判定区分(本人取引、代理人取引)の妥当性に関する監査法人のサンプリング検査があるようです・・ 他2本です

1.「本人取引」と「代理人取引」の判定指標はあくまで例示に過ぎない

ご承知の通り、収益認識基準では、取引内容を「本人取引」と「代理人取引」を判定区分して収益を計上する必要があります。

また、適用指針第47項では、上記判定をする際の指標として下記3つを例示しています。


(1)契約履行の主たる責任
(2)在庫リスク
(3)価格決定における裁量権



ただ、最近読んだ「収益認識の会計実務(PwCあらた有限責任監査法人 (編集))」によるますと、


これらの要件はあくまで例示であり、また、それぞれの指標について、重み付けは定められていません。そのため、企業は特定の財又はサービスの性質および契約条件を基礎として、それぞれの指標、ならびにその他考慮すべき事象および状況がないかを検討したうえで、総合的に判断する必要があります。



と解説されていました。

私は取引区分の考え方についてこれまで監査法人にたびたび相談しましたが、その度に

「一つの指標に基づいて判断するのではなく、総合的に判断しましょう。」
「形式基準ではなく、実質基準で判断しましょう。」

とアドバイスを貰いました。その通りかと思いますが、これがなかなか難しいですね。

社内では、基準が曖昧なので、同じような取引なのに人によって判定区分にブレが生じるから何とかして明確な基準を作って欲しい等と指摘を受けることが多々ありますが、会計基準に基づいて判定フローチャートを作成した当部門ではなく、企業会計基準委員会に直接、文句を言って欲しいものですね orz



2.判定区分(本人取引、代理人取引)の妥当性に関する監査法人のサンプリング検査があるようです・・

本会計基準が適用される会計年度では、どの会社もそうかと思いますが、判定区分が妥当かどうか、監査の一環として監査法人がサンプリング検査を行うようですね。

しかし、社内で総合的に考慮して判定した取引区分の正しさを監査法人に証明することの難しさを今から感じています・・。

監査期間中に判定結果の妥当性に疑義が出て、期限内に決算の開示出来ないか、開示出来るにしても、未修正の虚偽表示に該当して監査役等からお叱りを頂く事態にもなるかもしれないと思うと、今から不安で寝れません(((( ;゚Д゚)))



3.グループ会社を介して取引する場合の在庫リスクの有無

取引区分の判定について、社内で議論の出たトピックスを誰かの参考の為にご紹介します。今後、このような内容を随時、追加していこうと思います。なお、会社によって事情が異なるかと思いますので、1社の事例としてご覧頂ければと思います。

監査法人からは、「日本の親会社」と「その子会社」は別法人なので、グループ会社を一体として見るのではなく、個々の法人毎に取引区分を判定してくださいとアドバイスを貰っています。

その為、例えば、下記のようなグループ会社を介した取引商流において、


[商流]
サプライヤー → 親会社(A社) → 海外子会社(B社) → 顧客(X社)




「親会社(A社)の海外子会社(B社)向け取引」→「代理人取引」

「海外子会社(B社)の顧客(X社)向け取引」 →「本人取引」



というように、同じ商流に介在するグループ会社同士で取引区分が異なる結果となっても問題なく、むしろ取引状況が異なる場合は別々の区分として判定すべきのようです。

なお、決算書を開示する際、連結決算書ではグループ会社間の取引は消去されるので、グループ会社向けの売上の判定区分は、連結上は無視しても問題ありません。しかし、本決算においては、日本単体の個別財務諸表上を開示する必要があり、個別PLではグループ会社向けの売上高も含めた売上高を開示する必要がある為、グループ会社向けの取引が「本人取引」と「代理人取引」のどちらに該当するのかは正確に判定する必要があります。

すでに上記作業をされている方は分かるかと思いますが、このグループ会社向けの取引区分を判定するのがこれまた難しいですねorz

日本の親会社の人と海外子会社の人が個別に判定作業行う場合は特に、判定結果のブレを無くすることの難しさが大きくなります。

判断を難しくしている理由の一つとして判定基準が曖昧ということがありますが、上記1で記載した3つの例示指標の内、下記「(2)在庫リスク」の解釈について取り上げてみたいと思います。先ほどと同じ下記商流を基に考えてみましょう。


[商流]
サプライヤー → 親会社(A社) → 海外子会社(B社) → 顧客(X社)

[前提]
1.子会社(B社)は、顧客(X社)から3カ月先までのフォーキャスト(所要)を提示されて、
  顧客(X社)の生産ラインが止まらないように、フォーキャストに基づいて在庫を
  確保するよう要請を受けた。
  
  但し、フォーキャストに基づく買取保証の合意は得られていない為、
  在庫が残存した場合の在庫リスクは子会社(B社)が負担する。

2.海外子会社(B社)は、フォーキャストに基づいて親会社(A社)にモノを発注し、
   親会社(A社)は当該発注に基づいてサプライヤーに発注する。




[考察]
親会社(A社)を見ると、子会社からの確定注文(Order)を受領しており、受注に紐づいて発注している為、在庫リスクは無いようにも見えます。

しかし、親会社(A社)と子会社(B社)は利益と損失を所定の割合で分配するよう取引価格を決めていて、在庫が残存した場合の損失も所定の割合で事後的に分配することにしている場合、親会社(A社)は、子会社からの確定注文に基づいて取引している場合でも、最終的には在庫リスクを負担しているようにも見えます。

[結論]
これもケースバイケースとなりますが、監査法人が言う「実質主義で判断しましょう」で考えると、親会社も在庫リスクを負担していることになります。



当社では、取引区分の一次判定は営業部門や子会社が行う為、「こういう場合は一見、在庫リスクは無しに見えますが、在庫リスクが有りとして考えてください」というように、FAQに判断事例を追記して開示しています。

しかし、日々、判断に迷うケースが出てくるので、この基準への対応は走りながら考えて、時には軌道修正しながら対応しなければならないのがまた大変なところですね・・。



[その他本書で参考になった内容]


収益認識基準 第77項
4.契約資産、契約負債及び顧客との契約から生じた債権
77. 顧客から対価を受け取る前又は対価を受け取る期限が到来する前に、財又はサービスを顧客に移転した場合は、収益を認識し、契約資産又は顧客との契約から生じた債権を貸借対照表に計上する。

本会計基準に定めのない契約資産の会計処理は、金融商品会計基準における債権の取扱いに準じて処理する。また、外貨建ての契約資産に係る外貨換算については、企業会計審議会「外貨建取引等会計処理基準」(以下「外貨建取引等会計処理基準」という。)の外貨建金銭債権債務の換算の取扱いに準じて処理する。



収益認識基準 第77項でいう「契約資産」と「顧客との契約から生じた債権」の違い

1.顧客との契約から生じた債権とは?
(勘定科目の表示例:売掛金、営業債権 等)
契約資産の内、対価に対する企業の権利が無条件のもの。つまり、当該対価を受け取る期限が到来する前に必要となる条件が時の経過のみであるものは「顧客との契約から生じた債権」として表示する。

2.「顧客との契約から生じた債権」には該当しない契約資産の例
(勘定科目の表示例:契約資産、工事未収入金 等)
モノ(X ※400円)とモノ(Y ※600円)を合わせて引き渡す契約をしている場合で、取り急ぎ、モノ(X)の引き渡しが完了したものの、モノ(Y)の引き渡しは別のタイミングとなる場合、「契約資産」勘定を使いつつ、別々に収益を認識する。

上記のように、時の経過以外の条件が付いた状態で収益を計上する場合は、一度、「契約資産」を用いて収益(売上高)を計上する。


(1)Xの引き渡し時の仕訳
   契約資産 400  /  売上高 400

(2)Yの引き渡し時の仕訳

   売掛金 1,000  /  契約資産 400
                  売上高 600



・顧客との契約から生じる収益の損益計算書上の表示については、改正収益基準では具体的な表示の指針が示されておらず、適切な科目(たとえば、売上高、売上収益、営業収益等)をもって表示する(改正会計基準78-2項、改正適用指針104-2項)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール
(高橋 佑磨氏、片山 なつ氏著作)

[参考になった事項(1)]
・ワードで文字を大きくすると行ごとの間隔が広くなってしまい不格好になってしまうケースの解決方法
知っている方には今さら感があるかと思いますが、個人的にはこの方法を知れただけでも本書を読んだ価値がありました(^^;)

(1)Before(文字を大きくしたら間隔が広くなってしまった例)
1_convert_20210131163813.png

(2)「1ページの行数を指定時に文字を行うグリッド線に合わせる(W)」のチェックを外し、「間隔」をお好みに調整
4_convert_20210131163846.png

(3)After(行間がちょうど良くなった)
2_convert_20210131163829.png



[参考になった事項(2)]
・余計な要素やノイズを減らすべし(ノイズは理解の邪魔をする)

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民法の契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)に基づく補償義務は、収益認識基準上、モノやサービスの提供とは別の履行義務として認識すべきなのか

1.詳解 収益認識会計基準 (FASFブックス)を読んでみました。

今般は、「詳解 収益認識会計基準 (FASFブックス) 企業会計基準委員会事務局、公益財団法人財務会計基準機構 (編集)」という本を読んでみました。

アマゾンのレビューに以下の通り記載されている通り、計344ページ中、約半分が(ググればネットで入手可能な)会計基準・適用指針で占められていて、さらに約4,000円という金額設定がお値段以上なのかは人によるかと思います。

ただ、本基準・指針の策定にかかわった団体が出した本ということで、一つでも有益な情報が得られればと思い、手に取ってみました。

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2.契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)に基づく保証は収益認識基準上の履行義務になるか

(1)基準・指針の定め(原則)

財またはサービスを顧客に提供する際に、財またはサービスに対する保証を提供する場合がありますが、収益認識基準・指針では、上記保証は次の2つに区分して会計処理することになります。

  ①財またはサービスが合意された仕様に従っていることにより、
    各当事者が意図した通りに機能することを顧客に提供する保証


上記保証に該当する場合、当該保証については企業会計原則注釈(注18)に定める引当金として処理することになります(本適用指針第34項)。保証義務の履行可能性が高く、また、補償額を見積りが出来る場合は製品保証引当金等を計上することになります。

  ②上記①の保証に加えて、顧客にサービスを提供する保証(保証サービス)

上記②の保証を含むサービスを提供すると判断される場合、当該保証サービスは履行義務となり、取引価格を財またはサービスと保証サービスに配分することになります(本適用指針第35項、図表4-22参照)。その為、財またはサービスの提供と同時に、当該保証サービスに係る収益を計上出来ないケースが発生することになります。

本書によりますと、通常の法定の製品保証の場合は、上記(1)の「財またはサービスが合意された仕様に従っていうという保証」に該当するケースが多いと考えられるようです。

一方、家電製品のように、法定の製品保証とは別に代金を追加で支払う保証サービスのような場合は、上記(2)に該当すると考えられるようです。

なお、提供するサービスに対する保証が追加の保証サービスを含むかどうかを判断する際には、適用指針第37項に定める下記(1)~(3)の要因を考慮して判断するようです。


[適用指針 第37項]
37. 財又はサービスに対する保証が、当該財又はサービスが合意された仕様に従っているという保証に加えて、保証サービスを含むかどうかを判断するにあたっては、例えば、次の(1)から(3)の要因を考慮する。

(1) 財又はサービスに対する保証が法律で要求されているかどうか
財又はサービスに対する保証が法律で要求されている場合には、当該法律は、通常、欠陥のある財又はサービスを購入するリスクから顧客を保護するために存在するものであるため、当該保証は履行義務でないことを示している。

(2) 財又はサービスに対する保証の対象となる期間の長さ
財又はサービスに対する保証の対象となる期間が長いほど、財又はサービスが合意された仕様に従っているという保証に加えて、保証サービスを顧客に提供している場合が多く、この場合には、当該保証サービスは履行義務である。

(3) 企業が履行を約束している作業の内容
財又はサービスが合意された仕様に従っているという保証を提供するために、欠陥のある商品又は製品に係る返品の配送サービス等、特定の作業を行う必要がある場合には、当該作業は、通常、履行義務を生じさせない。





(2)基準・指針の定め(例外)

他の本に解説されていましたが、代替的な取り扱いとして、適用指針第93項に定めている「顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合の取扱い」の通り、合意された仕様に従って機能するという保証以外に、保証サービスが追加で提供されると考えられる場合であっても、顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合、当該保証サービスを履行義務として識別しないことが認められる場合があるようです。


適用指針第93項(2)履行義務の識別

(顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合の取扱い)
93. 会計基準第32 項の定めにかかわらず、約束した財又はサービスが、顧客との契約の観点で重要性が乏しい場合には、当該約束が履行義務であるのかについて評価しないことができる。顧客との契約の観点で重要性が乏しいかどうかを判定するにあたっては、当該約束した財又はサービスの定量的及び定性的な性質を考慮し、契約全体における当該約束した財又はサービスの相対的な重要性を検討する。





(3)考察

前置きが長くなりました・・。

上記を考慮しますと、例えば、法定されている製造物責任法(PL)に基づく補償義務や、民法上の契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)に基づく補償義務は、財やサービスの提供とは別に履行義務として認識すべき保証サービスとはならないということになります。

なお、適用指針第37項によると、「財又はサービスに対する保証の対象となる期間が長いほど、財又はサービスが合意された仕様に従っているという保証に加えて、保証サービスを顧客に提供している場合が多」いようです。

そうなると、民法で定めている契約不適合責任の負担期間を大きく超える期間、基本契約書等で補償責任を定めている場合、追加的な保証サービスに該当すると判断される余地が大きくなるのかと思います。

ただ、上記例外規定の通り、重要性の観点から追加の保証サービスの区分をしなくても良いケースもあるようですが、どこまで厳格に適用するのか悩ましいところですね。

製造メーカーのように、特定製品の製造・販売を実施している場合、判定は比較的容易かもしれません。一度判定してしまえばその結果を以後、適用出来ますからね。しかし、私が所属している専門商社のように、多品種のモノを扱っていて、販売先に応じて多種多様な保証義務を定めた(取引先から提示された雛形)基本契約書を締結している会社は上記判断が難しいですね。

なお、専門商社の場合、自社のチョンボで発生した不具合問題については自社負担で補償を行いますが、基本は自社が顧客に支払った補償金などをサプライヤーに求償可能なため(求償可能なことと実際にサプライヤーが補償請求に応じるかどうかは別ではありますが・・・)、製品保証引当金を計上することは稀かと思います。

しかし、追加の保証サービスと判定された場合は、サプライヤーへの求償可能性に関わらず、履行義務として取引価格を配分して収益認識しないといけないんでしょうね。

いずれにしても、当社としては、重要性の観点を盾に保証サービスを認識する予定は無いかと思いますが、同業他社の動向が気になるところです。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
会計処理コンパクトガイド(清陽監査法人著作)

[参考になった事項]
・取得した土地、建物の固定資産税は取得した年の1月1日賦課期日現在の所有者に納付義務があり、購入者が税として負担すべきものではない。購入者の上記負担額は土地・建物を購入する為の対価の一部として扱う。

・リース資産に係る消費税は原則として、仕入税額控除はリース資産引渡しの日の属する課税期間において一括して全額を控除する。

・預託金方式のゴルフ会員権は、債権性よりもプレー権としての性格が重視される為、プレーできれば税務上は評価損を損金算入できない。

・製品保証引当金は損金算入できない

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①書籍「ケース&図解でわかる 収益認識基準の基本と実務」を読んでみました、②決算・開示業務は事前準備が重要という話

1.「ケース&図解でわかる 収益認識基準の基本と実務」を読んでみました。

収益認識基準に関しては今、色々な解説本が続々と出版されており、信頼出来そうな本から順番に読み進めていますが、今般は「ケース&図解でわかる 収益認識基準の基本と実務(有限責任監査法人トーマツ (編集))」という本を読んでみました。

本書では、新しいルールの内容解説について、会計基準・指針の条数や条文本文が参考情報として記載されているのが使い勝手が良いですね。

読み進めるのに時間は掛るとしても、本を読破することが目的ではなく、理解を深めることが目的なので、本書に限らず、法律関係の本を読む際には特に自社に関係する解説項目の該当条文については条文を都度、確認しながら読み進めていきたいものですね。

なお、上記会計基準・指針については下記の企業会計基準機構のHPにてアップされていますのでご参照ください。

https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/accounting_standards/y2020/2020-0331-01.html



2.全ての会計士が収益認識基準に詳しいというわけでは無い

収益認識基準は新しい会計基準であり、他社事例も少ないということで、同様な基準を設けているIFRSの会計監査に携わった経験のある先生は別として、JCPAの先生の中には、本基準について十分理解されていない方もいるかと思います(お前に言われたくないという声がどこからか聞こえてきます・・)。基準・指針の書きぶりが漠然としている項目があり、色々な解釈が可能という側面もありますが。

その為、相談するクライアント側がゼロベースで相談すると、問題がクリアになるのに時間が掛るので、こちら側としても勉強してある程度の事前知識を持った上で、「これは基準第〇条に基づき△△と理解していますが、宜しいでしょうか?」という聞き方で相談したいものですね。



3.決算業務は事前の準備が大事という話

最近、再読した「図解&設例 連結決算の業務マニュアル(飯塚 幸子氏著作)」で解説されていた内容にも通じるものがありますが、連結決算業務に限らず、決算・開示対応には事前の準備や段取りが非常に重要となります。

決算・開示手続上、必要な情報が収集出来ていなかったり、イレギュラーな取引に関する処理方法についての検討が不十分だった結果、決算作業が始まってから追加情報を入手したり、あるべき仕訳について後手後手に検討していると決算手続きが遅れてしまうことになります。

収益認識基準に基づく決算書の開示は、3月決算会社の場合は2022年3月期第1四半期(6月末)終了後となり、まだまだ時間があるようにも思えます(私はそうは思いませんが)。

しかし、2021年6月末を過ぎてから「決算・開示に必要な情報が手元に無い」と慌てないように、必要な情報は何なのか、当該情報を得るには営業部門や各子会社に事前にどのようなお願いをしないといけないのか、期初から業務フローを変更しておく必要ないのか等の検討を早く済ませておきたいものですね。

と、ここまで偉そうなことを言ってきましたが、当社もまだ事前準備が完了しておらず、いまだに、本人取引、代理人取引に関する自社での一次判定結果について監査法人と完全に合意が出来ておらず、まだ調整を進めている状態です・・orz

製造メーカーであれば上記判定は比較的容易かもしれませんが、当社のような専門商社の場合、本人取引、代理人取引の境目が曖昧であり、また、売上高にかかわる項目の為、なかなか折り合いが付きにくいテーマですね。他の専門商社の対応状況が気になるところです。

ただ、業績予想の開示、営業部門の予算策定作業にもかかわってくるので、早く調整を完了させたいと思います・・orz



[本書で参考になった内容]


企業会計基準第29 号 収益認識に関する会計基準

Ⅳ.開 示 1.表 示
78-2.
顧客との契約から生じる収益を、適切な科目をもって損益計算書に表示する。なお、顧客との契約から生じる収益については、それ以外の収益と区分して損益計算書に表示するか、又は両者を区分して損益計算書に表示しない場合には、顧客との契約から生じる収益の額を注記する。


[hitorihoumuメモ]
「顧客との契約から生じる収益『以外』の収益」とは具体的に何なのかを確認して当社の開示項目への影響を要確認




企業会計基準第29 号 収益認識に関する会計基準

契約及び履行義務に関する情報
80-13.
収益として認識する項目がどのような契約から生じているのかを理解するための基礎となる情報を注記する。この情報には、次の事項が含まれる。
(1) 履行義務に関する情報
(2) 重要な支払条件に関する情報

80-14.
前項(1)に掲げる履行義務に関する情報を注記するにあたっては、履行義務の内容(企業が顧客に移転することを約束した財又はサービスの内容)を記載する。
また、例えば、次の内容が契約に含まれる場合には、その内容を注記する。
(1) 財又はサービスが他の当事者により顧客に提供されるように手配する履行義務(すなわち、企業が他の当事者の代理人として行動する



[hitorihoumuメモ]
当社に大きく関係する代理人取引に係る注記事項の記載振りについては早めに監査法人と詰めるべし。




企業会計基準適用指針第30 号
収益認識に関する会計基準の適用指針

136.
第47 項における指標は、特定の財又はサービスの性質及び契約条件により、財又はサービスに対する支配への関連度合いが異なり、契約によっては、説得力のある根拠を提供する指標が異なる可能性がある。また、当該指標による評価は、支配の評価を覆すものではなく、単独で行われるものでもない。

なお、信用リスクについては、代理人であるという判定を覆すために利用される可能性があり、企業が財又はサービスを支配しているかどうかを判定するうえで有用な指標とならない可能性があるため、企業が本人に該当することの評価における指標に含めていない。


[hitorihoumuメモ]
信用リスクは本人取引、代理人取引を判定する上での指標にはならない。



2020年改正収益認識基準の適用初年度においては、適用初年度の比較情報について、新たな表示方法に従い組み換えを行わないことが出来る。

適用初年度においては、基準78-2、79なお書き、80-2から80-27に記載された事項の記載を比較情報に注記しなくても良い。

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
図解&設例 連結決算の業務マニュアル
(飯塚 幸子氏著作)

[(基本的なことですが)改めて心に留まった内容]
・開始仕訳のチェック時には、仕訳内容ごとに利益剰余金期首残高、資本剰余金期首残高等が前期末の当該項目と一致しているかどうかを確認する。

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今年の個人的な抱負・課題(=自分がやった方が早い病を克服する 他)

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

本年も月1~2回位のペースで主に個人的な備忘録を目的として本ブログを更新していく予定です。その記事の中で1つでも読者の方の参考等になるものが有ればいいなという軽いスタンスで細々と続けて行きたいと思います。

さて、昨年(2020年)の個人的に大きな出来事としては、年の中頃に私が財務経理部門の責任者となったことです。その時に私の心境としては、最近、急に思い立って全巻を読んだ幽遊白書的に言えば以下のような感じです。

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※私の場合、3年間の期限付きというわけではありませんが・・。

異動が決まった時点で個人的な決意を下記の記事の通り書き留めていましたので、今、久しぶりに読み返してみました。


この度、財務経理部門の責任者になりました(プレイングマネージャーから管理者へ転換する上での心得等)
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-662.html


上記決意の内、


(1)早死にしたくなければ「自分でやった方が早い」病は早く治療しないとマズイ



というものがありましたが、この点についてはまだまだ十分に出来ていない点なので、引き続き、この点を今年の課題として取り組んでいこうと思います。まだまだプレイヤーの仕事に手を出しちゃっている部分あるので、この時間をもっと意識して少なくしていこうと思います。

そもそも、私の場合、「自分がやった方が早い病」というよりは、「ややこしい仕事の場合は特に、部下に事情を説明して仕事を振るのが面倒だから、自分でやってしまおう病」という側面もあるので、早くこの病を克服してスムーズに仕事が流れる仕組みを作っていきたいと思います。

あまり具体的なことは書けないですが、コロナで業務が非効率になっている等、色々な制約(=克服すべき課題)がある中、一部の人に仕事が偏らないようにしつつも、全体のバランスを見ながら各人の特性を考えてどんどん仕事を人に振っていこうと思います。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
幽・遊・白書 完全版 全15巻・全巻セット (幽・遊・白書 完全版)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
ヤバい決算書(長谷川 正人氏著作)

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<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
Google流資料作成術
(コール・ヌッスバウマー・ナフリック氏著作)

[参考になった事項]
・プレゼン資料の作成に着手する前に、コンテキスト(相手は誰か、
何を知ってもらう必要があるか、どのように伝えるか、
どのようなデータが必要か)を明確に理解する。

・不必要な要素を取り除くべし。白いページに何かを追加するたびに、
理解する為の認知的負荷を相手にかけることになる。

・解読させるのではなく理解させるべく、全てのビジュアル表現には
ラベル、タイトルをつける。

・エグゼクティブサマリーを作成して冒頭に持ってくることで、
各スライド間のロジック、ストーリーが資料全体を通して明確になっていることを
チェックすることにも役立つ。

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hitorihoumu

Author:hitorihoumu
41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

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