書籍:「世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編(とく氏著作)」を読んで 他
1.書籍「世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編(とく氏著作)」を読んで
今般は、「世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編(とく氏著作)」という本を読んでみました。
私の所属している会社では以前よりSAPをERPとして導入して運用を進めていますが、これまでSAPを体系的に学んだことが無く、自分が対応する業務領域についてOJTにて部分的に学んだだけの為、業務の参考になればと本書を手に取ってみました。
本書は上記目次の通り、SAPの概要からSAP導入プロジェクトに至るまでの全体像について、SAPコンサルの「とく氏」が、架空のピザ屋さんを例に挙げながら分かり易く解説してくれます。
なお、著者の「とく氏」は、「SAPコンサルブログ(SAPコンサルのためのスキルアップメディア)」というブログも運営されており、SAPコンサルを目指す方やSAPユーザー向けに、「SAPのノウハウ」、「コンサルのスキルアップ方法」、「SAPコンサルのキャリア」を解説してくれていますので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。
https://tokulog.org/
2.システム導入時には業務改革(ERP標準への適応)も必要となる件 等
早速ですが、本書で個人的に参考になった箇所の概要・ポイントを、個人的な備忘として記載されて頂きます。
「プラント」
在庫情報を管理する組織。プラントにて在庫数量・金額を把握出来る。
「品目マスタ」は「プラント」をキーにして設定していく。
「購買条件マスタ」
「購買条件マスタ」=「価格マスタ」のこと。
「購買条件マスタ」では単価だけでなく、値引き、運賃等を設定可能の為、「価格マスタ」とは言わず「購買条件マスタ」と呼ぶ。
「システム導入時に業務改革も必要な理由」
SAPのようなERPを効率かつグローバルに有効活用していくには、部分最適された業務をERP標準に変えていく必要がある。ERPの導入プロジェクトは、単なるシステム導入プロジェクトではなく、業務改革プロジェクトもセットで考える必要がある。
ERPを導入する時に、アドオン開発を追加で行わずに、業務内容をERPの標準機能に合わせていくやり方を「Fit to Standard」(F2S)という。システム導入時は、システムの標準フローに合わない実務がある場合、「アドオン開発」か「F2S」が必要となるが、当然、「F2S」の方がシステム導入費用は低く抑えられる。
グループ共通のERPの導入により、経営層は、経営判断に必要なデータを即時に収集・確認することが出来るメリットがある。ユーザーとしては、システム導入に伴い業務が単純に楽になると考えがちであるが、必ずしもそうなるとは限らず、むしろ「F2S」を伴う場合、従来のやり方と比べて追加の業務が発生して、現場だけ見るとメリットにはならない場合もある。会社としては、全体最適の為の業務標準化の必要性を説明してユーザーの理解を得ながら、プロジェクトを進めていく必要がある。
3.品目マスタの入力項目の定期的な棚卸が必要な件 他
SAPに限らず、ERPでは、各種マスタの管理がキモとなります。マスタの管理が適当・杜撰だと、せっかくERPを入れても上手く実務が回らず、本来の目的であった必要な情報が即時に手に入らないことになってしまいます。
ややこしいのは、SAPの品目マスタにある多数の各種入力項目の内、「プラント依存の項目」(プラント毎に入力可能。プラントAが入力した内容は、プラントBの品目には影響しない)のものと、「プラント依存ではない項目」(プラントAが入力した内容が他のプラントの品目にも上書きされて適用される項目)が混在していることです
その為、品目マスタで新しい入力項目の追加の運用を進める場合、上記を良く確認してから動かないと他部署に怒られてしまいます(経験者は語るorz)。特に、SAPから出力される帳票(注文書、納品書等)に表示される項目を新しく使用したり、使用方法を変更したりする場合は、IT部門と良く相談してから使用するようにしましょう。というか、IT部門が全体を管理すべきですね。
なお、SAPに限らず、ERPを導入して数年実務を回しますと、品目マスタには、使っているのか使っていないのか良くわからない入力項目が出てくるかと思います。
その為、定期的に入力項目の棚卸をしていかないと、限りある入力項目を有効活用出来ず、新しい法令対応等で新しい項目を増やしたい際に、ちゃんと定期的に整理していれば追加費用の発生無く項目の追加が出来たはずが、お金と時間を掛けてアドオン開発することになってしまいます。
また、各部門が好き勝手に入力項目を使ってしまう結果、情報が偏在したり、ゴミのような情報が溜まっていく結果、全体最適になっていないケースがありますので、品目に限らず、各種マスタの入力については会社としてしっかり統一的なルールを設けて厳格的に適用していくようにしたいものですね。
当社グループの今後の課題としては、品目コードのルール統一化です。各営業部門(プラント)が好き勝手に品目コード名を登録している結果、無法地帯となっていますので、いつかはルールの統一化を図りたいと思いますが、この道は険しそうです・・。
今般は、「世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編(とく氏著作)」という本を読んでみました。
私の所属している会社では以前よりSAPをERPとして導入して運用を進めていますが、これまでSAPを体系的に学んだことが無く、自分が対応する業務領域についてOJTにて部分的に学んだだけの為、業務の参考になればと本書を手に取ってみました。
[目次]
第1章 SAPってなに?
第2章 会社の業務を知ろう!
第3章 SAPモジュールってなに?
第4章 材料の仕入れとモノの管理をしよう---MM(調達・在庫管理)
第5章 ピザを作ろう---PP(生産計画・管理)
第6章 ピザの注文受付とピザの配達をしよう---SD(販売管理)
第7章 店舗のお金を管理しよう---FI(財務会計)
第8章 店舗の経営状況を分析しよう---CO(管理会計)
第9章 モジュール間の業務のつながり
第10章 SAP導入のポイント
第11章 SAP導入プロジェクト
本書は上記目次の通り、SAPの概要からSAP導入プロジェクトに至るまでの全体像について、SAPコンサルの「とく氏」が、架空のピザ屋さんを例に挙げながら分かり易く解説してくれます。
なお、著者の「とく氏」は、「SAPコンサルブログ(SAPコンサルのためのスキルアップメディア)」というブログも運営されており、SAPコンサルを目指す方やSAPユーザー向けに、「SAPのノウハウ」、「コンサルのスキルアップ方法」、「SAPコンサルのキャリア」を解説してくれていますので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょうか。
https://tokulog.org/
2.システム導入時には業務改革(ERP標準への適応)も必要となる件 等
早速ですが、本書で個人的に参考になった箇所の概要・ポイントを、個人的な備忘として記載されて頂きます。
「プラント」
在庫情報を管理する組織。プラントにて在庫数量・金額を把握出来る。
「品目マスタ」は「プラント」をキーにして設定していく。
「購買条件マスタ」
「購買条件マスタ」=「価格マスタ」のこと。
「購買条件マスタ」では単価だけでなく、値引き、運賃等を設定可能の為、「価格マスタ」とは言わず「購買条件マスタ」と呼ぶ。
「システム導入時に業務改革も必要な理由」
SAPのようなERPを効率かつグローバルに有効活用していくには、部分最適された業務をERP標準に変えていく必要がある。ERPの導入プロジェクトは、単なるシステム導入プロジェクトではなく、業務改革プロジェクトもセットで考える必要がある。
ERPを導入する時に、アドオン開発を追加で行わずに、業務内容をERPの標準機能に合わせていくやり方を「Fit to Standard」(F2S)という。システム導入時は、システムの標準フローに合わない実務がある場合、「アドオン開発」か「F2S」が必要となるが、当然、「F2S」の方がシステム導入費用は低く抑えられる。
グループ共通のERPの導入により、経営層は、経営判断に必要なデータを即時に収集・確認することが出来るメリットがある。ユーザーとしては、システム導入に伴い業務が単純に楽になると考えがちであるが、必ずしもそうなるとは限らず、むしろ「F2S」を伴う場合、従来のやり方と比べて追加の業務が発生して、現場だけ見るとメリットにはならない場合もある。会社としては、全体最適の為の業務標準化の必要性を説明してユーザーの理解を得ながら、プロジェクトを進めていく必要がある。
3.品目マスタの入力項目の定期的な棚卸が必要な件 他
SAPに限らず、ERPでは、各種マスタの管理がキモとなります。マスタの管理が適当・杜撰だと、せっかくERPを入れても上手く実務が回らず、本来の目的であった必要な情報が即時に手に入らないことになってしまいます。
ややこしいのは、SAPの品目マスタにある多数の各種入力項目の内、「プラント依存の項目」(プラント毎に入力可能。プラントAが入力した内容は、プラントBの品目には影響しない)のものと、「プラント依存ではない項目」(プラントAが入力した内容が他のプラントの品目にも上書きされて適用される項目)が混在していることです
その為、品目マスタで新しい入力項目の追加の運用を進める場合、上記を良く確認してから動かないと他部署に怒られてしまいます(経験者は語るorz)。特に、SAPから出力される帳票(注文書、納品書等)に表示される項目を新しく使用したり、使用方法を変更したりする場合は、IT部門と良く相談してから使用するようにしましょう。というか、IT部門が全体を管理すべきですね。
なお、SAPに限らず、ERPを導入して数年実務を回しますと、品目マスタには、使っているのか使っていないのか良くわからない入力項目が出てくるかと思います。
その為、定期的に入力項目の棚卸をしていかないと、限りある入力項目を有効活用出来ず、新しい法令対応等で新しい項目を増やしたい際に、ちゃんと定期的に整理していれば追加費用の発生無く項目の追加が出来たはずが、お金と時間を掛けてアドオン開発することになってしまいます。
また、各部門が好き勝手に入力項目を使ってしまう結果、情報が偏在したり、ゴミのような情報が溜まっていく結果、全体最適になっていないケースがありますので、品目に限らず、各種マスタの入力については会社としてしっかり統一的なルールを設けて厳格的に適用していくようにしたいものですね。
当社グループの今後の課題としては、品目コードのルール統一化です。各営業部門(プラント)が好き勝手に品目コード名を登録している結果、無法地帯となっていますので、いつかはルールの統一化を図りたいと思いますが、この道は険しそうです・・。
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