書籍「とにかく仕組み化-人の上に立ち続けるための思考法」を読んで

1.書籍「とにかく仕組み化-人の上に立ち続けるための思考法」を読んで

今回は、アマゾンや各所の紹介欄で目にする機会が多い「とにかく仕組み化-人の上に立ち続けるための思考法」という本を読んでみました。


 [目次]
 第1章 正しく線を引く―「責任と権限」
 第2章 本当の意味での怖い人―「危機感」
 第3章 負けを認められること―「比較と平等」
 第4章 神の見えざる手―「企業理念」
 第5章 より大きなことを成す―「進行感」
 終章  「仕組み化」のない別世界

tonikaku_sikumi_convert_20230826150543.jpg



早速、本書で心に留まった箇所を抜粋させて頂きます。


「なぜミスをしたんだ?」と“個人”を責めるか。

「どうすれば防げたのだろう?」と、“仕組み”を責めるか。

その一瞬の判断だけで、あなたの行く末が決まる。



「あの部長のせいだよね」
「あの新人が育たないだけだよね」

と、同僚とグチをいうだけで終わっていないだろうか。


よく考えれば当たり前の話ではありますが、人間誰しもミスをするものであり、また、優秀な人がずっと会社にいる保証はないという前提で会社の組織・仕組みづくりをしていかないと、安定的な組織運営は出来ないですね。

上記の真理に目に向けないようにして、もしくは気づかずに、問題が起きたら人のミスを指摘して終いにしたり、この部署には優秀な人がいない・人が足りないと嘆いても問題の解決はしないでしょう。目の前に見えている問題が問題の全てと考えず、トヨタの問題解決方式である「なぜなぜ分析」を通じて、問題の本質の掘り下げが必要になりますね。



2.私の事例(属人化の排除に向けた取り組み)

今の私の所属組織は、一応、東証一部上場の子会社ではありますが、社員は100名程度の小規模法人ですので、至る所に属人化された業務が存在しています。

また、(重要なキーパーソン)社員の定年問題・後継者育成問題も控えています。

各種業務を洗い出して、一人でしか対応できない業務が無いようにジョブローテーションを行い、一人が抜けても仕事が回る仕組みを作ろうとしています。また、社内にそもそもローテーションが出来る人がいないし、採用も予算的に出来ない場合は、外部委託する選択肢も考えて、急にキーパーソンが退職をしても安定的に仕事が回るような組織作りを進めています。ただ、まだ現在進行形であり、上記課題は山積みです orz

なお、現在、私に与えられたコーポレート駐在員としてのミッションは、私が直接的に所属している法人の改善だけでなく、私のようなコーポレート出向者のいない、さらに小規模の他のグル-プ会社にあるコーポレート業務も安定的・円滑に回るような仕組みを作ることも含まれています。

更に小規模のグループ会社法人では、業務が属人化されているケースが多く、重要なキーパーソンが抜けた場合でも問題が無く仕事が回るよう、他のグループ会社がバックアップ出来る体制を作っていくのはなかなか難しいものです。

他のグループ会社をバックアップすることを前提として、余剰人員を常に抱えていくほどの余裕もありませんが、横串のサポートがし易いように、各種法人毎にバラバラしている業務の標準化を進めたり、マニュアル化を進めたり、最終的には統括会社やシェアードカンパニーを作ることも視野に、将来(3年後、5年後)の絵を書いてみようと思います。

後4年後位には私は日本に帰任する計画にはなっていますので、良い置き土産が出来るよう、仕組化を頑張りたいと思います。



3.卑近な例(中国語の勉強を仕組化)

最後に、本書で参考になった内容を備忘の為に以下に抜粋させて頂きます。


自らの手で仕組化を替える側の人になる必要がある。

「性弱説」に基づいて仕組化をしないといけない。
組織は放っておくと属人化していく。属人化に甘えてはいけない。

「簡単な行動」と「続けられない習慣」を結びつける発想が必要

「優秀な人」がいることが、「優秀な組織」ではない。
「優秀な人が不在でも、チームとして機能することで勝てる組織」が優秀な組織

「誰が担当しても同じパフォーマンスを出すことができる」という仕組みが必要

決裁権限の社内ルールに定めの無い既得権益は排除しないといけない。
「そんな話、私は聞いていない」と主張してくる、正当な権限を持たない人を
無くさないと社内は混乱するしモチベーションが上がらない。


仕事以外で、本書を読んで参考になり、実行に移した卑近な例としては、「通勤」と「犬の散歩中」は中国語の勉強を行うこと、というマイルール(仕組み)を作り、学習の習慣化をしたことです。もう2ヶ月くらいは継続出来ています。

(継続し難いけど継続したい)何かを継続化するのであれば、どうすれば習慣化(仕組化)出来るかを考えるといいかもしれませんね。

  「通勤」    → 「中国語の勉強」
  「犬の散歩」 → 「中国語の勉強」

2週間程度で、上記のシンプルな図式が頭の中にインプット出来た後は、そういうものだということで、特に苦も無く取り組みが出来ています。

上記図式通りに進めないと、なんだか気持ちが悪いという感情が出てくればしめたものですので、毎日のジョギングでもなんでも、良いことの習慣化であれば、とりあえず2週間は継続してみましょう。
スポンサーサイト



1.「伝わる経理のコミュニケーション術~ストーリー形式で楽しく身につく!調整力/プレゼン力/対話力」を読んで

1.「伝わる経理のコミュニケーション術~ストーリー形式で楽しく身につく!調整力/プレゼン力/対話力」を読んで

今般は、「伝わる経理のコミュニケーション術~ストーリー形式で楽しく身につく!調整力/プレゼン力/対話力(白井 敬祐氏著作)」という本を読んでみました。

tutawaru_convert_20230819113243.jpg

本書は、同著者による「経理になった君たちへ」のシリーズ本となるようです。当該書籍については下記記事に個人的な感想等をUPしています。

書籍:「経理になった君たちへ」を読んで
投稿:2022年8月27日
https://hitorihoumu.blog.fc2.com/blog-entry-716.html


「伝わる経理のコミュニケーション術」の目次がアマゾンに掲載されていましたので、抜粋させて頂きます。


11_convert_20230819113611.png
  22_convert_20230819113633.png

上記目次からも分かりますが、本書を読んでみますと、一見、ビジネスパーソンであれば当り前のことが書かれており、奇抜なコミュニケーション術は記載されていません。しかし、その当り前のことが当たり前に出来ていないからこそ、至る所でコミュニケーション不全が起きているのでしょう。

経理パーソンだけでなく、通常のビジネスパーソンにも参考になる箇所はありますので、一読されてはいかがでしょうか?



2.個人的に参考になった箇所

本書では個人的に参考になった箇所がありましたので、その概要を箇条書きで記載にさせて頂きます。

・「あるべき」論だけを振りかざしても周りの理解を得られていなければ話は進まない
 調整業務のプロセスが重要

・根回し = 会議でのサプライズを事前に無くすこと

・些細な言葉遣いにも態度は現れるので注意が必要


 [hitorihoumuメモ]
本書では良くない例として、「子会社に依頼文書を"まく"」という表現が紹介されていました。「"まく"という表現からは人間が動物にエサやりをするかのような、リスペクトに欠ける印象を受けます。」ということです。

同じような表現例として、私の所属会社(特に本社)で良く見聞きするのは、「営業部門、子会社に依頼事項を”投げる”」という表現です。

日本本社に勤務していた時代、コーポレート部門の若手スタッフが、営業部門の偉い役員がいる中で、「営業部門に〇〇の作業依頼を既に投げています」と発言している人がいて、ヒヤヒヤした記憶があります。

この言葉を発した本人としては、決して依頼先をリスペクトしていないわけではなく、みんなが使っているから使ってしまったのだと思いますが、変な誤解を与えて自分の印象を下げないように、この手の表現は控えたいものですね。

これを機に、この手の表現一覧をこちらに記載してみようと思いましたが、他に思いつかなかったのでやめておきました・・orz




3.「安易なIT化はやめろ」

上記以外に、本書で心に留まった箇所がありましたので、少し長いですが抜粋させて頂きます。


「安易なIT化はやめろ」
最近はやたらDX(Digital Transformation)という言葉が流行っていますが、経理部でもその流れに乗ってIT化だ!デジタル化だ!と盛り上がっているという話を各方面で聞きます。その流れで誰かがこのように発信するでしょう。「よし、今のシステムを入れ替えよう」「とりあえずシステムを導入しよう」ってね。皆さんの周りの上司や役員がこのようにいっていることと思います。

筆者は経理業務のIT化自体はめちゃくちゃ大賛成なのですが、手段と目的を履き違えたIT化は本当に大嫌いです。本来ならば「業務を改善する」ことが目的であり、システム変更や導入はその手段であるにもかかわらず、DXという言葉が先行し過ぎて、「システムを入れ替える/導入する」ことが目的となっている場合があります。実は既存のシステムでも業務改善は可能である場合がほとんどです。システム変更や導入をすれば派手に見えて聞こえがいいので、会社に良い評価をされたいがゆえに提案している人も中にはいるでしょう

(以下、省略)



上記の通りですね。本来は「業務改善や業務の効率化」が目的であるはずが、いつのまにか「DX化」が目的化してしまった結果、お金は掛けたけどユーザーの手間が増えるだけ、という結末は悲劇ですね。



4.現時点での中国における経費精算システムの導入は妥当か?(メリット・デメリット等)

経理業務に関して「安易なIT化はやめろ」という観点から考えると、今、私が所属している中国法人において検討している経費精算システムの導入は、果たして妥当なのかどうか、よく考える必要があります。個人的には、下記理由により導入は時期尚早と考えています。

本社には「今期、経費精算システムの導入を検討しています!」と伝えているので、そろそろ、導入をペンディングにしますとのプレゼン資料を作らないとな・・。

(1)日本の場合
ご承知の通り、日本においては、電子帳簿保存法が改正されたことにより、所定のルールに基づいて領収証の画像データを電子的に保存しておけば、領収証の原本は破棄してもOKになりました。

その為、日本においては経費精算システムを導入すれば、経費精算をする人(主に営業部門の人等)、精算を受け付ける経理部門の手間、書類の保管費用・保管工数が大幅に削減されることになる為、今回の法令改正を機に、上記システムを導入した会社は多いかと思います。私の所属会社の日本親会社も、某大手のクラウドサービスを導入して、業務の効率化を図っています。

(2)中国の場合
一方、中国の場合、日本の電子帳簿保存法のような法令はなく、紙で領収証(中国でいうところの発票)を保管しなければならないルールになっています。スマホでスキャンしたら領収証は捨てても良い、とはなっていません。

また、一部の大手都市では、領収証(中国でいうところの発票)の電子化を促進していて、紙ではなく電子データで発票が発行・受領するケースも増えています。しかし、中国全体でいうとまだまだ、紙で領収証を受領するケースの方が多い状態です。

さらに、中国の会計ルール上、会計伝票も紙で保管しないといけません。

その結果、経費精算の申請者・受付者は、以下のような処理フローとなり、特に申請者における大きな業務の効率化は進みません。


[経費精算の業務フロー]
1.経費精算システム導入「前(before):現在の当社プロセス」

 (1)申請者はエクセルで下記のような経緯精算申請書を作る

   ※私が会社から身バレしないように、私の所属会社の書式ではなく、
    ネットで拾った経費精算申請書のサンプル画像を使っています。
    当社の場合は、上記サンプル申請書の記載項目の他に、
    「勘定科目」、「通貨」、「精算為替レート」等の入力項目もあります

  keihiseisan_convert_20230819113649.png


 (2)領収証等の精算証憑(エビデンス)を白い紙に糊付けして、
    上記(1)で作った申請書の表紙として添付して経理部門に提出
    (別オフィスに所在の場合は郵送)

 (3)上記申請書を受領した経理部門は、申請書の内容と領収証の内容が
    一致していることを確認後、会計基幹システムに申請書の内容を
    手で入力して記帳し、支払申請に進む




[経費精算の業務フロー] 
1.経費精算システム導入「後(after)」※想定

 (1)領収証をスマホでスキャンして、当該PDFファイルを経緯精算システムに登録
   OCR機能を使えば、システム側が領収証の内容をシステムに
   自動入力してくれる為、申請書の手入力の手間は無くなる。
   但し、OCR機能の精度は100%ではないので、誤入力が無いかを確認してから
   オンラインで提出する必要がある。
   どうしても手入力の手間は発生する。

 (2)領収証等の精算証憑(エビデンス)の原本は、経理部門で必要となる為、
   上記システムで作成した表紙をプリントアウトした紙か、
   申請番号を記載した書面等と合わせて、領収証の紙一式を経理部門に送付する。

 (3)経費精算申請者がシステムに情報を登録してくれるので、
    経理部門ではシステムに手入力する必要は無くなり、
    営業部門から送付されてきた領収証のエビデンスを確認の上、
    経費精算システム上で入力内容を確認した後、
    当該システムデータを会計基幹システムに流し込んで記帳して、支払申請と進む



こう書いてみると分かりますが、経理部門の手間は、少しは減るかもしれません。

しかし、日本のように、書類の保管工数・費用の削減にはつながらず、更に、経費精算システムのメインユーザーである、営業部門の方の大きな工数削減にはつながらないことが分かります。むしろ、スマホで写真を撮ってアップロードして申請する必要があることを考えると、トータルでは申請者の手間は増えるかもしれません。

OCRによる入力も、手直しをする手間を考えると大きな効率化にはつながらないでしょう。



5.他社(中国法人)での経費精算システムの導入事例の検討

各種クラウドサービスを提供しているサイボウズ社(Cybozu)の下記HPに、帝人(テイジン)の中国法人である帝人(中国)投資有限公司にて、サイボウズ社の提供しているクラウドサービス[kintone(キントーン)」を導入したことで、経費精算に関する統制強化を図った事例が紹介されています。

https://www.cybozu.cn/jp/product/kintone/case_teijin.html

上記HPにも記載の通り、経費精算システムの導入により、経理・財務部門は手作業による入力の手間が削減されて、また、申請・承認プロセスがシステム化されて内部統制が強化されるメリットはあるでしょう。

また、上記HPには記載はありませんが、システム化を導入することで、同じ領収証(中国でいう発票)を使って経費精算をしようとする不正行為もシステム側で検知でいますので、上記のような不正防止効果もあるでしょう。

しかし、上述の通り、営業部門の大きな工数削減にはつながらない限りは、お金を掛けてまでシステムを導入することに対する社内理解を得ることは難しいでしょうね。



6.結論(業務の効率化が主目的であれば、中国での経費精算システムの導入は時期尚早)

今回、経費精算システムの導入に向けて、日系・中国系を問わず、複数社のベンダーから話を聞きましたが、その中の某大手ベンダー担当者に本音を聞くと、ぶっちゃけた話、業務の効率化をメインの導入目的とするのであれば、中国全土で領収証(発票)の電子化が浸透する数年後から導入を進めた方が良いですねと、正直ベースのアドバイスを貰いました。

ただ、手間の削減は別として、承認プロセスを電子化して統制強化を図ることが目的であれば、今直ぐ導入することは検討に値するかもしれません。

長くなりましたが、システムを入れてDX化をする際に、何を達成目標にするのかをよく考える必要がありますね。そうしないと、「我が社でもDX化が出来ました!」本社で役員向けにPRできただけで、ユーザーからの白い目にさらされることになるでしょう・・。



(注)本記事の内容は私自身の見解であり、必ずしも所属する企業や組織の立場、意見を代表するものではありません。
カレンダー
07 | 2023/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
プロフィール

hitorihoumu

Author:hitorihoumu
41歳 男 二児(+柴犬)の父
主に週末にブログを更新する予定です。
今、中国(上海)で駐在員生活をしています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセスカウンター
検索フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: