派遣社員は「切りやすい」が「切られやすい」? スイッチングコストを考慮した契約形態の選択の必要性

1.派遣社員は「切りやすい」が「切られやすい」?
以下、少ない経験則から、独断と偏見に満ちたことを書き留めておきたいと思います。当然、色々なケースがあるかと思いますので、下記の内容が全てではないことを十分理解した上で、現時点での個人的な私見をまとめてみました。

派遣社員に関する派遣契約は、会社の立場としては、正社員との雇用契約と比較して解消し易いと契約形態となっていますが、逆に、派遣社員側から会社側が切られやすい形態となっているなと最近、感じることがありました。最近、こちらが切られたわけではありませんが、そんなことを感じる場面がありました。

就業規則や派遣契約にもよるかと思いますが、派遣社員でも正社員でも、働く立場の人の方が1か月程度前に会社に通知することで契約関係を解消可能という点では同じかと思います。ただ、派遣社員の方は、長期で同じ会社に働く意思・予定が無いから正社員ではなく派遣社員の雇用形態を選択している人も多いかと思います。

特に若い人で、初めから正社員ではなく派遣社員という契約形態を自分の意思で選択した方はそのような傾向が強いのではないかと思います。さらに、バイトよりは時給が高くて短期で稼げそうということで、正社員の方よりもモチベーションは高く無く、会社・業務に対するコミットメントが低い方も一定数いるのではないかと思います。

短期の派遣前提でも、与えられた仕事は責任を持ってしっかり対応しようという真っ当な方が多数派かと思いますが、そうではない方も一部いる中、事前の職場見学?でこのような少数派の方を見抜くことはなかなか難しいですね。



2.会社の都合通りには進まない前提で考えるべし
会社側としては、会社の都合により、会社のタイミングで契約関係を流動的に解消したいが、しかし、会社から契約関係を解消したいと考えるまでは、長く働いてほしいという都合の良いことを考えて派遣社員の方を採用するケースがあるかと思います。

しかし、社員の方は機械ではないので、そんな会社の都合通りにいくとはかぎらず、会社の想定外のタイミングで会社が切られるケースは、正社員よりも会社に対する帰属意識が相対的に低い派遣社員の場合の方が多いのではないでしょうか。

派遣社員の方から会社が切られるリスクが高く、会社が想定外のタイミングで切られて、また新しい人に業務を引継ぎしなければならないことを考えると、引継ぎに時間のかかる重要で複雑な業務を派遣社員に依頼することは難しい為、単純作業をお願いせざるを得ないことになり、その結果、派遣社員の方はより会社から切られやすい立場になってしまう、というスパイラルに陥っているのではないかと思います。

また、マニュアルを渡して少しOJTをすれば直ぐに業務に付けるような仕事ではなく、引継ぎに時間を要するような業務をお願いする場合は、契約の流動性は低いとしても、やはり正社員を雇用した方が良いという判断もありそうで、上述の事情も相まって、派遣社員の方の報酬水準は低い状態で押さえられる傾向があるのではないかと考えています。

特にオチはないですが、派遣社員との契約を考える際は、派遣契約のスイッチングコストを考えて、人を増やす際の契約形態を選択したいものですね。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
脱マウス最速仕事術 年間120時間の時短を実現した50のテクニック
(森 新氏著作)

[参考になった事項]
・キー自体の役割を知れば、それだけで暗記に依存しなくても
ショートカットキーを使えるようになる。

・「Shift」キーや「Tab」キーには矢印「⇑」、「→←」が表示されている。
キーのマークの意味を理解すべし。

・「Shift」キーを押さないと1階部分が入力され、「Shift」キーを
押しながら他のキーを押すと2階部分が入力される。
「Shift」キーに表示されている上矢印(⇑)は2階を意味している。

・「Alt」+「Tab」キーで開いているウィンドウのサムネイルが表示

・「Windows」+「D」キーでデスクトップを表示

・「Ctrl」+「H」キーで検索ウィンドウを表示

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
設例でわかる キャッシュ・フロー計算書のつくり方Q&A
(新日本有限責任監査法人 (編集))

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ビジネス会計検定試験公式テキスト1級
(大阪商工会議所 (編集))

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
退職給付会計のしくみ(第2版)
(新日本有限責任監査法人 (編集))

taisyokukyuhu_convert_20201220213301.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
これならわかるキャッシュ・フロー計算書
(本田 直誉氏著作)

korenara_convert_20201220213156.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
海外取引の成否は「契約」で9割決まる
(菊地 正登氏著作)

kaigaitorihikinoseihi_convert_20201220213140.jpg



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
なぜトヨタは税金を払っていなかったのか?
(大村 大次郎氏著作)

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相談者から「で、オレはこれやっていい?ダメなの?」と言われないようにするために ※「知財部という仕事」(友利昴氏著作)という本を読んで

1.今般は、友利昴氏著作「知財部という仕事」という本を読んでみました。

twitterか何かで、著者(友利昴氏)が自身のブログで本書を紹介していることを知り、興味を持ち手に取りました。


[著者ブログ]
ブログブログ by 友利昴 自分に関する記事を書いたものです。
https://subarutomori.hatenablog.com/entry/2020/07/19/081102


上記書籍のタイトルだけ見ると、知財部の役割や重要性を解説したお堅い本だろうなという印象があるかと思います。

しかし、上記ブログ記事に全ての目次が記載されておりますが、下記QAの一部だけみても、「そんな場面あるある」と頷ける内容が満載の実務的で(読みやすい)Q&A集になっていました。


[本書目次(一部抜粋)]
【第1章】トラブル発生!知恵を絞って切り抜けろ
Q1.先行特許へ抵触発覚!「設計変更はイヤだ!」という現場をどう説得する?
Q2.「いいから生産に入れ!」侵害可能性を無視した命令にどう対処する?
Q3.外注デザインから生じる著作権トラブルをどう防ぐ?
Q4.侵害者はお取引先!?どうやって侵害を止めさせよう?
Q5.攻撃的な権利者の度を越えたクレームはどこまで気にすべき?
Q6.知財部のミスで見逃した権利侵害に気付いた!そのときどうする?
Q7.「予算は出せぬが模倣品はなんとかせい!」その時とんちだ!?
Q8.「技術を盗んだ」「偶然の一致だ」不毛な争いはどう収める?
Q9.侵害リスクを指摘すると「今から仕様変更は無理!」どう切り返す?

(中略)

Q97.「御社の類似品をつくっても大丈夫ですか?」仰天相談にどう応じる?
Q98.代理人の書いた意見書の内容がイマイチ!?どう指摘する?
Q99.知財部は契約交渉会議に同席すべき?すべきでない?

【終章に代えて】
Q100.知財部が社内でプレゼンスを高めるにはどうすればいい?




2.相談者から「で、オレはどうすればいいんだ?」と言われないように

上記QAの内、個人的に心に留まったQAをいくつか抜粋させて頂きます。


Q29.
背景の分からない「イキナリ系質問」にはどう答えるの?
(Qの詳細は省略)

A29.
即答禁物!質問の背景にある事情やニーズを必ず聞き出そう!

(中略)

「事業部の質問者は、クイズや試験勉強をしているわけではなく、何か実際的な問題を解決したいと思って質問をしているのです。
これに対して、知財部がクイズの正解な試験の答案のような回答しかできないのであれば、事業部のニーズに応えられているとは到底いえません。知財部に求められているのは、専門知識を生かして、実務の筋道を立てるような回答と助言をすることではないでしょうか。
(以下、省略)




Q73.
法的に正しい助言をしても、社内から信頼されないのはなぜ?
(Qの詳細は省略)

A 73.
助言が法律の解釈になってない?「どう行動すべきか」を助言しよう!

(中略)

知財  「うーむ。必ずしも権利侵害とはいい切れないですが、権利侵害になる場合はありますね」
相談者 「ははぁ。なるほど」
知財  「似た事例が争われた裁判例は、3件ほど思いつきます。1件は権利侵害が
     認められていますが、2件は認められませんでした」
相談者 「ふむふむ」
知財  「学説的には権利侵害に不定的な見解もあるようですが、だからといって違法性が
     否定されるわけはありません」
相談者 「・・・・・」

いやはや、これでは学者の講釈です。決して間違っていることはいってはおらず、むしろ正確性を重視し、多角的な分析に努めているとの評価もできましょう。しかし、相談者の立場からすれば、「で、オレはどうすればいいんだよ!?」と思わざるを得ません。これでは、「アンタじゃ話にならないから、ちゃんと判断できる専門家の見解を聞かせてくれ」といわれるのもやむなしです。
そう、相談者が求めているのは、「やっていいのか、悪いのか」という判断であり、法律の講義ではないのです。
(以下、省略)



誰かに相談をした際、相談相手が明確な答えを持ち合わせていない場合は特に、色々とお話してくれるものの、結局、OKなのかNGなのか、結論が分からずにモヤモヤすることは良くある残念なケースかと思います。

そんな残念な人にならないように、

(1)もし相談者の相談事項に即答出来ないのであれば、即答は出来ないことをしっかり伝え、ある程度の方向感は伝えられれるようであれば伝えた上で、確認してから回答するようにする。苦し紛れに知ったかな回答をすると、その場は何とかやり過ごせたとしても、結果的に信頼を失うことに留意すべし。

(2)「ちょっと何言っているか分からない」、「So what?」と言われない、思われないように、「Qに対してはしっかりAを返す」、相手の聞きたいことを良く理解して具体的なアドバイスするべし。

と、こうやって書いてみると当たり前のことですが、当たり前のことをを当たり前に行えるように気を付けたいものですね。自戒を込めて書いてみました。



[その他、本書で参考になった内容]


Q32.
新入社員研修でウケを狙おうとすると、大体スベルのはなぜか?
(Qの詳細は省略)

A32
面白ネタに逃げるからスベル!新入社員の関心ごとに知財を絡めよ!

(中略)

「ウケる研修」とは、決して笑いが取れる研修ではありません。聴衆が興味を持っていることに対し、きちんとアンサーを与えられる研修のことなのです。
(以下、省略)



[hitorihoumuコメント]
上記はその通りですね。コーポレート系の研修(特にコンプラ研修)は内容的にどうしてもお堅い話になってしまうので、受講者の興味を引き留めるにはどうすればいいか、という点は、研修主催者側として苦労する点かと思います。

特にスケジュール的にお昼ご飯の後に自分の研修講師のコマを入れられると、どうしたものかと思いますね・・orz

ただ、漫才ではないので笑いを取る必要は無く、飽きずに受講者の興味を引くことが出来れば成功なわけで、無理に割を取ろうとして空回りをすることなく、聴衆の興味、関心のありかを考えて研修内容、進行方法を決める必要がありますね。





Q 64.
権利侵害は「バレなきゃリスクはゼロ」という意見にどう応える?
(Qの詳細は省略)

A 64.
バレるかどうかよりも「バレたらどうなるか?」を想像させよう!

(中略)

人間は自分勝手なもので、会社が裁判に巻き込まれるかどうかよりも、自分自身が怒られたり、社内での立場が危うくなったりすることを思い浮かべる方がよっぽどリアルにイヤだと思うものです。そんな人間の悲しい習性を利用して指導すると効果的です。
(以下、省略)



[hitorihoumuコメント]
上記は、権利侵害にかかわらず、これからやっちゃダメなことをやろうとしている人から相談を受けた際にも適用出来ますね。

「これは会社に損害が発生するから止めましょう」と説得するよりも、同じようなケースが発生して役員からめちゃくちゃ怒られた社内事例を紹介してあげた方が自分のこととして理解してくれますね。

「これやったら怒られるから止めましょう」というのは小学生に対する指導のような感じがして何だかという感じもしますが、結果的にスムーズにストップが出来ればいいわけで、相談者の関心毎(怒られたくない)を考えてアドバイスするのも作戦としては十分アリですね。




Q 79.
期待していた書面と違う!弁護士との意思疎通のミスマッチをなくすには?
(Qの詳細は省略)

A 79.
ゴールに到達するまでのプロセスのイメージを丁寧に共有すべし!
(以下、省略)



[hitorihoumuコメント]
弁護士に、紛争相手に提示する書面や契約書のドラフトの作成、チェックを依頼をした際、自分の意図とは異なる修正やドラフトを作成・提示をしてきて、弁護士の理解力を嘆くというパターンはありがちかと思います。

しかし、そもそも、弁護士が当社の意図通りに対応して貰う為に必要な前提条件(当社としてどのようにしていきたいのか等の情報)をしっかり伝えていたのか、という問題もあるかと思います。

いくら顧問弁護士といっても、こちらの意図を「あ・うん」の呼吸で全てくみ取ってくれるはずと期待するのは無理な話です。法務担当、知財担当としては、弁護士等の専門家に相談する際には、必要十分な情報提供が出来ているのか、常に自問自答すべきですね。

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41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

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