1.非貿易項目(役務提供等)の5万ドル送金規制を逃れるために分割払いをしてもダメ in 中国
1.非貿易項目(役務提供等)の5万ドル送金規制を逃れるために分割払いをしてもダメ in 中国
中国法人と取引された経験がある方はご存じかと思いますが、中国法人が一回当たりの送金額が5万米ドルを超過する非貿易項目(モノの輸入を伴わない取引:役務提供等)の海外送金をする場合は、原則として税務局に契約書等を事前届け出(備案)する必要があります。逆に、5万円以下の送金であれば、銀行審査だけで送金が可能となります。
なお、例えば、役務提供の対価が9万ドルの契約を締結した際、上記送金規制を逃れる為に、送金を3回に分けて、事前届け出(備案)無しに「3万ドル×3回」と分割して海外送金することはNGとなります。
あくまで、契約金額の総額が5万ドルを超過しているか否かで判断されることになります。
上記分割行為が銀行に見つかった場合、外為法違反となり、最悪、以後、他の外貨送金が出来なくなる等の大きな不都合が生じる場合がありますので面倒でも備案をしましょう。
2.非貿易項目(役務提供等)の場合は増値税の源泉徴収義務の有無を確認すべし
上記1の規制を考慮しても、5万ドルを下回る役務提供の契約金額の送金なので、備案無しで送金して終わりと考えたらそうでもない場合があります。
「中国の投資・会計・税務Q&A〈第7版〉」で、増値税の源泉徴収義務について解説された箇所を抜粋させて頂きます。
上記抜粋の通り、中国国外の法人等が中国国内で増値税の課税対象となる役務提供をした場合で、当該役務提供者が中国国内に納税代理人を設けていない場合、役務提供の対価を支払う者(委託者)が税務機関に源泉徴収に係る申告納税をする必要があります。
以前、社内で発生した事例としては、日本法人の研修会社から中国法人の当社社員がオンライン研修を受けた為、当該対価を当該研修会社に海外送金する際、非貿易送金として税務機関に備案(申告)をした上で、6%の増値税を源泉徴収して納付しました。
なお、当該日本法人の研修会社が中国に人員を派出しないオンライン研修は、当該研修会社には中国国内での源泉所得は無いとして企業所得税は発生しません。
一方、当該研修プロジェクトの期間が長期(6か月超等)となるような場合、当該人員の派出行為が恒久施設(PE)として認定されて、法人所得税の課税対象となる場合もありますので注意が必要です。まあ、通常のオンライン研修を受講しているだけであれば、PE課税リスクは無いと考えて大丈夫でしょう。
上記の通り、中国から海外に外貨送金する場合は、外貨管理規制、増値税等のルールに関係してくる可能性を考えて、うっかりルール違反をしないようにしたいものですね。
[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
中国の投資・会計・税務Q&A〈第7版〉
デロイト トーマツ 中国サービスグループ (編集)
[その為、本書で参考になった内容等]
中国では会計実務を行う者の資格者制度は廃止となった件
以前、中国では会計実務を担当する為には、会計従業資格試験に合格して、資格証書を取得する必要があった。しかし、2017年に会計従業資格管理弁法等は廃止され、また、会計法の改正に伴い、「会計責任者」以外については資格保有は不要となった。
また、「会計責任者」も、会計士以上の会計専業技術資格か、3年以上の実務経験が必要となり、資格の有無は必須ではなくなった。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
うつ病九段 (文春e-book)
原作・先崎 学 (著), 漫画・河井 克夫 (イラスト)
※Kindle Unlimited 会員の読み放題対象です。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだコミック]
「子供を殺してください」という親たち 1巻~12巻
押川剛 (著), 鈴木マサカズ (著)
※1巻の表紙写真だけ掲載しておきます。
※Kindle Unlimited 会員であれば、1巻~5巻までは読み放題対象です。
アマゾン?の策略にはまり、6巻から12巻まで購入して一気に読んでしまいました・・。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだコミック]
ケーキの切れない非行少年たち 1巻~5巻
宮口幸治 (著), 鈴木マサカズ (著), 鈴木 マサカズ (イラスト)

[超個人的な備忘メモ:最近読んだコミック]
マイホームヒーロー(1)
山川直輝 (著), 朝基まさし (著) 1巻~6巻
※1巻の表紙写真だけ掲載しておきます。
※Kindle Unlimited 会員であれば、1巻だけ読み放題対象です。
[hitorihoumuメモ]
ネタバレになりますので細かいことは書きませんが、6巻あたりから主人公(父)の非合理的な行為等(バードウォッチングのくだりや、公開する人を限定するものの小説を投稿しちゃうあたり)に、第二部まで話を引っ張りたいという著者、編集者の意図が見え隠れして、7巻以降を手に取るのは止めました・・。一部で完結して欲しかったですね・・。

中国法人と取引された経験がある方はご存じかと思いますが、中国法人が一回当たりの送金額が5万米ドルを超過する非貿易項目(モノの輸入を伴わない取引:役務提供等)の海外送金をする場合は、原則として税務局に契約書等を事前届け出(備案)する必要があります。逆に、5万円以下の送金であれば、銀行審査だけで送金が可能となります。
なお、例えば、役務提供の対価が9万ドルの契約を締結した際、上記送金規制を逃れる為に、送金を3回に分けて、事前届け出(備案)無しに「3万ドル×3回」と分割して海外送金することはNGとなります。
あくまで、契約金額の総額が5万ドルを超過しているか否かで判断されることになります。
上記分割行為が銀行に見つかった場合、外為法違反となり、最悪、以後、他の外貨送金が出来なくなる等の大きな不都合が生じる場合がありますので面倒でも備案をしましょう。
2.非貿易項目(役務提供等)の場合は増値税の源泉徴収義務の有無を確認すべし
上記1の規制を考慮しても、5万ドルを下回る役務提供の契約金額の送金なので、備案無しで送金して終わりと考えたらそうでもない場合があります。
「中国の投資・会計・税務Q&A〈第7版〉」で、増値税の源泉徴収義務について解説された箇所を抜粋させて頂きます。
Q3-40 増値税の概要
増値税の概要について説明してください
(中略)
(9)源泉徴収義務
中国国外の組織または個人が国内で課税役務を提供し、国内に経営機構を設けていない場合、その国内代理人が増値税の源泉徴収義務者となり、国内に代理人がいない場合は、購入者が源泉徴収義務者となります。
増値税の源泉徴収義務の発生時点は納税者の納税義務の発生した当日であり、源泉徴収義務者はその機構所在地または居住地の所轄税務機関で申告納税を行います。
上記抜粋の通り、中国国外の法人等が中国国内で増値税の課税対象となる役務提供をした場合で、当該役務提供者が中国国内に納税代理人を設けていない場合、役務提供の対価を支払う者(委託者)が税務機関に源泉徴収に係る申告納税をする必要があります。
以前、社内で発生した事例としては、日本法人の研修会社から中国法人の当社社員がオンライン研修を受けた為、当該対価を当該研修会社に海外送金する際、非貿易送金として税務機関に備案(申告)をした上で、6%の増値税を源泉徴収して納付しました。
なお、当該日本法人の研修会社が中国に人員を派出しないオンライン研修は、当該研修会社には中国国内での源泉所得は無いとして企業所得税は発生しません。
一方、当該研修プロジェクトの期間が長期(6か月超等)となるような場合、当該人員の派出行為が恒久施設(PE)として認定されて、法人所得税の課税対象となる場合もありますので注意が必要です。まあ、通常のオンライン研修を受講しているだけであれば、PE課税リスクは無いと考えて大丈夫でしょう。
上記の通り、中国から海外に外貨送金する場合は、外貨管理規制、増値税等のルールに関係してくる可能性を考えて、うっかりルール違反をしないようにしたいものですね。
[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
中国の投資・会計・税務Q&A〈第7版〉
デロイト トーマツ 中国サービスグループ (編集)
[その為、本書で参考になった内容等]
中国では会計実務を行う者の資格者制度は廃止となった件
以前、中国では会計実務を担当する為には、会計従業資格試験に合格して、資格証書を取得する必要があった。しかし、2017年に会計従業資格管理弁法等は廃止され、また、会計法の改正に伴い、「会計責任者」以外については資格保有は不要となった。
また、「会計責任者」も、会計士以上の会計専業技術資格か、3年以上の実務経験が必要となり、資格の有無は必須ではなくなった。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだ本]
うつ病九段 (文春e-book)
原作・先崎 学 (著), 漫画・河井 克夫 (イラスト)
※Kindle Unlimited 会員の読み放題対象です。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだコミック]
「子供を殺してください」という親たち 1巻~12巻
押川剛 (著), 鈴木マサカズ (著)
※1巻の表紙写真だけ掲載しておきます。
※Kindle Unlimited 会員であれば、1巻~5巻までは読み放題対象です。
アマゾン?の策略にはまり、6巻から12巻まで購入して一気に読んでしまいました・・。

[超個人的な備忘メモ:最近読んだコミック]
ケーキの切れない非行少年たち 1巻~5巻
宮口幸治 (著), 鈴木マサカズ (著), 鈴木 マサカズ (イラスト)

[超個人的な備忘メモ:最近読んだコミック]
マイホームヒーロー(1)
山川直輝 (著), 朝基まさし (著) 1巻~6巻
※1巻の表紙写真だけ掲載しておきます。
※Kindle Unlimited 会員であれば、1巻だけ読み放題対象です。
[hitorihoumuメモ]
ネタバレになりますので細かいことは書きませんが、6巻あたりから主人公(父)の非合理的な行為等(バードウォッチングのくだりや、公開する人を限定するものの小説を投稿しちゃうあたり)に、第二部まで話を引っ張りたいという著者、編集者の意図が見え隠れして、7巻以降を手に取るのは止めました・・。一部で完結して欲しかったですね・・。

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