違和感を単なる違和感で終わらせてはいけない 他

1.上海でロックダウン開始後、1か月を経過しようとしています・・。

今、私がいる中国上海の浦西地区では2022年4月1日からロックダウンが開始されましたが、4月6日に終了するはずが、多くの感染者が発見されて減少に向かわないことから解除される気配は全く無く、政府からの正式な終了時期の案内は何も出てきません・・。今の状況を考えると5月末までは解除されないというのが専らの噂です。

コロナの陽性者が最近、急激に増えているというよりは、無症状の潜在的な感染者がロックダウン期間中の一斉PCR検査で顕在化されただけかと思います。よく考えれば、ロックダウンして一斉検査をし始めたら上記状況になるのは十分考えられた話ですので、1週間のロックダウンでは済まないだろうと想定して、もっと食材等を買い込んでおけばよかったです・・。

幸い、食料は同じマンションの住民による共同購買を利用したり、会社や同僚が物資を送ってくれたり、マンションか政府からの差し入れがあるので、今のところ問題はないのですが、野菜がやたら配布されるので冷蔵庫に入りきらない状態です・・。野菜もありがたいのですが、カレーやらシチューのルーとか、野菜を消費出来る物も一緒に支給してくれると嬉しいな・・。



2.違和感を単なる違和感で終わらせてはいけない

こんな中、今回は、「Q&Aによる中国子会社の不正リスク管理と現地化の為の人事制度及び内部監査の留意点(コンサルタントによるコンサルタント選定の為の注意点解説)(齊藤和昇氏著作)」という本を読んでみました。

1_convert_20220424174940.jpg

早速ですが、本書で心に留まった箇所を以下の通り抜粋させて頂きます。


1.現地の商習慣の認識と対応

郷に入っては郷に従えという諺がありますが、これを逆の意味で使われ、中国ではこれが普通ですと現地の人に言われると、その理由や正当性を正確に理解しないまま、納得してしまう日本人駐在員が多いのも事実です。その様な場合には、なぜそれが普通なのか、何故正当化されるのか等、日本で行ってきたビジネス上の常識を根拠に自分で理解できるまで質問することが必要です。その上で現地では何故その様な対応が行われているの、或いは何故正当化されているのか等を考えることにより、現地で起きている一定の自称に対するコンプライアンス上、内部統制等のより適切な対応が可能となってきます。


中国法人に赴任した後、詳しいことは書けませんが、何でこの運用をしているんだろう、とか、これまでの経験や知見からしてありえない運用だなというケースに遭遇することがちょいちょいあります。不正ではないものの、何となく理解出来ないというか、腹に落ちないというか、何かがおかしいと感じることがあります。

その際、「中国ではこれが当たり前なんです」、「昔からこの方法で対応しており、問題が発生していないので問題ありません」というような回答が返ってくることがありますが、よくよく確認してみると、やはりオカシイし道理に合わないということで運用を変えて貰ったこともあります。

別に重箱の隅をつつくような行為はしたくありませんが、今までの自分の経験や知識を基に考えた結果、はっきり言えないけど違和感を感じた場合には、その違和感を大事にして、腹に落ちるまで確認するようにしたいですね。曲がりなりにも、20年近くビジネスをしているので、その経験から来る違和感は、あながち単なる勘違いだけではないはずです。

現地スタッフに色々と突っ込んだ質問をしていると、人によっては面倒そうな態度をされて、一瞬、ひるみそうになることもありますが、この場で潜在的な問題を見過ごした場合、後でもっと面倒なことになるという気持ちで、理解が出来るまで確認を進めていきたいと思います。スタッフとの衝突を避ける為に安易に引き下がった場合、この日本人はコントロールしやすいなと思われて舐められても困りますしね、

確認した結果、単なる違和感で終わればいいですが、問題の種を見過ごさないようにしたいと思います。



3.本書で紹介されているいくつかの不正事例

上記書籍は下記目次で構成されており、下記の13の不正事例が紹介されていました。

どの事例も極めてレアな事例ということでも無く、不正のトライアングルが揃えばどの会社でも起きえる事例かと思います。

今年から中国法人に異動になって、再度、コンプライアンス関係も受け持つことになったので、下記の事例も参考にさせて貰いながら、地道に研修の実施と不正の起きない仕組みづくりを進めていこうと思います。


[本書で紹介されていた事例]
①販売部門における架空販売の不正事例
②経費精算における不正事例
③調達担当者が業者に不要な部品を正規品に混入させ請求させた事例
④共謀による工場消耗品調達に関する不正事例
⑤材料購買プロセスにおける不正事例
⑥契約書を偽造し取引の正当性を繕うと知多事例
⑦調達担当者・管理者への業者からの種々の働きかけの事例
⑧加工業務における他社品を使った不正加工事例
⑨在庫の管理体制の不備を突かれた事例
⑩廃棄物処理に関わる不正
⑪税務局員への不当な廉価販売の事例
⑫会社印鑑の無断使用の事例
⑬銀行営業担当者の預金獲得営業に対する対応の事例



[本書目次]
第1章 中国における不正事例と不正環境概観
第2章 中国における不正事例の紹介
第3章 中国における不正リスク評価支援の提案事例
第4章 中国における現地化促進の為の人事制度の確立と不正リスク管理
第5章 内部監査の留意点(不正のリスク評価の観点から)
第6章 補論
地域統括会社(RHQ)の設立とシェアードサービスセンター(SSC)活用の際の留意点



スポンサーサイト



カレンダー
03 | 2022/04 | 05
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

hitorihoumu

Author:hitorihoumu
41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: