狙われているとか)、一般的に名の知れた会社でもないので、お土産が無ければ当社の株主総会に参加しようとなんて株主はいな(以下、省略)

(´-`).。oO(この流れで、来年もお土産は中止にしたらどうか、社内で提案してみようかな。一般論として、総会出席者にだけ、保有株数と関係なくお土産を渡すのはどうかという意見があるし、機関投資家は、お土産配るなら配当くれというスタンスだしなぁ)



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
実務で使える連結財務諸表のチェックポイント
(新日本有限責任監査法人 編集)

[本書で参考になった内容等]
特定の勘定科目について期間比較して分析する場合、

科目の変動が少ない = 分析不要

と安易に判断してはならない。

勘定科目は単独で判断するのではなく、関連する複数の科目にも注目する必要あり。この科目が増減しているから、この科目も増減しなければおかしい、という場合があるので、機械的に増減の大小で分析対象を判断してはならない。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
「経理」の本分
(武田 雄治氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
経営陣に伝えるための「税効果会計」と「財務諸表の視点」
(荻窪 輝明氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・「その他有価証券評価差額金」のように、PLにはヒットしない税効果会計の適用項目があるため、PLの差額だけでは会計と税金計算上の差異を調整しようとすると、つじつまが合わなくなる。

その為、一時差異は、会計上のBSの資産・負債の金額と、課税所得を計算する上での(税金計算上の)資産・負債の額との差額である、という考え方を取っている。

・スケジューリングが不能な一時差異の内、将来減算一時差異については、原則として、税務上の損金の算入時期が明確になった時点で回収可能性を判断し、繰延税金資産に計上する(回収可能性適用指針第13項)

・評価制引当額
 一時差異等の税効果のルールによって集計される金額の内には含まれるので、一旦、繰延税金資産や繰延税金負債の金額の集計に含まれるが、分類やスケジューリングや各社の事情によりBSに計上する資産・負債計上の範囲から除外、対象外とする金額を意味する。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
公認会計士と弁護士が教える「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所
(木村 直人氏、横張 清威氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・法人税の世界では、決められた金額よりも多く減価償却費を計上することは納税額が減少する為、禁止されているが、決められた金額よりも少なく減価償却費を計上する分には、勝手に税金を多く払うだけの為、特に問題視されない。

      ↓
赤字決算は避けたい為、多少は税金を多めに払ってもいいから減価償却は止めておこう、というモチベーションが働く場合がある。

・DCF = 将来キャッシュフローの割引現在価値により事業価値を算出する方法

 EBITDA倍率を用いたマルチプル方式は、通常、企業価値を算出する方法
 (EBITDA倍率を算出する場合、一般的に類似上場企業の株式時価総額に有利子負債を加算して企業価値を算出した上で、EBITDA倍率を算出することになるため)

 それぞれの評価方法にてどの価値を算出するのか異なる為、注意が必要。

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日本の新収益認識基準の適用時、IFRSの早期適用を考慮して、代替的な取扱いをあえて採用しない選択肢もありますね

ご承知の通り、企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」(以下、新収益認識基準といいます)が2021年4月1日以後に開始する事業年度より適用されます。3月決算会社(私の所属会社を含む)の場合、来期から適用開始ということで適用まで1年を切っていますが、皆様の会社での準備状況はいかがでしょうか?(((( ;゚д゚)))アワワワワ

業界、会社にもよるかと思いますが、実務、業績への影響度としては、民法改正よりも大きい会社もあるのではないかと思います。

当社でも適用に向けた社内外での調整等を進めていますが、そんな中、論点を改めて再認識する為に「収益認識の会計実務(PwCあらた有限責任監査法人 編集)」を読んでみました。

早速ですが、本書で個人的に心に留まった箇所を抜粋させて頂きます。


IFRS基準との相違点

2.代替的な取扱い

  (中略)

代替的な取扱いについては、これまで日本で行われてきた実務などに配慮し、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で、IFRS第15号における取扱いを踏襲した原則的な取扱いとは別に定めたものと考えられます。したがって、代替的な取扱いを適用した場合には、IFRS第15号の定めに従った場合の会計処理の結果とは相違が生じる可能性があるものと考えられます。

(本書P249抜粋)



ということで、IFRS第15号とは異なる代替的な取扱いをいくつか挙げられていますが、私の所属会社に関係しているのは主に下記3点となります。


(1)収益基準における出荷および配送活動に関する代替的な取扱い(適用指針94項)

(2)国内販売における出荷基準等の例外的な取扱い(適用指針98項)

(3)重要性が乏しい財又はサービスに対する残余アプローチの利用(適用指針100項)



「第2章 IFRS移行時の実務上の留意点」でも解説されていますが、日本の新収益認識基準にて代替的な取扱いを選択した後、IFRSを適用することになった場合、当該取扱いを変更してIFRSに適合させるよう、社内フロー等を変更する必要が生じてきます。

IFRSの早期適用について、IFRSの収益認識基準が業績(特に売上)に与える影響が大きくてこれまで躊躇していた会社もあるかと思いますが、今般、日本の新収益認識基準が適用されることになり、これを機にIFRSを早期適用しようかなと検討している会社もあるかと思います。

その際、IFRSへの移行のし易さを考慮して、日本の新収益認識基準に関する代替的な取扱いはあえて採用しない選択肢も考える必要がありますね。



[その他 本書で参考になった内容等]
1.米国会計基準の新収益認識基準(Topic 606)とIFRS第15号は、おおむね文言レベルで内容が一致している。(本書P6)

2.IFRSでも日本の新収益認識基準でも、固定資産の売却等、企業の通常の営業活動により生じたアウトプットとはいえない場合、収益基準の適用範囲には含まれない。しかし、IFRSでは、企業の通常の営業活動により生じたアウトプットとはいえない固定資産の売却については、IFRS第15号と同じ収益の認識を行うよう、IAS第16号「有形固定資産」を改正している。しかし、日本基準では定めている。(本書P20)

3.「契約書ベース」から「契約ベース」へ収益基準の適用範囲が変更となる。

4.②出荷および配送活動に関する会計処理
 顧客が商品または製品に対する支配を獲得した後に企業が行う出荷および配送活動については、商品または製品を移転する約束を履行する為の活動(適用指針4項)として処理し、履行義務として識別しないことができます(適用指針94項)(本書P81)

5.契約における重要な金融要素

(1)原則
取引価格の算定にあたり、約束した対価の額に含まれる金利相当分(貨幣の時間価値の影響)を調整する必要がある。

(2)例外(実務上の便宜)
契約における取引開始日において、約束した財又はサービスを顧客に移転する時点と顧客が支払を行う時点の間が1年以内であると見込まれる場合には、重要な金融要素の影響について約束した対価の額を調整しないことが出来る(会計基準58項)(本書P101)


[hitorihoumu]
私の所属会社のような商社の役割として「商社金融」というものがありますが、販売先に与えた支払い猶予期間が「1年間」以内であれば、取引価格の算定フローを変更する必要が無くても良かったです。



6.重要性が乏しい財又はサービスで、独立販売価格を直接、観察できないものは、残余アプローチを使用することが出来る(本書P115)

7.会計基準40項にて、支配の移転に関する5つの指標を例示している(本書P151)

8.「債権」と「契約資産」の相違点(本書P159)

9.遡及適用の方法
 原則:新たな会計方針を過去の期間の全てに遡及適用
 例外:適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用。
この場合、比較年度は現行の会計方針による数値を適用可能。

10.代理人取引への適用の有無を判断する際は、「主たる契約の履行責任」、「在庫リスク」、「価格設定の裁量権」という3つの指標を総合的に検討して判断する必要がある。1つの指標だけで判断してはならない。(本書P185)

11.有償支給取引において、支給先に譲渡された支給品の物理的な在庫管理責任が移転している為、企業が支給品の在庫管理を行うことが困難であることを考慮し、個別財務諸表にて、支給品の支給先への譲渡時に当該支給品の消滅を認識することが出来るという代替的な取扱いを認めている(適用指針104項)(本書P227)

12.顧客による検収が終了していない場合でも、契約にて合意された仕様に従っていることが確認でき、財又はサービスに対する支配が顧客に移転していることを、企業が客観的に判断できる場合は、形式的な検収を待つことなく、収益を認識出来る場合がある。(適用指針80項)(本書P232

13.財又はサービスが合意された仕様に従っているという保証の場合
当該保証について、企業会計原則注解(注18)に定まる引当金として処理する(適用指針34項)。この場合、約束された保証サービスを独立した履行義務として識別して取引価格を配分する必要はない。(本書P238)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ファイナンスこそが最強の意思決定術である。
(正田 圭氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ビジネスリーダーが学んでいる 会計&ファイナンス
(日沖 健氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・回収期間法のデメリット
 投資を回収するスピードだけを問題にしている結果、
 スピーディーに回収出来る案件が評価され、じっくりと大きく儲ける案件が排除されてしまう。

・IRRのデメリット
 投資効率は高いがあまり企業価値をあまり高めない案件を選択してしまう。
 投資の規模を考慮せずに投資効率に着眼して判断する点。

・変化の激しい今日の経営環境では出来るだけ早期に資金を回収することが求められる為、
 回収期間法の利用価値が上がっている。
 その為、NPVを基本としつつも、回収期間法も併せて確認が必要。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術
(熊野 整氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ダークサイド・スキル 本当に戦えるリーダーになる7つの裏技
(木村 尚敬氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・たとえ正しい判断だったとしても、意思決定する側は常に嫌われるリスクがある。
 しかし、みんなのご機嫌をうかがう人気取りではリーダーは務まらない。
 みんなの顔色をうかがって、みんなの意見を聞きながら落としどころを探う調整型リーダーでは
 問題解決に時間が掛かる。


 [hitorihoumu]
思い当たるふしが・・。嫌われる勇気も必要ですね。



・最大の抵抗勢力は現場にあり。時には北風的な毅然とした態度が必要となる。

・大企業体質の中にいると、「自分の仕事はここまでです」という仕事の仕方が普通になるが、
 最後まで責任を持って対応する人が結果を残してくれる人。

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海外当局のウェブサイトから入手できる決算書は信頼できるのか?

1.登記情報、決算情報が入手出来る各国当局のウェブサイトの紹介

今般は、「海外債権管理の実務ハンドブック(保阪 賀津彦氏著作)」という本を読んでみました。

本書には、登記情報、決算書のデータが掲載された海外当局サイトの情報が記載されていました。サイトのURLだけが列挙されているだけでなく、当局サイトの画面キャプチャ付きで検索方法、掲載情報、掲載言語、サイトの使い方等について解説されており、参考になりました。

備忘とどなたかの参考の為に、本記事の末尾に、本書に記載されていた、登記情報、決算書をサイトで掲載している各国当局の名称、掲載情報等を箇条書きでまとめてみました。
(本書の著作権を考慮して最小限の情報に限定してまとめています)

取引先の信用調査時に、外部調査機関から有料で調査レポートを取得するほどでもないけど、企業の概要内容をちょっと調べたいという際に活用していきたいと思います。



2.当局のウェブサイトから入手できる決算書は信頼できるのか?

著者は「当局のウェブサイトから入手できる決算書は信頼できる?」というコラムにて、下記2つの理由から「信頼出来る」とコメントされています。

(1)当局サイトに掲載されている決算書は企業が税務当局等に提出したもの。
  粉飾して売上、利益を過大に計上した決算書を提出するとその分、
  課税金額が大きくなるデメリットがあるので、粉飾するインセンティブは少ない。

(2)税金を減らしたいという意図で売上や利益を小さく計上した決算書を当局に提出した場合、
  後々の税務調査で追徴されるリスクが高まるので、まともな企業であれば数字を悪くした
  決算書を提出するインセンティブは働かない。

上記主張にも一理ありますね。

ただ、赤字では取引先や銀行に対して悪い印象を与えるし、一方で、税金は低く抑えたいということで、ちょうどよい最終利益となるように調整(粉飾)した決算書を提出している会社もあるかと思いますので、個人的には全面的な信頼は置けないのではないかと考えています。

(著者も海外当局サイトに掲載されている決算情報は100%信用出来るとまでは言い切っておりません。念の為、補足しました。)


3.こんな取引先は嫌だ(企業調査あるある?編)

以前、当局サイトの決算書情報に関して、こんなことを言ってきた取引先候補(中国企業)がありました・・。



(その1)当局サイトの決算書は信用するなと言われてしまったケース・・

     当局サイトの決算情報を基に作成された信用調査会社のレポートに記載されている
     決算情報が宜しくなかったので(数期連続赤字、債務超過)、内容について質問をしたところ、


    取引先: 上記調査レポートは当社が当局に提出した決算書を基に作成されている。
          当局には税金の免除を受ける為に(それは脱税ではないかと・・)、赤字の決算書を
          提出しており、当該決算書は信頼出来ない。
          ついては、会社が作成したこちらの本当の決算書をベースに検討して欲しい

    当社:・・・。



    ということで問題の無い、好業績の決算書を提出してきました。

    逆に、「多くの中国企業が当局に赤字となるように粉飾した決算書を掲載している中、
    取引先から提示された決算書ではなく、当局サイトの決算書を信頼するなんて
    信用調査方法としてどうかしている、会社の運用方法を改善した方が良いんじゃないか」と
    先方からご教示頂くおまけ付きです・・。

    当局に粉飾した決算書を提示しているのであれば、我々のような取引先に提示する
    決算書も粉飾している可能性があるわけで、全く信用できませんね・・。

    また、仮に逆粉飾しているにしても、公然と粉飾していると取引先に言っちゃう神経が理解できませんね。
    先方が粉飾していると認識した上でそれでも取引していることが後で消費者、第三者に知れた場合、
    特に上場企業の場合はレピュテーションが棄損するリスクがあるので、
    そんなことを平気で言っちゃう会社とは取引出来ない、と考えるかもしれないとイメージが
    働かないのがまたすごいですね。





(その2)単体ではなく連結決算書を見て欲しいと言われたものの・・。

     取引先の決算書(単体)を確認したら数期連続赤字、債務超過で決算情報が宜しくなかったので、
     詳しく理由を確認したところ、

    「今、手元にあるのは単体の決算書なので、連結決算書を送付する。」

    ということで連結決算書の提示がありました。

    どのような会社が連結対象になっているのかを確認したところ、彼らが連結対象としている
    という6社は、同一の株主が各社の株式を保有しているものの
    (そういう意味ではグループ会社)、各社間に資本関係はなく、各社の上層に
    ホールディングカンパニーもないので、提示してきた連結決算書はただ、
    同一株主の複数社の決算書を全て合算しただけで、本当の意味での
    連結決算書ではなかったというケースがありました・・。

    そこそこの規模、信用力のある親会社がいれば、万一、当該親会社の
    子会社にあたる取引先とトラブルになった場合、親会社が何かしら出てきて
    サポート等してくれる期待もありますし、子会社の業績に不安があれば親会社から債務保証を
    取れたら取引するというような選択肢もありました。

    しかし、株主が同じというだけではグループ会社が兄弟会社がサポートしてくれる期待は
    持てないので、何の参考にもならない連結もどきの決算書を提示されたことになります・・。





4.結論=特に非上場企業から提示される決算書は粉飾していると思って接するべし

海外に限らず、日本企業でも粉飾・逆粉飾して数字を作っている会社はたくさんあるかと思います。

その為、国内外企業を問わず、当局サイトから入手した決算書に限らず、特に非上場企業の決算書を目の前にした場合、もしかしたら粉飾しているのではないかという前提で分析、判断する必要がありますね。



5.登記情報、決算書を掲載している各国当局サイト

  ※詳細はP22~を参照

(1)中国
  中国国家市場監督管理総局のサイト内の「国家企業信用信息公示系統」のページで検索

  [掲載情報]
  登記情報等
  決算書 ※任意掲載

  ※中国語版のみ
  ※無料

(2)韓国
  決算情報掲載サイト「DART」(金融監督院の電子公示サイト)
  
  [掲載情報]
  登記情報等
  決算情報

  ※英語版と韓国語版があり、英語版には上場企業しか掲載されていない

(3)台湾
  経済部商業司の商工登記公示資料照会のサイト

  [掲載情報]
  登記情報等

  ※無料
  ※当局ウェブサイトでは決算情報は入手不可
  ※台湾企業の検索は中国語で、外資系企業は英語で検索

(4)香港
  登記局である公示註冊慮綜合資料系統(ICRIS)のサイト

  [掲載情報]
  登記情報等

  ※登録画面が出てくるが、登録しなくても検索可能
  ※当局ウェブサイトでは決算情報は入手不可

(5)タイ
  商務省事業開発局(DBD)

  [掲載情報]
  登記情報等
  決算書(年次報告書)

  ※無料

(6)マレーシア
  マレーシア企業委員会(CCM)

  [掲載情報]
  登記情報等
  決算書

  ※有料

(7)シンガポール
  会計企業規制庁(ACRA)

  [掲載情報]
  登記情報等
  決算書

  ※シンガポール居住者に限り、ACRAのサイトから情報入手可能。

(8)フィリピン
  証券取引委員会(SEC)

  [掲載情報]
  登記情報等
  決算書

  ※有料(数百円)

(9)ベトナム
   National Business Registration

  [掲載情報]
  登記情報等

  ※当局ウェブサイトでは決算情報は入手不可
  ※無料
  ※英語、ベトナム語 選択可能

(10)インドネシア
   企業省(MCA)

  [掲載情報]
  登記情報等

  ※当局ウェブサイトでは決算情報は入手不可
  ※有料
  ※インドネシア語のみ。

(11)インド

  [掲載情報]
  登記情報等
  決算書

  ※有料

(12)欧州・ロシア・中央

   ※本書P46~48を参照
   ※上記地域内での国に関する当局サイトの情報も記載がありましたが、
     私の所属会社が進出している国の情報は無かったので、記載を省略します。。。
     上記国に所在する取引先の信用調査をする機会があれば、
     上記ページを参照しようと思います。

(13)米国
   各州の登記局(Secretary of State)

   [掲載情報]
   登記情報

   ※非上場の決算書は入手出来ない。
     トレードレファレンスで支払い振りを確認するケース多い

(14)メキシコ
   無し
   
   ※登記情報も入手困難


(15)カナダ、ブラジル

   ※本書P48を参照



[その他 本書で参考になった内容等]
・自己資本比率が高くても自己資本額が小さい企業は、
 単に借入や買掛取引が出来ないだけかもしれない点に注意

・コレクションエージェンシーへの依頼履歴は信用調査会社の信用調査レポートに掲載される。
 上記履歴が残ることを嫌がる取引先は、コレクションエージェンシーへ依頼することを
 伝えることで、自主的な支払いを促す効果がある。

・クレジットノートを利用した売掛金の取引条件違反の期日超過のごまかし不正例


[不正対応の流れ]
1.支払期日に支払いが無い場合、入金予定額のクレジットノートを発行して消込
  (クレジットノートは取引先に送付しない)

2.上記1と同時にインボイスを発行
  (インボイスは取引先に送付しない)

3.上記1と2を繰り返すことで、取引先からの入金が遅延していることを
  社内、管理部門に隠蔽



[hitorihoumuメモ]
・イレギュラーな売上のプラス・マイナスが無いかどうかの確認が必要ですね。

・上記不正の応用?として、在庫が停滞していることについて管理部門から指摘を受けることを避ける為、
 長期間、不動在庫になりそうになったら、一度、不良品としてサプライヤーに返品したことにして、
 (もしくはサプライヤーに協力を依頼して返品処理を実際にした上で)、再度、
 入庫して入庫日をリセットする不正も考えられますね。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
「経理」の勉強法
(梅澤 真由美氏著作)

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海外で在庫を保有して販売すること(非居住者在庫を持つこと)が当該地の法令で禁止されている場合があるので注意

1.海外の非居住者在庫に対する制限

当社は顧客から、JIT(Just in Time)な納入が出来るよう、サプライヤーに発注してから納入されるまでのリードタイムを考えて、フォーキャスト(所要計画)に基づいて所定の在庫を確保し、顧客からの注文に応じて直ぐに出荷出来るように在庫運用しているケースがあります。

また、海外に所在する顧客からも同様の要望を受ける場合がありますが、この際に気を付けなければならないのが、海外で非居住者として在庫保有して販売することがその国の法令上、制限されている場合がある点です。

例えば、下記JETROのサイトでは、タイで非居住者(例えば日本法人)がタイ国内に在庫を保有して販売することが出来ないと解説されています。


国・地域別に見る>貿易・投資相談Q&A>非居住者が保有する貨物の通関制度:タイ

Q.当社は、タイに住所のない日本企業です。タイに貨物を送り、タイに住所を有しないまま、
  非居住者名義でタイ国内への輸入通関を行うことはできますか。
  また、非居住者名義でタイから輸出通関や貨物の管理を行うことはできますか。

A.タイでは、非居住者が自己の名義で輸出入申告、積戻し申告を行うことはできません。

(中略)

III. 非居住者による保税地域外における貨物管理

タイでは法律上、非居住者が在庫所有や貨物管理を自己名義で行うことができないとする明文化された規定はありません。ただし、タイで輸入者または輸出者になるためには、上記のように事業を行う法人をタイに設立する必要があるため、輸出入通関が伴う場合には、非居住者が自己名義での在庫所有や貨物管理をすることは実質的には困難といえます。

https://www.jetro.go.jp/world/qa/04K-120306.html





2.フィリピンでは、国税局(BIR)は非居住者在庫を認めていないけど、PEZA(フィリピン経済特区庁)は認めているというように、行政によりスタンスが違う場合もあるので注意

ややこしいのは、海外の行政内でも上記のように非居住者在庫に対するスタンスが異なる点は注意が必要です。後々、揉めたくないですからね。

例で挙げたフィリピンの日系企業では、フィリピンに現地法人を有しておらず、非居住者在庫でしか対応できない日本のサプライヤーとは取引しないという方針にしているところもあります。



3.海外に所在する倉庫が恒久的施設(PE)認定されるリスク

PEとは何かについては、JETROの下記解説ページを参照下さい。


国・地域別に見る>貿易・投資相談Q&A>恒久的施設(Permanent Establishment: PE)とは
https://www.jetro.go.jp/world/qa/C-170203.html



ここで注意が必要なのは、上位HPにも解説の通り、「日本企業が他国に有している施設等がPEに該当するか否かの判定は最終的には当該国の税務当局の取り扱い次第である点」となります。

OECDモデル条約では、以下の通り、海外に所在の倉庫はPEとはみなされないと定められています。しかし、国によっては、在庫保管している倉庫もPE認定されて、当該倉庫により生じた事業所得について当該海外の税務当局に課税されてしまうリスクがあります。詳しい事例は「倉庫」、「PE」をキーワードにググればいくつか出てきますので、興味のある方はご参照ください。

その為、海外で在庫販売することを検討する際は、法令上、非居住者在庫を持つことが出来るかどうかの確認に加えて、税務リスクを負わないかどうかの確認も必要です。


[上記HP(抜粋)]
1.OECDモデル条約
PEは、事業を行う一定の場所であって企業がその事業の全部、または一部を行っている場所と定義され、OECDモデル条約では、PEの範囲に次のものが含まれます。

a.支店PE
事業の管理の場所、支店、事業所、工場、作業場、鉱山、石油または天然ガスの抗井、採石場その他天然資源を採取する場所は、PEに含まれます。

b.建設PE
建設工事現場又は建設もしくは据え付けの工事については、12カ月を超える期間存続する場合にはPEを構成するものとみなされます

c.除外規定
上記に該当しても、次の場合には、PEとみなされません。 i.企業の物品又は商品の保管、展示または引き渡しのためにのみ施設を使用する場合
ii.企業の物品又は商品の在庫を、保管、展示または引き渡しのためにのみ保有する場合
iii.企業の物品又は商品の在庫を、他の企業による加工のためにのみ保有する場合
iv.企業のために物品もしくは商品を購入し、または情報を収集することのみを目的として事業を行う一定の場所を保有する場合
v.企業のためにその他の準備的又は補助的な性格の活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有する場合
vi.aからeまでに掲げる活動を組み合わせた活動を行うことのみを目的として、事業を行う一定の場所を保有する場合。ただし、こ   の活動の性格が、全体として準備的、補助的なものである場合に限ります。

※下線はhitorihoumuが追加





4.1つの解決策:商社を介在させて取引すること
上記制限は国毎に異なりますので、現地の弁護士事務所やフォーワーダーに確認するなりして、安請け合いしてうっかり法令違反しないように気を付けたいですね。

もし、非居住者在庫が認められていない国で顧客に対するJIT(Just in Time)対応が必要な場合、現地に所在する商社を介在して取引することも選択肢の一つとなります。By 商社マン



5.商社の在庫リスク

商社としては、商社の役割として資金負担して在庫を保有して販売する代わりにマージンを貰う立場ではありますが、在庫が長期にわたって不動化するリスクは負いたくありません。

特に、不特定多数に販売出来るカタログ品・汎用品であれば他に販売する選択肢もありますが、特定の顧客にしか販売出来ないカスタマイズ品であればなおさら、長期の在庫リスクは回避したいところです。

その為、


商社が顧客のフォーキャスト(所要計画)に基づいて現地で在庫を保有後、〇ヶ月が経過した際に在庫が残存していた場合、顧客は当該残存在庫の全てを買い取る。



というような覚書を顧客と交わした上で在庫取引を開始するように運用しています。

しかし、いくら契約で合意していても、所要が減少しているから今すぐには買い取れないとか何とか言われた場合、特に長くて太い取引をして頂いている重要な顧客が相手の場合、買い取りを求める裁判をするわけにもいかず、約束された期間を経過した後も在庫を保有せざるを得ないケースがあります。特に現在のコロナ影響下ではその傾向が強く出ています・・。

このような場合は、出荷停止を暗にチラつかせて顧客のラインがストップしますけどいいんですかと(ソフトに)攻めてみる、日系の現地法人であれば、日本の親会社にプレッシャーを掛ける等の地道な対応を進めていますが、なかなか万全の対応策は無いですね・・。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
コーポレートファイナンス 戦略と実践
(田中 慎一氏、保田 隆明氏著作)

[本書で参考になった内容等]
・PERの分母は純利益の為、純利益がゼロに近くなるとPERは高くなってしまう。
 成熟した業界で良く見られる傾向。

・ROICを計算する際、総資産の内、営業利益を生む出す「事業投下資産」だけを分母に使う
 営業利益を生まない「非事業用資産」は除外する。

・ROICツリーの構成

・フリーキャッシュフローの計算式
 
   営業利益
  ▲営業利益に係る税金
    税引き後営業利益(NOPLAT)
  +減価償却費
  ▲設備投資額
  ▲運転資本増加額 
  フリーキャッシュフロー

・目標とする資本構成はどうやって求めるのか?
 実務上は類似企業をベンチマークして決めるのが一般的。
 多くの同業他社が採用している財務戦略に基づく資本構成は広く支持されていて、
 それなりに正しいという暗黙の了解がある為。
 資本構成を理論的に導くにはどうするかという学問は存在するが、実務上は当事者間の納得感、
 分かりやすさがより重要視され、上記方法が採用されていることが多い。

・WACCを計算する際、エクイティには時価総額を使う。純資産ではない。
 株主は、時価総額をベースに期待リターンを提供しないと満足してくれないから。

・はるか遠くの未来のキャッシュフローは現在価値にするとゼロに近くなる。

・DCFによるバリュエーションの為に事業計画を策定する際は、
 買収することが最終目標になってはいけない。手段と目的を混合してはならない。

・市場の慣行としては36ヶ月のβ(ベータ)を使うことが多い。
 日経新聞、ロイターがインターネットで無償公表しているβ(ベータ)は
 直近36か月間の株価の動きから計算している。
 恣意的にβ(ベータ)の期間を変更して計算に使うことは控えるべき。

・企業にとっての関心毎は株価が上がることであるが、それ以上に重要なのは
 株価が下がらないこと。
 →IRでコアターゲットとすべき投資家は既存株主。

・機関投資家の投資パフォーマンスの評価は、いかに市場のベンチマークに勝つかであり、
 ベンチマークを基準にオーバーウェイト、アンダーウェイトの判断を繰り返して取引している。
 その為、個人投資家の取引の仕方とは違ってくる。

・IRの目的は流動性の創出

・DCF法は未上場企業でも適用可能であるが、将来予想されるフリーキャッシュフローが
 読めないベンチャー企業にはDCF法は使えない。

・想定時価総額を算出する際に業界平均PERを求める際には、平均PERではなく、
 類似企業のPERから最高値、最低値を除外した中央値を採用する。
 最高値、最低値を含めた平均値では、この2つの数字の影響が大きく出てします。

・ざっくりとした水準数値
 
 ROA 5%
 営業利益率 6%
 ROE 10%
 EBITDAマルチプル 8倍
 PER 15倍

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「繰延税金資産」は、ゆで太郎の無料クーポン券のようなもの

1.繰延税金資産について良い例えを使った解説記事の紹介

会社が定期購読している週刊 経営財務 2020年4月27日号が、在宅勤務体制によりだいぶ遅れましたが、私の手元に社内回覧されてきましたので読んでみました。

上記冊子の中では、公認会計士 溝口聖規氏が書かれた「会計知識録 (企業の会計・財務活動を解読)」というテーマの「第1回 繰延税金資産の取り崩し」という記事が目に留まりました。

溝口先生は、繰延税金資産を飲食店のサービス券のようなものと例えて、以下の様に解説されています。

以下は上記該当文章を私が簡潔にまとめたものです。


(飲食時)
・手元所持金 1,000円のみ
・飲食店で700円の食事をした
・会計時に次回使える500円のサービス券を受領

この時、実質的には200円(700円-500円)で食事が出来たことになり、
500円分が税金費用のマイナスと考える。

そして、飲食後、手元にある500円のサービス券が繰延税金資産に相当する。

(飲食後)
・手元資産 800円
・手元所持金 300円
・500円のサービス券



繰延税金資産を飲食店のサービス券に例えて解説されたものは個人的には初めて目にしましたが、非常に分かりやすい例えですね。

今度、繰延税金資産について解説する機会があれあ借用させて頂こうと思います。



2.ただ、単純なサービス券では少し違和感も・・・

溝口先生は、繰延税金資産の取り崩しも上記サービス券を例えしてあげて解説されています。
その部分を抜粋させて頂きます。


延税金資産の取り崩しを、先ほどのサービス券の例を使ってイメージしてみましょう。

このサービス券には使用期限があります。使用期限は2か月後です。2か月を経過すると紙くずになって500円分の飲食の価値は無くなります。500円のサービス券は、用途が限定(特定の店舗での食事のみ)され、現金化はできません。あなたは2か月間仕事が忙しく、サービス券を使用数機会が乏しくなってきました。すると、500円のサービス券の実質的な価値が段々と低下していきます。そして、使用期限を経過するとサービス券は無価値になります。繰延税金資産も同様に、将来の活用機会(課税所得の減少)が乏しくなるほど消滅(取り崩し)するというイメージです。



この解説も分かりやすいのですが、少し腹落ちしないのが、使用期限が近くなるとサービス券の価値は確かに低下はするものの、期限までに店舗に持参すれば額面通りの値引きが得られるので、ちょっと繰延税金資産の例えとしては個人的しっくりこない感じです。

そこで、例えとしては何がいいのか色々と考えたところ、個人的には、チェーン系そば屋さんの「ゆで太郎」でたまに配布している、以下のように8つに分割出来て、1回の食事につき1枚しか使えず、また、使用期限が決まっている無料クーポン券が繰延税金資産の例えとしてはよりしっくりくる感じですね。
(ゆで太郎を知らない人にとってはイメージが沸かないかと思いますので、写真を貼っておきます)

回数券のようなタイプのクーポン券で使用威期限があるあたりが、繰延税金資産の回収可能性をも表現出来ているかと思います。

8分の1の券を使って無料かき揚げを貰い、残りの8分の7部分を財布に忍ばせておくものの、全部使うまでに気付いたら使用期限が切れてゴミになるあたりも、繰延税金資産の取り崩しが急に発生して大きな(気分的)損が発生するのと似ていますね。似てないか・・。

ゆで太郎では、キャンペーン期間中は食事をする度に新しい無料クーポン券を毎回くれますが、この点は繰延税金資産とは相違するところかと思いますので、例えに使う場合はこの点はスルーしましょう。

[以下、ゆで太郎の無料クーポン券]
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3.最後に

「繰延税金資産」と「クーポン券」の2つのキーワードでググってみたら、溝口先生がGLOBIS 知見録という情報系サイトに書かれた上記と同様の例を挙げた繰延税金資産に関する解説がありましたので、気になる方は下記URLの該当ページをご覧ください。

https://globis.jp/article/4331
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Author:hitorihoumu
41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

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