管理職は、本来、部下が対応すべき仕事に自ら手を出すことで、部下の成長機会を奪ってはいけない

以前、財務経理部門の責任者になった際に下記記事を書きました。


この度、財務経理部門の責任者になりました(プレイングマネージャーから管理者へ転換する上での心得等)
http://hitorihoumu.blog47.fc2.com/blog-entry-662.html



上記記事の中で、いくつか抱負を書き上げましたが、


(1)早死にしたくなければ「自分でやった方が早い」病は早く治療しないとマズイ



というポイントについて、最近、再認識させられた事態がありました。

管理職の仕事は、本来、部下の進捗管理や部内や他の部門との調整業務がメインの仕事となります。そのような中、管理職が上記管理業務を疎かにして担当者がやるべき細かい業務に自ら集中してしまうと、部全体の業務の進捗が停滞してしまい、また、部下のアウトプットをチェックする時間が削られる結果、その質も低下してしまいます。

また、「部下の為」を考え、部下の手間・残業時間を減らそうとして、各部門からの依頼等により新規に発生した、ややこしい難解な相談毎に管理職が自ら手を出して対応してしまうと、部下は確かに物理的には楽になるものの、部下が上記業務に携わっていれば得られたはずの知見が得られず、私ばかりに知見が溜まり、部下の成長機会が阻害してしまうデメリットがあることは、これまであまり考えていませんでした。

まだまだ担当者の意識が抜けていませんでした orz
管理職になった際に抱負を立てたはずでしたが、上記考え方は常に意識していかないと、また、一担当者レベルに逆戻り(リバウンド)してしまいますので、注意していこうと思います。

今後は、他部門からの簡単なメールや電話での相談対応一つにしても、「これは今、私が対応すべき仕事なのか」と考えるようにして、基本的にはどんどん部下に仕事を振って、管理職として管理業務に専念していこうと思います。ただ、「業務を振る」=「丸投げ」ではダメなので、進捗管理をしっかりしつつ仕事を振るようにしていきたいと思います。

以上、超個人的な備忘録を書き留めておきました。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
退職給付会計の経理入門(第2版)
(有限責任監査法人トーマツ (編集))

本書では、退職給付会計の実務で使用するワークシートをどのように作成すればいいのか詳しく解説されておりました。私の所属会社でも本書と同じようなワークシートを作成して対応しており、上記シートの構成に対する理解がより深まって良かったです。

なお、「~経理入門」というタイトルではありますが、退職給付会計については全くの初心者の方だと頭に入ってこない難易度となっています。

上記のような方には、下記書籍で読んでざっくりと退職給付会計のイメージを掴んでから上記書籍に進むのが良いかと思います。と初心者に少し毛が生えた私がコメントしてみました。


[退職給付会計をざっくり理解したい方にお勧めな書籍]
退職給付会計のしくみ(第2版) (【図解でざっくり会計シリーズ】)

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最後に、当社でも計算の際に採用していて、本書でも説明されていた割引率に関する補正方法「線形補正方式」の計算式の意味するところの理解がいまいち乏しいので、人に説明出来るレベルになれるよう、他の書籍にも当たる等して理解を深めていこうと思います。

[本書で参考になった内容等]
退職給付債務自体をBSの負債の部に計上し、年金資産自体をBSの試算の部に計上すべきとの意見もある。しかし、現行の退職給付会計では、年金資産は退職給付の支払いのためのみに使用されることが制度的に担保されているため、上記資産を一般の資産と同様にBS計上することはかえって、財務諸表の利用者に誤解を与えるおそれがある
(会計基準69項)として、NET表示するルールになっている。

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決算発表が早い企業ほど、事前準備を徹底して実施している(まさに段取り八分、仕事二分)

今般は、「決算・監査コストの最適化マニュアル」(浅野 雅文、武田 雄治 著作)という本を読んでみました。

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色々と参考になった箇所がありますが、個人的には、「決算発表が早い企業ほど、事前準備を徹底して実施している。」というのが、基本的な話ではありますが一番、心に響きました。

決算時期よりも前に対応出来ることは予め済ませておかないと、ただでさえ忙しい決算時期に色々とやろうとしても掛けられる時間も少ない中、業務の精度も落ちますので、昔から言われる「段取り八分仕事二分」とはまさに決算業務にこそ通じる話ですね。

人が少ないことを言い訳にする前に、事前準備が十分かどうかを考えたいものですね・・。
特に、収益認識基準への対応等、従来にはない新しいことを行う場合は特に、事前の準備を大事にしたいものですね。



[その他、本書で参考になった内容等]
・監査法人をコロコロ変えている企業は、「監査リスクが高い、筋の悪い企業」とみなされ、監査法人側から契約を拒否される監査難民化してしまうリスクがある。

・内部統制評価で、「やるべきこと」と「やらなくてもよいこと」の取捨選択が曖昧になっており、監査法人からは、不要な項目は指摘を受けず、不足している分は監査手続の厳格化の名目のもとで指摘されるので、追加作業が要求されるという、ぜいにく体質の会社(内部統制地獄にハマった会社)となっていないか要注意

・監査法人は、クライアントが監査上、不要な対応をしていたとしても、積極的にこの手続きは不要です、対応しなくてよいです、とは絶対に言わない。

企業の担当者自身が内部統制のルールを理解していないと、監査法人に指摘されるがまま知らず知らずの内に無駄な作業が肥大化してしまう。

・「やるべきこと」をやらず、「やらなくてもよいこと」を一生懸命にやっていないか。
 「やらなくてもよいこと」を効率化しようとしていないか。
 本来は、「やらなくてもいいこと」を止めて、「やるべきこと」を効率化すべき。

・前期末と当期末の2期比較だけでは、「異常値に対する正常値」と「正常値に対する異常値」が分かりづらい為、分析の精度が下がる。出来れば3~5年のデータを並べて分析すべき。

・分析は決算や監査が終わってから事後的、形式的に実施しても意味はない。単体試算表、連結精算表が出来た段階で実施しなければならない。

・分析する場合は、財務データを性悪説的に見るべき。仮説に対して事実(エビデンス)を収集して仮説が合っているかどうかを検証すべき。

・J-SOX制度においてフォーカスすべきリスクは、財務報告の信頼性に係るもの。
 「支払を誤るリスク」、「請求が漏れる・誤るリスク」、「貸倒れが生じるリスク」は
 一見、「財務報告に係るリスク」のように見えるが、実際は、ビジネスリスク。

一見、「財務報告に係るリスク」のような「ビジネスリスク」を排除して、財務報告の信頼性に係るリスクを過不足なく識別することが必要。

・内部統制報告制度はリスクマネジメント業務。思考回路の順番として意識すべきは
 「どのようなリスクが有るか?」
「そのリスクは何かしらのコントロールでカバーされているか?」。

 「コントロールが無いからリスクがある」のではなく、「リスクがあるからコントロールによってリスクを低減すべき」点は常に留意すべき。

・内部統制ではない単なる業務を内部統制(コントロール)として識別し、評価しているケースが見受けられる。リスクに対する低減効果がないものを一生懸命評価しても無駄な努力以外の何物でもない。コントロールではないものをコントロールとして識別、評価しても意味ない。



<超個人的な備忘メモ(最近、読み終わった本)>
50の英単語で英文決算書を読みこなす
(齋藤 浩史、伊藤 勝幸 著作)

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Author:hitorihoumu
41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

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